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モノトーンでのときめき

ときめかなくなって久しいことに気づいた私は、ときめきの探検を始める。

パープルマジェスティ セージ(Purple Majesty Sage)の花

2008-10-01 09:05:46 | セージ&サルビア
(写真)屋根に近づいているパープルマジェスティの立ち姿


摘心を1回しかしなかったためだろうか、
身長2mを超え2.5mの巨人にならんとしている。
鉢を大きくし、成長しやすくしてしまったことも影響したようだ。

遠くから眺めるにしても、身長が大きい割には花が小さく霞んでいる。
写真を撮ろうにも枝を曲げてとる以外ない。
恐ろしいことだ!! 

花の色だけは、赤がチョッと入った紫でなかなかいいが、
これから花序を伸ばしていくので3mに届くだろう。
或いは、強い風に押されて腰を曲げ横に広がるかもわからない。

こんなに大柄なセージが出来たのには誕生の由来がある。

(写真) パープルマジェスティの花


パープルマジェスティセージの誕生の話
パープルマジェスティセージは、
1977年頃 ロスアンゼルス郊外のサンマリノにあるハンティングトン植物園で、
ボウティン(Fredrick Boutin)によって作り出された異種交配の園芸品種で、
その親は、サルビア・ガラニチカとサルビア・ゲシネリフローラである。

サルビア・ガラニチカ(S. guaranitica)は重宝な花で、
6月から晩秋まで美しいブルーを提供してくれる。

もう一方のサルビア・ゲシネリフローラ(S. gesneriiflora)熱帯性の植物で、
メキシコの高度3000m級の山に生息し草丈2~3mと大柄で耐寒性がない。
花の色は赤であり、これはこれで素敵だと思う。

この異種交配で誕生し、1980年の初め頃には園芸種として広まったようだ。

苗床となったハンティングトン植物園は、
鉄道王ハンティングトンの庭園であり、住居・庭園、敷地・所蔵品(美術品、貴重本など)の寄贈・財団化で
今では一般に公開されている美術館・図書館・植物園がある素晴らしいところのようだ。
ここは、
世界有数のバラとソテツのコレクションで知られており、ハーブ園、日本庭園などテーマ別の庭園がある。
ロスは時間のロスなどいっていたが、そうでもなかった。気づきもしなかったな~
これから行くヒトは、この庭園でお茶を飲むと良さそうだ。

作出者のボウティン(Fredrick Boutin)は、
この植物園に1968~1979年まで植物学者として勤め、パープルマジェスティセージなどの作出を行った。
独立後はフリーで、オールドローズの発見と新種の栽培などで活躍しているようだ。
バラには入り込まないようにしているのでこのさわり程度の紹介とする。

(写真)パープルマジェスティの葉


結局、パープルマジェスティセージは、
花の色だけを除きサルビア・ゲシネリフローラの形質を受け継いでいる。
ブラジルのセージ・ガラニチカは、花の色と葉の形に面影が残り、耐寒性を強めたので育てやすくなった。


パープルマジェスティ セージ(Purple Majesty Sage)
・シソ科アキギリ属の半耐寒性の多年草。対暑性は強い。
・学名は、Salvia 'Purple Majesty'(サルビア・パープルマジェスティ)
・流通名ではメドーセージと呼ばれるブラジル原産のガラニチカ(Salvia guaranitica)と3000mのメキシコの高山に自生するゲシネリフローラ(Salvia gesneriiflora)との交雑種。
・ゲシネリフローラは、草丈が2~3mと大柄。開花期は冬場で朱色の花を咲かせるが、耐寒性は弱い。パープルマジェスティは花の色をのぞきこの性質を受け継ぐ。
・草丈は、2mまで成長するので、摘心して1.2m程度にし枝数を増やす。
・葉の色は濃いめの緑色で、花の色は赤紫。
・温度が低くなると、葉の色は紫色を帯びる。
・冬は地上部が枯れるが、腐葉土などによるマルティングで越冬する。


