tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

夏への扉 (=・ェ・=)

2007-06-24 17:15:41 | book

夏への扉 (=・ェ・=)( ロバート・A・ハインライン、ハヤカワSF)

何がきっかけだったのかはわからない。唐突に思い出した。久しぶりに村上春樹なんかを読んだからなのだろうか。日曜日の午後、FMから流れる山下達郎を聞いたからだろうか。それとも昨日の夜、サーフィンに出かけようと数年ぶりに友達から電話で誘われたからだろうか。
因果関係はまったく不明なのだが・・・・・・。
山下達郎の”Ride On Time”の5曲目に”夏への扉”がある。その元にネタになっているロバート・A・ハインラインの夏への扉。
「この本を読むと元気になれる」
昔、我が家で飼っていた雌の猫が網戸を登って外へ出せと爪でガリガリしていた。子猫時代ならともかく、どう見ても網戸の強さよりも体重の方が重い。にもかかわらず、夏の日の外へ出せと鳴いていた。ってことを、さっき、唐突に思い出してしまって心がくすぐったくなった。
護民官ペトロニウス』という、大仰な名前の付いた猫。通称「ピート」。飼い主ダニエルのボストンバッグに居座り、ジンジャエールをこよなく愛する猫だ。ピートは冬になると、家なかに、夏につながっている扉があると信じて疑わない。扉の一つ一つをチェックして夏への扉を探している。夏への扉を探すのをけっしてあきらめない。 ・・・・・・あの本の表紙を見るたびに背中をうしゃうしゃと撫で回したくなる。

このSFで、一貫してるのは「未来は過去よりも良い」といった未来志向に他ならない。ハインラインは、本書の中でダニエルに、過去に生きるよりも、未来のほうが断然良いに決まっていると言わせている。
「この本を読むと元気になれる」のは、このような未来志向の強さにあるのだろう。
読み慣れない文体に、最初戸惑うこともあるのだが、読み進むにつれて気にならなくなってくる。さあピート、 旅に出よう。 ここから扉を開けて夏の季節へ。