愚かなる人はこの幻を真実であると思うが
ゆえによって地獄に落ち、
大いに苦しむ。
しかしこの幻を離れて、
また違った真実の世というものが、
この世にあるわけではない。
そしてこの幻の世の中にあり、
幻を幻と知って
生きているがゆえに、
賢い人は悩むことがない。
「盛運の気」 無能 唱元
この世は幻だと言いながら、幻以外の世があるわけではない
と言っている。
この矛盾に覆われた
深い意味の言葉である。
幻の現実を
辛くて苦しいものだと感じれば、
なんとも不幸な現実である。
でも幻の現実を
素晴らしいものだと感じれば、
それはなんと幸福なことか。
感じる幻の現実。
ありもしないことをあるように感じて、
その感じ方で
どうも悩んだり喜んだり
するのかもしれない。
早起き鳥
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