1977年頃 ロスアンゼルス郊外のサンマリノにあるハンティングトン植物園で、ボウティン(Fredrick Boutin)によって作り出された。

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パイナップルセージ(Pineapple sage)の花

2008-09-30 07:48:34 | セージ&サルビア
(写真)パイナップルセージの花


真っ赤な花が、矢印のように天を指し示し秋の陽にサインを出しているかのように咲き出した。
開花期は9月から11月初旬までと短いが、一気に咲き始める。

この花の原産地は、メキシコからグアテマラの2000~3000mの高地に生育し、
草丈1m、株張り1mのブッシュを作る。
温暖だが強い陽射しのなかが好みで、葉をこすると柑橘系の匂いがする。

夏場に乾燥させないように水遣りに注意することと、
耐寒性が強くないので、温暖なところ以外は冬場は枝を落として、
根元をマルチングして陽当たりの良いところで越冬させる。

メキシコ原産のものは大株に育つので、夏と冬の面倒が結構大変かもわからない。

学名は、サルビア・エレガンスで、優雅さ、上品を意味しているが、
強烈な赤、水が切れるとシワシワかさかさになる葉、斜めに成長する枝。
これらからは、命名者の意図が理解できず疑問のままだったが、次の一枚の写真がこの疑問点を解消した。

(写真)パイナップルセージとハミングバード



最愛の遺伝子拡散媒体である“ハミングバード”のために全てが美しく創られていたのだ。
ひきつけるための強烈な赤、
蜜を吸いやすいように上向きの花柄、
ハミングバードだけのための細く長い筒状の形状。
これだけのファシリティでハミングバードに尽くしている。

これこそ“エレガンス”なのだろう。

(写真)パイナップルセージの葉と花


パイナップルセージ(Pineapple sage)
・シソ科アキギリ属の半耐寒性の常緑低木。
・学名は、サルビア・エレガンス(Salvia elegans Vahl, 1804)、英名・流通名がパイナップルセージ(Pineapple sage)。
・原産地はメキシコ。標高2000~3000mの高地に生息。
・丈は成長すると1m前後。鉢植えの場合は、摘心して50cm程度にする。
・耐寒性は弱いので、マルチングするか軒下などで育てる。
・耐暑性は強いが乾燥に弱いので水切れに注意。
・開花期は、晩秋から初冬。短日性なので日が短くならないと咲かない。
・花は上向きにダークが入った濃い赤で多数咲くので見栄えが良い。
・葉をこするとパイナップルの香りがする。
・茎は木質化するまでは非常にもろく折れてしまいやすいので、台風などの強い風の時は風を避けるようにする。

「命名者Vahl.」は
Vahl, Martin (Henrichsen) (1749-1804)
ノルゥエーのベルゲンで生まれ、ウプサラ大学でリンネに植物学を学び、植物誌の編集(下記に記載)、ヨーロッパ及び北アフリカの植物探索などをし、コペンハーゲン大学の植物学教授を死ぬまで務める。
パイナップルセージの登録は1804年であり、彼の晩年の著作“Eclogæ Americanæ I-IV”と時期が重なる。
Flora Danica fasc. XVI-XXI (1787-1799),
Symbolæ Botanicæ I-III (1790-1794),
Eclogæ Americanæ I-IV (1796-1807)
Enumeratio Plantarum I-II (1804-1805)

<参考:リンク先>
ハミングバード (Rufous Hummingbird)
http://www.birds.cornell.edu/crows/rufous_hummingbird.htm
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アズレア・ブルーセージ(Azurea Bleu sage)の花

2008-09-20 07:25:15 | セージ&サルビア
いざ~にそなえ、眠れぬ夜をぐっすりと床の上で寝てしまった。
だが、台風が素通りをし雨風とも過剰ではなかったのでひと安心。 腰が痛いだけだが・・・・

