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歴史散策まち歩きの記録
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東京湾の要塞・猿島を歩く

2017-07-03 11:43:20 | 歴史散策

鎖国をしていた19世紀中ごろ、江戸幕府は異国船の江戸湾侵入を防ぐために、全国初の大砲を据える台場を猿島に建設した。
以後、明治から昭和にかけてその時代に応じた軍事防衛施設として活躍した。

発電所
蒸気機関による発電所として1895(明治28)年に完成した。
ここでつくられた電気は、建物の裏から切通しを伝わって島の中央部高台にある照明所に送られていた。



兵舎
この部屋は小窓があるので兵舎。
室内はかまぼこ型に造られている。


兵舎には高窓が施されてあり、余裕がある時代の建物と感じる。

第二砲台塁道(露天掘り幹道)


壁にもいたずらに彫られた跡がある。
発電した電気は幹道の壁に埋め込まれた土管内を通って送られている。

トイレ跡
兵舎のはす向かい幹道沿いに設けられている。これもレンガ造り。

弾薬庫1
幹道にはいくつかの部屋が掘られており、兵舎と弾薬庫が交互に並んでいる。窓がない部屋が弾薬庫である。



弾薬庫内部


井戸のような竪穴があり、これを使って弾薬を真上の砲台に運び上げた。
現在のように整備、管理する前に心無い観光客がいたずら書きをした。これも遺産だとそのまま残している。





愛のトンネル
トンネル内は暗いためカップルは自然と手をつないで歩くため「愛のトンネル」と云われていて、それが拡大解釈され、ここでお祈りをすると恋愛運アップや縁結びにご利益があるとなったのでは?







司令室
長さ90mほどのトンネルの壁沿いにも兵舎、弾薬庫、病室や司令室が設けられている。壁はフランス積レンガで化粧されている。代表的なものとしては富岡製糸場で、明治初期の建物に多い。



連絡通路
西側斜面へ上がるための階段。山頂付近にあった司令所や照明所への通路であった。

天空の城ラピュタ
この風景が「天空の城ラピュタ」の廃墟に似ているとの評判で、アニメファンのコスプレイベントが戦艦三笠を含めた会場で催されている。




弾薬庫を利用したトンネル




8cm高角砲砲座跡


スマホやタブレットのアプリを利用すると高射砲が画面に再現され、現代の人物と合体写真が撮れる。

12.5cm高角砲砲座跡



展望台
TVドラマ「仮面ライダー」でショッカーの基地として撮影されたこともある。




今回の猿島巡りはある公共施設が主催したツアーで、事前の座学もあり、現地のガイド説明のほか、横須賀市教育委員会職員の説明付きというこれ以上ないというものであった。
兵舎、弾薬庫内の見学もたっぷりあった。内部写真はフラッシュを使用せず、PCの画像処理を行った。

日本海海戦の記念日まで2日に迫った日に訪れたので、船首に日の丸、船尾には旭日旗、そして連続旗の小旗が全体を飾っていた。今年は112年の記念だそうだ。
日露戦争では、ロシアの太平洋艦隊が東京湾内に入ることも想定して、猿島の要塞を造ったとも聞く。


訪れた日:2017.5.25


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