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tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

人食い人種の島

2019-05-18 23:04:12 | プチ放浪 海沿い編

ご存じのとおり、バヌアツではその昔、食人が習慣的に行われていた。敵の強い戦士を食べると、その力が自分に宿るという呪術的な意味からだ。食人の慣習が最後に記録されているのがなんと1960年代。
「夕食事が終わったら話してあげるね」
エスピリトゥサント島に移住の日本人女性ガイドMayumi氏が、食人の記録を調べにいろんな島で現地の人に聞き込みを行ったらしい。今から50年前のことだから、実際に食べた人から聞き出せなくても、その子供たちから記憶を引き出すことはできる。

食事が終わって、Mayumiさんに催促して話を聞いたのだが・・・話の内容をあまり覚えていない。たしか、子供の頃、家の入口の近くに人の腕がぶら下がってたのを見た人に会ったとかという話だったように思う。
というか、エスピリトゥサント島自体の記憶があまりない。きれいなブルーホールや、シャンパンのように輝く、白砂のビーチの印象が強烈なこと。そこで思うように写真が撮れなかったこと。なによりも、夕食前に飲んだ「カバ」なる不思議な飲物で、すべての記憶がぶっ飛ぶような感覚を味わったことが原因だ。



落馬

2019-05-16 21:55:12 | プチ放浪 海沿い編

トロット(速足)あるいはキャンター(駈歩)での騎乗中、あぶみが外れたらどうするか。こんな時の対処法は二つある。一つは、後続が離れてて、しかも地面が安全な草地ならあっさりと落馬。手綱を最後に放し、できるだけ足から着地するように落ちる。そして落ちたら体を回転して受け身。墜落のダメージを少しでも和らげるようにする。

もう一つの方法は、馬の首に縋り付いて停止するのを待ち、止まってからあぶみを履き直せばよい。

この時は、馬の首に縋り付くなど思いつきもしなかったので、ぶざまに落馬。理想とは程遠く、背中から落ちて息がつまった。来た道を引き返すということでなめていたぼくは、頭を締め付けるヘルメットを嫌がってかぶってもいなかった。
起き上がり、骨に異常がないことを確かめる。背中がひどく痛むが打ち身ていどの様子。Flushはと探すと、すぐそばでびっくりしたようにたたずんでいた。落馬は乗り手にダメージを与えるが、乗ってる馬にも精神的なダメージを与える。
すぐにFlushに駆け寄って、「へたくそでごめんな」と謝って顔を撫でてあげた。
Flushは嫌がりもせずに顔を撫でられていた。この時だった。ようやく彼と心が通じたと思ったのは。

心配して駆け寄ってきたトムに大丈夫だと合図すると、ぼくは再びFlushの背中に飛び乗った。それから先の帰り道は、手綱をルーズにしてFlushの好きなようにさせていたが、道草を食うそぶりもなく、リズムのよいトロット(速足)。落馬の後は、彼もぼくに目いっぱい気を使ってくれてるようだった。


馬にワイロ

2019-05-15 23:31:26 | プチ放浪 海沿い編

すっかり乗っていた馬の機嫌を損ねてしまったぼくは、BBQの昼食をはさんで彼との関係修繕にでた。
現地ガイドのトムを誘って、Flushに日本から持ってった氷砂糖をプレゼント。ところがこれに見向きもしない。トムがあげてもダメ。
・・・トムが氷砂糖を指でつまんで珍しそうにしてたから、ひょっとしたら、かの地には氷砂糖なるものがないのかもしれない。結局、日本から持ってった氷砂糖はトムがおいしそうになめていた。
せめて水でもと、手の平にミネラル・ウォーターを汲んで差し出すも、これも無視。ぼくのワイロ作戦は失敗に終わった。

