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2023 池袋ミネラルショー



今年は海外の化石業者は第3会場に集まっていた。毎年大体、Zoic やEldoniaを中心に見るが、聞いたことのない業者もある。Georgeさんのところ(シャモティラヌス)やKrautworst fossil (オルニトレステス)やRoland Juvyns(ルゴプスとラベルされた厚い歯)にももちろん、いい物はある。Hmaniというモロッコ系?のところにカルカロドントサウルスとスピノサウルスの顎の断片がある。カルカロドントサウルスの顎の断片が110万。どうだろう、断片にしては高すぎるような気がするが、今後は手に入らないからということか。Paleo-Pix fossilという所でも、数年前からスピノサウルスの指などが置いてあるが、スピノサウルス類と思われる獣脚類の顎の断片がある。パレオサイエンスにはディロングの頭骨キャストがある。



Zoicは品揃えが良く、アンキロサウルス類スピコメルスのトゲ、特に肋骨上に並んだ驚異的な化石は要相談。



またモロッコが終了して以降ニジェールの化石が並ぶようになったが、スコミムスの爪やアフロヴェナトルの歯、爪が結構出ている。



保存の良い(一部補修してある)シギルマッササウルスの頚椎はさすがに買えない。



Eldoniaに行くと、以前のような3Dプリンターのキャストがずらりと並んでいた。ガラスケースの上にあったティラノの歯、ギガノトの歯、アロサウルス爪などは全てどこかで見たようなもので、大丈夫なのだろうか。
 頭骨は大型のティラノやタルボはないものの、かなりの獣脚類が並んでいる。アロサウルス3万円は悪くないが持っているのでいいや。ヴェロキラプトルも別のものを既に持っているので素通り。アクロカントサウルスは、歯の形が違う。



このカルカロドントサウルスは頭骨の形はいいように見えるが、歯の形がティラノのように太く、どうしてこうなった。これはちょっと認められない。どうも、このシリーズは歯の形状をあまり気にしていない感があり、ちょっと引っかかる。



特別展示はEldoniaの哺乳類、鳥類等ですね。古代サイ、ディアセラテリウム。



ポタモテリウム。



アンフィキオン。強そうですね。
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Haolonggood ダスプレトサウルス



安くても、チャチいものはいらない。多くの恐竜マニアの方がそうだろう。私もこのHaolonggood ダスプレトサウルスについては、見本写真よりもチャチい感が強かったら嫌だなと思っていた。手元で見ると、予想より良かった。

PNSOも持っているが、全般的な顔の作りやリアルさではやはりPNSOの方がいい。例えば瞳の入れ方はPNSOの方が正確である。しかしこのHaolonggoodは唇が付いていて、顎を閉じると完全に歯が隠れる。オオトカゲというより、イヌっぽい可愛さがある。唇の上のウロコの形はいろいろ好みがあるだろうが、上顎、下顎の付け根のウロコはよくできているように思える。そして体色はPNSOとは違ったポリシーで塗装されている。PNSOのダスプレトサウルスはよくある褐色系で、ありがちなストライプであるが、このHaolonggoodは(私のはグリーン)明るいライムグリーンにセピア褐色の網目模様で、ところどころかすれたように薄くしてある。全体として不自然でないくらいにキレイな色合いになっている。体色・模様についてはむしろ優れているかもしれない。体形もアルバートサウルス亜科よりがっしりしていて、イメージに近い。

角の位置がおかしい、それだけで全然ダメだと思う方には、別に記事を書こうと思っている。

獣脚類に唇をつけるのは、Haolonggoodのカルカロドントサウルスが先駆的なものらしく、その後もこのダスプレトサウルスではHaolonggoodが先行している。しかしPNSOも黙ってはおらず、最近のヤンチュアノサウルスとサウロファガナクスでは唇をつけてきた。近い将来、ティラノサウルス類にも唇をつけるだろう。最近の一連のティラノサウルス類がある程度売れた頃、今後2年くらいの間に唇付きのティラノサウルスを出すのではないか。そう思ってキャメロンは買っていない。
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Haolonggood カルノタウルス



PNSOのカルノタウルスは良いのだが、昔の足の長さが残っているような気がして、買っていない。
最近、台頭してきているHaolonggood のカルノタウルス。写真では頭が大きく見えているが、これは全身のバランス、足の長さが程よいような気がしたので買った。

