雪国で育ったぼくは、雪明りに人一倍、思い入れがある。
3月の晴れた日、沈みゆく夕陽があたりをピンク色に染めれば、雪原の向こうに見える田舎家の窓辺に灯がともる。
あたりは徐々に闇に包まれ、聞こえるのは風の音だけ。すべての生き物は、冬の夜の闇を恐れてねぐらへと引き込む。
そのうち、雪面が雪明りでぼーっと浅葱色の蛍光を帯びだす。
雪原のミニかまくらには、なんとなくそんなイメージもあって、きれいなことはきれいだけど、生活感は今一つかな。
房総ドライブ。道の駅で春の食材を物色。
ゆで汁に昆布のようなうまみが出る菜の花のおひたし。少しほろ苦い春の味。
からしを溶いてもおいしいかも。
コロコロと可愛らしく、緑が鮮やかな芽キャベツ。地元の人が、ゆがいて冷凍しておけばいろいろと使えるそう。
春の味のたくさん。楽しみ。。
上巳は、五節句の一つ。桃の節句。旧暦の3月3日は桃の花が咲く季節。
雛まつりは、京の貴族階級の子女が、天皇の御所を模した御殿や飾り付けで遊んだ平安時代のあそびが始まり。
やがて、紙製の小さな人の形代を作ってそれに穢れを移し、川や海に流して災厄を祓う祭礼となった。雛(ひな)というのは、土や紙などで作った、着物を着せた人形のこと。
中国の詩経には、嫁ぐ娘を祝う民謡「桃夭」が伝わる。
「其の室家に宜しからん」
中国でも日本でも、明るく美しい桃のような女性はみんなのあこがれだ。