トンネルの向こう側

暗いトンネルを彷徨い続けた結婚生活に終止符を打って8年。自由人兄ちゃんと天真爛漫あーちゃんとの暮らしを綴る日記

8年前

2006-04-12 13:30:00 | 元夫婦
さっきふっと思った
この8年間何してきたんだろうって考えたら凄い自己嫌悪になってしまった

8年前、夫の借金を知ったのは
やっぱりポストに入っていた請求書だった

その前にもその請求書は来たことがあった
自慢じゃないけれど私ってローンのカードを一枚以上持ったことがない
利息を払うのが勿体無くて一回以上の回数で払ったこともない

だからサラ金の請求書なんて見てもよく分からなかったのだ

そこには30万と書いてあったと思う
「これは、何?」と聞いたとき
「借りれる枠が30万って事さ」とその請求書をぐしゃぐしゃにして捨ててしまった

「本当に?また借りてるんじゃないの?まだあるんじゃないの?」と聞くと
「俺が信じられないの?電話でも何でもしてみれば」と凄まれた

共依存症の私には人を信じると言う言葉に弱い
人を疑うと言う事はとても疚しいことのように思ってしまう
もし本当に私の思い違いだったら夫に精神的な借りを作ってしまう

結局私も夫へのくだらないプライドを捨てられなかったのだろう
いつも夫の前だけは完璧でいたい
弱味を握られたくないと思ってしまっていた

どうして人間らしく付き合えないのかとつくづく嫌になる

で結局信じた振りをした
「嘘だったら、どうなるか分かってるよね」と念を押すと
「嘘じゃないって、勝手にしろ!」と険悪な雰囲気になってしまう

この険悪な雰囲気というのも私は凄く苦手だ
子供の頃から暗い家の環境が嫌で険悪な雰囲気が続くと息が詰まって
苦しくなってしまうのだ

早くまた笑って暮らしたい
私が信じればまた普通に暮らせるのだと思ってしまうのだ

それ程念を押したのにやっぱりその請求書は届いた
目を皿のようにしてよーく見た
何度見ても今月の請求と残高請求が載っていた

私はもう夕飯の時間だったけれどとりあえず着替えを持って夫の実家に行った
その頃の姑は右半身不随になっていたけれど今よりずっと気丈だった
舅は入院していた

その頃の夫は義理両親を本当に恐れていた
義理両親のいう事が世界であり絶対だった
だから今までの借金の話をするなら絶対義理両親に言おうと決めていた

タクシーに乗って義理両親宅に行くと姑が心配そうに待っていた
今までの借金の事全てを話した
姑は「あの子が・・・・」と絶句していた
「確かに浪費するというかお金の事をわかっていない所もあったかもしれない
仕事をしていて構ってやれず簡単にお金を渡しすぎていたのも悪かったかも」と自分を責めだした

1時間くらいして書置きを見た夫が慌ててやってきた
姑は子供を叱るようにただ怒鳴り散らすだけだった
夫はただ天井を見て無言のままだった

何の借金なのか後幾らあるのか幾ら聞いてもただ無言だった
それから2日ほど義理実家にいたけれど
夫はご飯も食べずに自分の部屋に上がり閉じこもっていた

姑は「まだご飯食べないのか」と夫がご飯を食べないことばかり気にして
借金の事は全く話題にも上らなかった
散々怒鳴りつけたんだからいいだろうって感じだった

何一つ解決しない
そんなイライラが溜まっていった
その頃息子は3歳だった
息子と昼間公園に行って遊ばせた
息子に「お母さんと2人で暮らそうか」と声を掛けた

ブランコに乗っていた息子は「お父さんと帰ろうよ」と言った
「お父さんとはもう帰れないかもしれない」と言うと
「お父さん、泣いちゃうよ。帰ろうよ」と言った

暑い夏の事だった
陽炎の中でブランコに乗った息子がゆらゆらと揺れていた
涙で息子が霞んだ

私は心の中で寂しそうにブランコに乗る息子の姿を胸に刻んだ
もう2度と息子にこんな思いはさせないと心に誓ったのだ

義理実家に戻ると姑が足を引きずりながら階段をよじ登っているところだった
「兄ちゃん。ご飯食べなさい。もう良いから。ご飯食べなさい」と大きな声で
呼びかけていた

その姿を見たとき此処にいる理由はないんだなと思った
姑は息子の借金の現実よりご飯を食べずに反省している息子をいとも簡単に許してしまったのだ

私は夫に「帰ろう。此処にいても問題は解決しないから」と言った
家に帰って夫に「義理お父さんに自分から借金がある事を言って、お義理父さんの前でもう借金はしないと約束して」と要求した

義理父さんを心底恐れていた夫は震え上がって泣いた
「それだけは許してくれ。もうしないから」と・・

本当に、本当に、反省しているように見えたのだ
もう懲りたように見えたのだ

だから私は離婚届を書くことを条件に借金を貯金で返済して新しくやり直したのだ
でも借金はまだ残っていた

なぜあの時残りの分も教えてくれなかったのだろう
夫と私との間には信頼関係がきっとなかったのだと思う
残りを言えば離婚されて義理父にばらされるその恐怖が夫の口に
硬い硬い鍵を掛けたのかもしれない

私ももうあの時に残りの借金を聞く余裕はなかったかもしれない
まだ現実を見る力が私にはなかったような気がする

あれから8年間、私は離婚届けも書かせたのに
仕事を探して自立するわけでもなくただ夫を管理することと
舅の酷くなっていくアル症を世話し続けただけだった

もっとこの8年にする事があった筈なのに
随分遠回りをしてしまった

私はただ「離婚。離婚」って騒いでいる離婚夢子ちゃんだったんだなって思った
現実をみなくちゃいけないのはきっと私も同じなんだ
今度はもう逃げないぞ。

現実を見る日々は続く



最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
それでも (nao)
2006-04-13 06:14:40
私は12年です。

でも、今となってみれば無駄ではなく

必要な時間だったように思います。



人生無駄は無いです。

その時その時悩み考えていたんだから。



そこから動きだす時期がきたんですね。

ちっこさんがどうしたいかだけ。

それだけを純粋に考えて欲しいです。



応援してます。
返信する
(^o^) ちっこさん、こんにちは (ちまり)
2006-04-14 05:26:08
春を迎え、新学期始まりました。



今日、背の高いチューリップを見つけ

なんだか嬉しくなりました。

幼稚園年少組の時、チューリップ組やったからか・・・

なぁんかチューリップ、心惹かれます。



♪並んだ並んだ 赤 白 黄色

    どの花見ても きれいだなぁ♪



☆今日がいい日でありますように☆§^。^§
返信する
naoさんへ (ちっこ)
2006-04-14 14:52:19
過去の私がいるから今の私もいるのだろうと思います



後悔ばっかりの過去だけれどそれでも

一生懸命だったんだなって今なら少し

過去の自分を褒めてあげられそうな気がします



naoさんいつも本当にありがとう
返信する
ちまりさんへ (ちっこ)
2006-04-14 14:56:33
チューリップ私も一番好きな花です

こちらももう少しと言うところでしょうか



新学期始まりましたね

私も新学期始めなきゃって思ってます



返信する

コメントを投稿