中坊の頃、人生で最初に買ったLP(LPって何?と聞かないように!)は、通販で購入した10枚組の映画音楽大全集(←うろ覚え)だった。収納ボックスには副読本が付いていて、女優たちの写真リストが載っていた。
中坊のぼくにとって、有名女優などだれがだれと知るはずもなく、無邪気に顔写真を見比べて美人ベスト5などを決めていた。すげえ美人だと思ったのはラブ・ストーリー主演のアリ・マックグロウ。彼女がいつも美人トーナメントのウィナーだった。そして、そのライバルの一人がキャサリン・ヘップバーン。カトリーヌ・ドヌーブと2位を競っていた。
なぜか、グレース・ケリーとかイングリット・バーグマンとか、映画を観るようになって銀幕で痺れた女優たちはトーナメントを勝ち上がらなかった。写真リストの写りが良くなかったのか、当時中坊のぼくは女性の美くしさがよくわからなかったのか、永遠の美人女優といわれるハリウッド女優たちはなぜか敗者の一群だった。
そういうわけで、映画「旅情」は最初にその音楽から知った。実際に映画を観たのは、音楽を聴いてからその何年も先だ。そしてこの映画を観なおすまで、映画のストーリーは、まったく記憶に残っていなかった。
実に多くの人たちがこの映画を観てベニスにあこがれを馳せた。
・・・旅をするなら、飛行機や自動車ではなく列車がいい。ベニス・メストレ駅を過ぎると、視界に広がるのは、アドリア海の真っ青な大海原。ただし、残念ながら今の列車は大きく窓を開け放ち、駅の構内を走って追いかけてくるレナトに手を差し伸べるのはムリだ。
心ときめく出来事を求めてベニスに一人でやってきたアラフォーのジェーン。ベニスで知り合ったレナトとの愛に溺れそうになるけれど、彼に抱かれて手にしていた赤いハイヒールをベランダに落としたときに彼女は気づく。・・・このままでは、別れなくなってしまうと。
よくあるリゾラバ(リゾラバって何?と聞かないように!)の話だが、レナトの誠実さだけが印象に残り、自己中のジェーンの身勝手さが鼻につく。このジェーンの役が若き日のイングリット・バーグマンとかだったら、もっと印象が変わっていたかもしれない。・・・彼女には味方しちゃうんだよね。
それでも、恋をすると表情が変わってきて女らしさがにじみ出てくる。それをキャサリン・ヘップバーンは完璧に演じている。やっぱ、名女優だ。
この映画のとき、キャサリン・ヘップバーンは48歳。運河に流したgardenia(クチナシ)の花が咲いていたということは、summertimeの早い時期(6~7月ごろ)の設定だったんだ。
"I'm a man and you're a woman."
"Don't you see? It's wrong. That's the way it is."
「旅情」より
昔の映画って、この映画の赤いハイヒールのように何かを暗示してたりと、観客の想像力に訴える手法が多用されていた。映画を観た後に、その意味が分かんなくて、みんなであれこれ話をしたものだった。
・・・さて、ステーキじゃなくてラビオリ食いに行こうっと(暗示)。
ご訪問&最後まで読んでくださりありがとうございます。
お帰りの際、ひとつクリックお願いします。
お手数かけてすいません。
↓↓↓↓↓↓
にほんブログ村
記憶に残るお弁当 下田ダイバーズ
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます