なおも観察していると、
輪読がはじまっているというのに
この人物は書物もみず、
自分だけ勝手に習字をしている。
その文字をのぞくと、
齢の三十前後というわりには
あまり上手な字ではない。
が、一画々々、気根をこめ、
一字をまるであぶら汗を
垂らすようにして書いてゆく
あとで佐吉は、
塾の事情に詳しい先輩に、
あの人はどなたです、ときくと
…あれが越後の河合継之助だ
「峠」 著 司馬 遼太郎
江戸に到着した継之助が
身を寄せたところ
古賀塾である
蔵書豊かで図書館のようなところで
かれは居心地よく過ごす
異質な一匹オオカミ的存在
この頃の彼の暮らしは自由奔放、
思う存分、学び、楽しみながら
幸せに過ごしたにちがいない。
人生いつも勉強、
本とともに暮らす生き方が
実に素晴らしい
早起き鳥
人気ブログランキングに参加
読者の皆様のご支援に心から感謝申し上げます。
◆◆現在 9位◆◆