アズレアが適量の雨を受け一気に咲き始め、どんより曇った中に溶け込んでいた。

(写真)アズレア・ブルーセージの花


アズレア・ブルーセージは、アメリカ南東部が原産で、草原・道端などに咲いているという。
丈は、150~200cm程度まで伸びるが、葉が細長く小さいので筋肉質のスラッとしたスタイルをしており、
ブッシュを形成するとあらゆる隙間から茎を伸ばす自在な成長をする。
そして、茎は柔らかい記憶合金の針金のように過去の履歴を残しブッシュを形作る。

その枝の先に花序を延ばし
アズレア色といわれる空色をした素晴らしい花をつける。
乾燥した冷涼な空気感でのアズレア色の花は、人の足跡の無いアメリカ中部の原野に誘い
何をすることもなく、何を考えることもない無の時間に浸れそうだ。
こんな時間に出会うと実に気持ちが良い。

耐寒性もあり育て方も簡単なので、1ポットを園芸店で手に入れ、
4号サイズ(直径12cm)の鉢から出発して陽の当たる庭の片隅で育てて欲しいセージでもある。

これほどのセージなので、人気になっているポピュラーなセージのはずだが、
原産地アメリカでも意外なほど情報量が少なく、また適切なものも数少ない。
ということは、ポピュラーではないということなのだろうか?


アズレア・ブルーセージの雑学
アズレアについては情報量が少なく、裏取りがとれていないところもあるので、雑学とした。

アズレアの新種をチェックすると2種しかないので、園芸品種の開発はされていないようだ。
学名で確認すると、
Salvia azurea Michx. ex.Lam.(azure blue sage
Salvia azurea Michx. ex Lam. var. grandiflora Benth.(pitcher sage
の2種になる。(データ:USDA米国農務省)

この学名は1805年に登録されており、これ以前に採取されたはずだが、誰が採取したかよくわからない。

手がかりは、登録日の「1805年」、命名者の「Michx.」「Lam.」「Benth.」だが、
Lam.」は、フランスの植物学者ラマルク(Lamarck, Jean Baptiste Antoine Pierre de Monnet de 1744-1829)
Benth.」は、イギリスの植物学者ベンサム(Bentham, George 1800-1884)だ。

ラマルクは、ダーウイン以前の進化論の提唱者であり、進化論としては否定されるが、
社会学的な人間社会の組織における進化論としては魅力のある
「用不用説」「獲得形質の遺伝」の原則を唱える。

ちなみに、「用不用説」は、要なものは強化され、要がないものは退化するという考え方であり、
ご近所とのお付き合い、愛情、筋肉などなどこの原則に当てはまりそうだ。
獲得形質の遺伝」は、後天的に獲得した経験が次の組織にナレッジとして伝播するということであり、
感覚的には理解できるものがある。

蛇足のついでにベンサムを紹介すると、イギリスの分類植物学の権威で、植民地の植物相の体系化を行っており、
またサルビア属が含まれるシソ科の権威でもあり、ヤマボウシの学名にも登場する

この二人は、フランスと英国のアズレアを採取したプラントハンターに敬意を表されて献じられたのだろう?

アメリカ独立戦争とフランス革命のはざ間で活躍したアンドレ・ミッショー
残された命名者1名の「Michx.」がキーマンのような気がする。
フランスの植物学者・プラントハンターのミッショー(Michaux, André 1746-1803)である。

現段階では、ミッショーがアズレア・ブルーセージを採取したという記録にはぶつかっていない。
しかし、学名登録が1805年であり、ミッショーの活躍した年代に重なり
しかも原産地のアメリカ南東部も探索しており、命名者だけでなく採取者であっても不思議ではない。

