tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

屋久島(12)

2009-10-07 22:07:05 | プチ放浪 山道編

 
 
 
 

【撮影地】鹿児島県熊毛郡上屋久町(2009.5月撮影)
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多くの人が屋久島の豊かな森にひかれ、あるいは癒しを求め縄文杉に逢いに行く。
そして気がつくのは、杉だけでなしに、野生のサルや鹿、石楠花やササ、コケの緑と、山のいたる所に点在する大きな岩石(花崗岩)の景色が、次から次へと感動を与えてくれること。実際、多くの石が、峰々の最上部や斜面にあるのだが、その形には驚かされるばかり。山が隆起して押し上げた結果、頂上部に大きな石が鎮座することになったのだ。

宮浦岳では、幅50cmぐらいの細い登山道で、立派な角を持った体重が30kgほどのヤクシカとすれ違った。登山道といっても、両脇にアセビや、ササ、ヤクシマシャクナゲの低木がぎっしりと生い茂っていて、両者が接触せずにはすれ違うことはできない。
お互いに5mぐらいまで接近した時にぼくらは見つめ合ってしまった。どうしようかと。。キュートな姿のヤクシカなのだが、相手は野生動物。角の先でえぐられたら、ただではすまない。どうしよう。。

・・・相手のヤクシカの方が賢かった。さらに3mぐらいまで接近すると、ヤクシマシャクナゲの低木の茂みの中に飛び込んで、ササの葉っぱを食べながらぼくをやり過ごしてくれた。・・・ドキドキしていた。

屋久島では、数え切れないほどの屋久杉に出会った。
縄文杉、夫婦杉、大王杉、ウイルソン株、三代杉、翁杉、くぐり杉、七本杉、弥生杉と、名前のついている木もあれば、名もない巨木も至る所で見ることが出来た。
一口に樹齢何千年というが、想像がつかない。だが、縄文杉、紀元杉は、そのごつごつした木肌を見たという満足感だけで、大した感慨は得られなかった。
むしろ、いたるところで見た伐採されたり、自然に折れた屋久杉に多くの新しい緑が萌え出てきていたことに深い感銘を受けた。木や谷そのものが一面苔で覆われ、木々の緑と谷に転がる石の苔の緑がかもしだす光景は、まさに、もののけの世界を思わせる神秘的な景色だった。

宿のそばの飲み屋で、お通しに出たカメノテ。甲殻上綱顎脚フジツボ亜綱完胸目ミョウガガイ科。一見、貝のように見えるが甲殻類。
塩ゆでにして食べるのだが、スペインでも同様な食べ方をするらしい。おびえ食うが、エビと貝の両方の味で絶品。宿の朝のみそ汁も、これだった。映画「サイドカーに犬」を思い出しながら食べていた。 了


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