そんなんで、Flushに騎乗して帰り道のことだ。牧草地を通るダート。ホーストレッキング用に造られた道だ。多少デコボコしているが、広くてトレッキングには上等。帰り道なので、それぞれの馬が牧場を目指してトロット(速足)。
Flushにはトロットに加えてキャンター(駆け足)が時々入る。よっぽどぼくを乗せるのがイヤなのだろうか。
そのとき、地面のくぼみを避けたのだろう。Flushは横跳び。その反動で自分の首にかけていたアクションカメラ(GoPro)が膝に落っこちた。拾おうと下を見たとき、Flushがまたはねた。今度はその反動で、左のあぶみから足が外れた。
・・・やばい、落馬する。

そして、ぼくは無様に、この日三度目の落馬をした。


はじめての落馬

2019-05-14 22:37:50 | プチ放浪 海沿い編

Flushに乗って、ぼくは3回も落馬した。それも人生初めての落馬だった。

最初の落馬は、馬と一緒にラグーンにジャブジャブと入ってった時のこと。手綱だけのはだか馬に乗ってるから、膝で馬体をはさみ落ちないようにコントロール。だんだん深みに行くにつれ、Flushは「深いとこはイヤでんねん」と先に進むのを嫌がる。それをなだめつつ浅瀬を歩かせてたら、深みに足を取られ前のめりに。。

あっさりとぼくは海中へ振り落とされた。鬐甲(馬の肩あたり)に手をかけ、バタ足で体を持ち上げてなんとかよじ登りって復帰。Flushも速く砂浜へ帰ろうと必死だ。

他の馬たちが浜を目指して戻りかけたとき、もう一度、深みへ行かせようとしたらFlushが怒った。
「なにすんねん、ワレ」
ぼくの手綱の指示を無視して浅瀬へ。そこでぼくを乗せたまま体を横にして転がった。「もういやや」
Flushは海底の深みに足を滑らせたのがよっぽど怖かったのだろう。。馬が転がれば、上に乗ってるぼくは落ちざるを得ない。

2回も振り落とされてぼくもめげた。
もう騎乗する気もなくなって、手綱を引いてFlushと砂浜をトボトボ。先にあがったみんなが待つ場所へ。Flushは、怒気のこもった黒い目でぼくをながめていた。

・・・ぼくはFlushに、乗り手として信頼してもらうのに失敗したのだった。


Flushという馬

2019-05-13 22:28:35 | プチ放浪 海沿い編

バヌアツでは、馬とともに牛の牧場(私有地)を抜け、うっそうと茂る雨林を抜け、さらに白砂に映える真っ青なラグーンで馬と一緒に泳げる。
ポートビラにあるClub Hippique Adventure Parkで、現地の乗馬ガイドのトムから引き渡された馬は4歳馬。名前はFlush。美しい牡馬だ。

Flushの正面に向き合って、「よろしくな!」と彼の顔に手を伸ばそうとしたら、
「なにすんねん!」と、びっくりしたように耳をピンと立て触られるのを嫌がった。こんな馬、良くいる。なぜか、コミュニケーションが取りにくい馬は関西弁をしゃべるイメージ。お互いに理解し合うのは難しいのかも。

騎乗すればこっちのもんだ。ワシャワシャとタテガミやら首筋を撫でてやる。すると、首を思いっきり下げて手綱を引っ張って抵抗。。ヤなヤツ。
そのまま頭を下にして草などをムシャムシャやってる。
しばらくはFlushとぼくとで主導権の取り合い。
だが、ここの馬たちは総じて、外乗りイコール食事タイムと思ってるようだ。おしとやかな女性にあてがわれた一頭だけが、行儀よく草も食べずに出発の合図を待ってる。それ以外は、乗り手の意思を無視して勝手に草をモグモグしてる。
なめきった馬たちには、お客さんを乗せてるって意識は全くなさそうだ。

このFlushとともに海へ。そこでぼくは人生初の落馬の経験。
日本じゃ落馬を語ってくれる人はいないけど、海外にはいる!