フランシス・マッソンのシリーズが完結していないが、
フランスのプラントハンター“アンドレ・ミッショー”の続きは後日掲載する。

(写真) アズレア・ブルーセージの葉と枝


アズレア・ブルーセージ(Azurea Bleu sage)
・シソ科アキギリ属の耐寒性がある多年草。
・学名はSalvia azurea Michx. ex Lam。英名はアズレア・ブルーセージ(azure blue sage)
・別名は、スカイブルーセイジ(Sky blue sage)、ブルーセージ(Blue sage)。
・アズレアには2種類がありPrairie sage(プレイリーセージ)と呼ばれるものは、学名がSalvia azurea var. grandifloraであり花がチョッと大きい。
・原産地は、アメリカ合衆国、ミズリー州などの中央部、ルイジアナ州などの南東部とテキサス。
・摘心をすると開花期は遅れ、9月~10月になり青い花を多数つける。
・草丈は1.5m。枝は柔らかく丈夫で風などにゆれ癖がつき直立しない。
・2回ほど摘心が必要。1回だけにしたら2mぐらいになり強風で枝は東西に奔走。



(写真)アズレア・ブルーセージの花2

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メキシカンブッシュセージの花 と 発見者プリングル

2008-09-18 06:08:03 | セージ&サルビア
(写真)メキシカンブッシュセージの花


昼が短く夜が長くなり、短日性の花の時期になった。

メキシカンブッシュセージ(Mexican Bush Sage)の花は、
赤紫の毛羽立ったビロードのような萼(がく)に包まれ、白い花が顔を出す。
別の名を“ベルベットセージ” 、紫水晶のような色合いから“アメジストセージ”ともいわれ
敬意が払われた素晴らしい呼称を得ている。

花が咲くまでは、品は崩していないが荒々しいブッシュを形作る枝ぶりと葉であり
やはり、メキシカンブッシュセージという名が適している。

赤紫の萼(がく)が出てから白い花が咲くまでに2~3日も時をかけ、
さらに、白い花が口をあけ虫達を誘うのにはさらに1~2日かかる。
熟してから登場するのか晩生なのかわからないが、あせっていない戦略をとっており珍しいかもわからない。


メキシカンブッシュセージの発見
こんなアンビバレントな素晴らしいセージが発見されたのは、1900年10月と意外と遅い。
発見場所が、メキシコシティの真下にあるモレロス州の2000mを越えるテポトラン山中の崖というから
発見が遅れた理由が何となく理解できる。

限界を超えたその時に、発見されるべくしてそこで待っていたのだろう。
そして発見者は、限界を超えた男の一人であるプリングル(Pringle, Cyrus Guernsey 1838-1911)

プリングルは、アメリカの植物学者というよりは数多くの新種を採取したプラントハンターであり、
メキシコ・アメリカ・カナダなどの植物相の探索と収集に力を入れ、
特にメキシコの植物の採取とその標本の作成には35年をかけたという。
彼が収集した新種の数は1200以上もあり、プラントハンターとしても素晴らしい実績を残している。

しかしプリングルは、順調にボタニストとしての道を歩んだわけではない。
兄の死により、大学を中退し家業の農場経営に戻り、
25歳で結婚したが、その直後に南北戦争(1861-1865)の兵役召集があったが、
クエーカー教徒としてこれを拒否し牢に入り、過酷な待遇に歩けないほどに衰弱した。
リンカーン大統領の恩赦で病気治療のために出獄したが、健康が回復するのは彼が30歳の頃のようだ。

30歳半ば頃から好きな植物採集の道に入るようになり、
1874年に最初の採取旅行をバーモント州のキャメル山脈で行い、
バーモンド州中で集めた標本を1878年の第三回パリ万博で展示発表した。
プリングル40歳の時で、パリ万博のカタログを見たが、確かに小さくプリングルの名前が載っていた。

ここから第一線のプラントハンター兼植物学者プリングルの道を歩むことになるが、
若い時は決して順調な人生ではなく、回り道をしながら好きこそモノの始まりを生涯で達成した人でもある。

そして何よりも気に入ったのは、プリングルを評して
His species are beautiful
といわれたことだ。彼が見つけたメキシカンブッシュセージは確かに美しい。

19世紀のプラントハンターとしてもう少し実績を調べ、
メキシコのセージ類の植物相との関係で再リサーチしてみようかと思った。
そして、プリングルの美しい植物を確認し堪能してみたい欲求に駆られた。

(写真)メキシカンブッシュセージの立ち姿


メキシカンブッシュセージ(Mexican Bush Sage)
・シソ科アキギリ属の多年草。-5℃までの半耐寒性だが、霜が降りないところでは
 根元をマルチングすると戸外でもOK。
・学名は、サルビア・レウカンサ(Salvia leucantha Cav.)、種名はleucanthus(白い花の)からきている。
・英名は、メキシカンブッシュセージ(Mexican Bush Sage)。
・別名が紫水晶のような色合いからアメジストセージ(Amethyst sage)、花がビロード状の柔らかい毛で覆われているのでベルベットセージ(velvet sage)。
・原産地はメキシコ。
・開花期は9月から11月と秋の代表的なセージ。赤紫のビロードのような萼(がく)顎につつまれ白い花が次々と咲く。
・草丈1~1.5mぐらい。8月までに2回ぐらい摘心で丈を詰めるとよい。
・花後は、株元で切り詰め腐葉土・ワラなどでマルチングし越冬させる。


学名の命名者 Cav. は
18世紀スペインの植物学の権威 カバニレス(Cavanilles, Antonio José 1745 - 1804)
カバニレスは、メキシコからの新植物の栽培も行い、ダリアをヨーロッパで初めて開花させたことでも知られる。
1801年からは、マドリッド王立植物園の園長を彼が死亡する1804年まで務めた。
メキシコの宗主国スペインの代表的な植物学者カバニレスに献じられた植物は多い。

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ブラジリアンセージ、サルビア・ブルースカイの花

2008-09-14 07:10:47 | セージ&サルビア
サルビア・ガラニチカは、日本ではメドーセージとして流通しているが、
本来のメドーセージは、サルビア・プラテンシス(Salvia pratensis)のことをいう。
大分ちがうのにどうしてこうなったのだろう?

そこで、
サルビア・ガラニチカはブラジルで発見されたので、
コモンネームでも使われている“ブラジリアンセージ”と呼ぶことにしたが、
その園芸種‘ブルースカイ(Blue Skies)’の花が咲いた。

(写真)ブラジリアンセージ、ブルースカイの花


ブルースカイの学名は確認できなかったが、
サルビア・ガラニチカ+ブルースカイであろうからSalvia guaranitica. ‘Blue Skies’となるのだろう。

花の色は、淡いブルーでクレヨンの空色というような感じがする。
長さは4cmほどありサルビア・ガラニチカと変わらないが、
品種としては、 “アルゼンチン・スカイ('Argentine Skies')” によく似ている。

つぼみがチョッと顔を出しているが、この色合いは完全なブルーであり、
この色合いから空色にどう変化したのか不思議に感じる。

ガラニチカのはっきりしたブルー、パープルスカイの青紫、ブルースカイの空色
これらを混栽して育てて見よう。
丈がそろったら見ごたえがあるかと思う。

ブラジリアンセージ、サルビア・ガラニチカ発見の歴史は?
スウェーデンのウプサラ大学でリンネ学派の先生から医学・植物学を学んだ“レグネル”がブラジルで発見する。
参考:ブラジリアンセージ発見の歴史はこちらに

