天山山脈のシルクロード沿い、4000m級の山々を望むイシククリ湖東岸の町カラコル(標高1700m)。そこからトレッキング・コースのカラコル谷(標高2500m)までは、1960年代にソビエト連邦のゴーリキー自動車工場 で開発された4×4輪駆動のキャブオーバー型軍用バスタイプトラックGAZ-66-96(・・・だと思う)で移動。ロシア空挺軍第106親衛空挺師団の車両にそっくりのヤツだ。
未舗装路の山道を約30㎞、1時間半のオフロード・ドライブだ。動力は115hp, 4,2L V8ガソリンエンジン。なお、フロントバンパー部分のウィンチはついていないタイプ。全高は2.44m。その約半分がタイヤ。したがって、ナビゲータシートは1.2mあたりの高さにあり、馬によじ登る感じで車軸に足を乗せ搭乗する。
道は狭いワインディング・ロード。しかも、ところどころ、50㎝ぐらいの深さで掘れている。対向車が来ると片側崖の狭い道を、すれ違えるポイントまでどちらかがバック。1時間半の道のりで数台の対向車と鉢合わせしたが、ドライバーの力関係でどちらが下がるか決まるらしい。
過去、様々な山のアプローチで悪路を体験したという旅行会社の担当の方が、その中で「ベスト・オブ・悪路」と言い、酔い止め薬を勧められたから相当ひどいのだろう。実際、車両が傾いてひっくり返りそうになりつつも、ヨタヨタと悪路を登っていく。よくぞスタックしないものだと思う。ウィンチはついていないから、スタックしたらアウト。車を捨てて歩いて登るしかない。
一時間半、ジェットコースターに乗ったように上下左右に思いっきり揺さぶられ、目的地に着いた時はドライバーに思わずグッド・ジョブと声をかけた。だが、ドラーバー氏はこの悪路をほぼ毎日運転してるらしく、当然といった顔。すごい人だ。