顔はまあまあで、目はマンガ的とも見えるが小さいので気にならない。鼻骨はあまり角質をつけていない。歯は出ている。

体表の大きいウロコfeature scaleは最新の研究に準じて、背中に一列ではなく、ほぼランダムに分布している。大きさも過去の他社のフィギュアより小さくなっている。また皮膚のシワなどはかなりよく、PNSOに近づいている。体色と模様の塗装も良い。

さらにこのレベルで3000円ちょいなので、コスパ的に優れている。デスクの上に置けるサイズなので買って損はない。
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太古レストラン酒場ダイナソー



恐竜倶楽部35周年事業・太古レストラン酒場ダイナソー食事会です。小田急江ノ島線大和駅前から3分。小田急マルシェの向かいにあります。



太古の恐竜肉。ドネルケバブのように薄切り肉を巻きつけたもので、牛肉に近い味の恐竜でした。



入り口でいきなり恐竜ロボがお出迎え。小さいのはモノニクス。肉食恐竜はどうもヘレラサウルスらしい。指が3本で比率とかいろいろあるが。



スケリドサウルスは、首の骨板が足りません。でもよくできている。



これはエオドロマエウス?顔はコエロフィシス?店内の壁に一応種類の説明があるが、いまいち対応がわからない。



同定できない謎の獣脚類。一見メガロサウルスか何かに見えるが、手がしっかり4本指。私の推理は、前肢が退化しそこなったアウカサウルスか。



スティギモロクか。大中小とあったのでドラコレックス、スティギモロク、パキでしょうね。



デイノニクスは目が光る。瞳孔の形が変わり、瞬膜も動くよ。



トイレから出るときにカーテンのような布にも恐竜骨格が。これはいいですね。





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告知:古生物創作合同展示会



もう来週に迫ってきました。よろしくお願いします。
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特別展・恐竜図鑑

多くの方がご覧の通りなので詳細には書かない。





こういう素晴らしい作品を見た後で、



あれっ。なぜか落ち込んできた。



マイケル・ターシックのダスプレトサウルス。3Dプリンターで量産して。。
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サルミエントサウルス練習



竜脚類を描いたことがないので練習。
なぜ竜脚類をやっているのかというと、最近オーストラリアのディアマンティナサウルスの頭骨が記載され、その論文を見るとティタノサウルス類の頭骨が結構蓄積されてきているのがわかったから。

サルミエントサウルスは胴体がないので、最も近縁なディアマンティナサウルスを参考にしたいが首の長さはわからない。頭骨は派生的なティタノサウルス類とブラキオサウルス類などの中間的な特徴を示すらしい。
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ネメグト層は白亜紀末かもしれない


年代測定法なので古生物学というより地質学なのですね。このレーザー励起?マススペクトル等の分析技術を含めて地質学を知らない者が紹介すべきではない。恐竜に関係するので一瞥しただけである。

モンゴルのゴビ砂漠のネメグト層は、タルボサウルスやテリジノサウルスなど多数の恐竜化石を産する重要な化石産地であるが、絶対年代が定められていなかった。他の地層の脊椎動物相などとの比較から、相対年代としてカンパニアン末期ないしマーストリヒティアンといわれていた。恐竜の図鑑にもタルボサウルスは、北米のティラノサウルスよりも少し古い時代の動物です、と書かれている。

今回の研究で岡山理科大学の田辺らは、ネメグト層の年代測定を行うため、5本のタルボサウルスの歯化石を用いて、そのアパタイトのU–Pb同位体、希少元素分析などにlaser-ablation inductively-coupled plasma-mass spectrometry (LA-ICP-MS)という方法を組み合わせて解析した。その結果、最も保存の良い(二次的な元素分布の変化の影響を受けにくい)サンプルから、66.7 Maという値を得た。これまでの他の地層との比較による知見と照らし合わせると、ネメグト層の年代はマーストリヒティアンと考えられた。6600万年といえばほとんど白亜紀末期であり、北米でティラノサウルスやトリケラトプスが生息していた時代と変わらないことになる。タルボサウルスやデイノケイルスも、「最後の恐竜」だったのかもしれない。

恐竜アーティストとしては、モンゴルにおける恐竜時代の終焉に、タルボサウルスを描いてもよい、くらいのものであるが、ティラノサウルス類の進化史のシナリオには影響があるのかもしれない。ダスプレトサウルスに似た祖先が、北米からアジアに広がり、そこでタルボサウルスを生み出した。その後北米に凱旋したものがティラノサウルスになった、という説もあった。時代が同じくらいであれば、あくまで北米に留まって進化したのがティラノサウルスとも考えられる。ダスプレトサウルス・ホルネリのようなものからより直接に進化した可能性が高まるのではないか。



参考文献
Myu Tanabe, Kazumasa Aoki, Kentaro Chiba, Mototaka Saneyoshi, Shota Kodaira, Hirotsugu Nishido, Buuvei Mainbayar, Khishigjav Tsogtbaatar, Shinobu Ishigaki (2023)
Apatite U–Pb dating of dinosaur teeth from the Upper Cretaceous Nemegt Formation in the Gobi Desert, Mongolia: Contribution to depositional age constraints.
Island Arc Volume32, Issue1, e12488 https://doi.org/10.1111/iar.12488
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サルミエントサウルス



Copyright 2016 Martínez et al.
A: ギラファティタン、B: アビドサウルス、C: サルミエントサウルス、D: ネメグトサウルス、E: ラペトサウルス、F: タプイアサウルス。

サルミエントサウルスSarmientosaurus musacchioiは後期白亜紀セノマニアンからチューロニアン(Bajo Barreal Formation)にアルゼンチンのパタゴニア中部チューブート州に生息したティタノサウルス類で、2016年に記載された。ホロタイプ標本は関節したほとんど完全な頭骨と、部分的な頸椎である。
 Bajo Barreal Formation の脊椎動物相は、やや古いパタゴニア北部のネウケン州のCandeleros Formation(ギガノトサウルスを含む)とよく似ているという。種不明のカルカロドントサウルス類の化石も見つかっている。

サルミエントサウルスの特徴は、眼窩が大きくその長径が頭骨長の40%に達すること、上顎骨と涙骨の関節が複雑で、涙骨が上顎骨の上行突起を挟み込むようになっていること、三叉神経の3つの枝がそれぞれ異なる神経孔から出ることなど9つある。その中で面白いのは、前上顎骨歯は垂直で、上顎骨歯は前傾procumbentしており、歯骨歯は後傾recumbentしていることである。このような歯の方向の組み合わせは、どの竜脚類でも知られていない。ディプロドクス、カマラサウルス、エウヘロプスでは上顎骨歯も歯骨歯も前傾している。これは化石化の過程での圧力によるアーティファクトではないかとも考えられるが、前上顎骨歯は垂直に保ちながら、上顎骨歯を前傾させ、歯骨歯を後傾させるような圧力は想像しにくいと述べている。また周囲に歪みや損傷はみられないという。

眼窩の大きさについては、ブラキオサウルス科のギラファティタンで21%、ブラジルのティタノサウルス類タプイアサウルスでは20%である。前期白亜紀のティタノサウルス形類アビドサウルスは35%で、サルミエントサウルスの大きさに最も近い。

サルミエントサウルスは、後頭顆の角度や三半規管の形状から、ディプロドクスなどと同様に吻を下方に向けた姿勢をとっていたと考えられた。このことから比較的丈の低い植物を採食していたと思われた。Bajo Barreal Formationからは針葉樹とともに被子植物の花粉の化石が発見されている。セノマニアン期は一般に被子植物が広がり始めた時期とされており、サルミエントサウルスもこれらの被子植物を採食していたと考えられた。


参考文献
Martínez RDF, Lamanna MC, Novas FE, Ridgely RC, Casal GA, Martínez JE, et al. (2016) A Basal Lithostrotian Titanosaur (Dinosauria: Sauropoda) with a Complete Skull: Implications for the Evolution and Paleobiology of Titanosauria. PLoS ONE 11(4): e0151661. doi:10.1371/journal. pone.0151661
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2023 新宿ミネラルフェア続き



ZoicにあったPaleopropithecusとかいう大型のキツネザル化石。



アフロヴェナトルの足の爪、50万円。白亜紀前期からジュラ紀中期になった件で年代が気になったが、ちゃんと中期ジュラ紀になっている。Afrovenator abakensis Callovian と書かれたラベルと、Afrovenator sp. Bajocian と書かれたものがあるので聞いたところ、微妙に層準が違うが推定方法が異なり、後者の方が新しい方法なので実は正しいのではないかと思っている、と言っていた。



中国遼寧省義県層のカエル、リャオバトラクス。



エルドニアにあるガリミムスの足。アルクトメタターサルのお手本。



なんらかの獣脚類の顎は、内側を見せてもらった。フランソワさんがいなかったので店番の方が照明を当ててくれた。歯間板が癒合していればカルカロドントサウルス類かアベリサウルス類かと思ったが、ほぼ失われていてわからないようだ。
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