早起き鳥 

【未明混沌】今日も必ずお元気で…!

rakuten

ある禅宗の老僧の話…!

2010年12月14日 03時40分05秒 | 読書





年は九十才を越えて、

なおも元気なおも元気、

何の不満も示さないという

境地に達して居ます。

ところが一つだけ

不思議なことをするのです。

それは側近の僧に

「今晩のおかずは何か」と

毎日聞くのです。


「わしはな、この世の幻というものは

もう全部卒業して、

何事も欲しいとは思わぬのじゃ。

それでもわしの霊と肉体を

結びつけている一つの

錨のようなものがある。

この錨でわしの命はこの世の大地に

結びつけられているのじゃ。

晩飯のおかずは何かと考え、

楽しみとすることが、

いわばわしの錨じゃ。

わしがこの幻を求めているうちは、

この世に生きる力があるけれど、

これに興味がなくなったときは、

おしまいじゃ」

   「盛運の気」 無能 唱元
 
         









そしてある日その老僧は
その夜おかずについて尋ねないことがあり、
翌朝、逝ってしまったのである。

それほど、晩ご飯が楽しみで、
生きるためのエネルギーだったのだろう、
なんと幸せなことか…!

人間食べているうちは元気、
食べられなくなったらダメとよく言うが

まさにそのままのような老僧、
今は植物人間のように自分で食べられない人が

チューブにつながれて生きながらえている。
何か間違っているような気がする。

たとへ幻想の大海の中で生きていようと、
この大海の外に生きるべきところなどない、

今この大海において幸福感を持てる
生き方こそ悟りなのかもしれない。

   早起き鳥




人気ブログランキングに参加
読者の皆様のご支援に心から感謝申し上げます。



◆◆現在 4位◆◆