(写真) ブラジリアンセージ、ブルースカイの立ち姿


ブラジリアンセージ、サルビア・ブルースカイ(Salvia guaranitica. ‘Blue Skies’)
・シソ科アキギリ属の耐寒性がある常緑低木。但し、冬場は、地上部から切り戻しを行う。
・学名は、Salvia guaranitica. ‘Blue Skies’。英名はBrazilian sage、anise scented sage、流通名がメドーセージ。
・原産地は、ブラジル、アルゼンチンを含む南米。
・花弁が4cm級の淡いブルーの花を初夏から秋まで多数咲かせる。
・咲き終わった花穂は切り戻す。
・草丈50cmで葉からはセージの独特の香りがする。
・5月までに摘心を行い丈を調節し、花穂を増やす。
・夏場に乾燥させないように根元を腐葉土でマルチングすると良い。
・さし芽、株分けで増やす。

(写真)ブラジリアンセージの仲間
サルビア・ガラニチカ と サルビア・ガラニチカ‘パープルスカイ’


【参考サイト】(Botanic Gardenより)
サルビア・プラテンシス
http://www.botanic.jp/plants-sa/salpra.htm
サルビア・ガラニチカ‘アルゼンチン スカイ’
http://www.botanic.jp/plants-sa/salarg.htm

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ジャーマンダーセージ(Germander sage)の花

2008-09-08 08:49:29 | セージ&サルビア
(写真)ジャーマンダーセージの花


ジャーマンだーセージの花が咲いた。
鮮やかな青紫の小花であり、太陽の光を跳ね返し輝いていた。

これからブルーの競演となる。
メドーセージ、パープルメドーセージ、ラベンダーセージ等が夏から咲いており、
コバルトセージ、ジャーマンダーセージが咲き始めた。
コバルトセージとジャーマンダーセージは原産地がテキサスからメキシコと同じであり植生も似ている。
(※ コバルトセージは9月6日に掲載)

ジャーマンダーセージは、
灰緑色の丸めの小さな葉に特色があり、これだけでも彩りとして魅力があるが、
さらに、花の時期はシルバーグレイの葉が霞となり青紫の花を浮き上がらせる。

乾燥気味を好むので、ロックガーデン、玄関先など陽ざしがあり雨がかからないところが向いている。
ただ夏場は、水切れに注意する必要がある。


ジャーマンダーセージの発見
この花は、1876年メキシコのサン・ルイス・ポトシ(San Luis Potosí)の山腹で、
ウィルヘルム・シャッフナー(Schaffner, Johann Wilhelm(Guillermo ) 1830-1882)によって発見された。
彼は、1856年にメキシコシティーに住みついたドイツ人の歯科医であり植物学者でもある。

その2年後の1878年には、英国系アメリカ人のParry, Charles Christopher (1823-1890)も見つけている。
パリーは、コロンビア大学で医学・植物学を学び、アメリカとメキシコ国境の植物調査にかかわり、
数多くの新種を発見・採取する。
医者としてよりも、植物学者、登山家、プラントハンターとしての活動に魅力を感じ、
パリーの名を冠した植物、コロラドの山(Parry Peak 4,082 m )が結構ある。


(写真)ジャーマンダーセージの葉と花


ジャーマンダーセージ(Germander sage)
・シソ科アキギリ属の耐寒性がある多年草。
・学名は サルビア・カマエドリオイデス(Salvia chamaedryoides)。英名は、Germander sage(ジャーマンダーセージ)、Mexican blue sage(メキシカンブルーセージ)。
・原産地は、カリフォルニア、テキサスからメキシコ北部。
・-5℃以上の半耐寒性で、日当たりの良い乾燥した土壌を好む。
・草丈は、30~50cm程度でブッシュ状に横に広がる。
・開花期は、4~5月、9~11月からまでと長く鮮やかな青紫の小さな花が咲く。
・開花期は週1度液肥をあげる。
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コバルトセージ(Cobalt Sage)の花

2008-09-06 09:35:01 | セージ&サルビア
秋の花コバルトセージが咲いた。

昨年咲いたときは、阿部首相が政権を投げ出したが、今年はチョッと早めに咲いたと思ったら
福田首相が同じように政権を投げ出した。
来年はどんなことが起きるのだろうか?
二度あることは三度あるというのでまた無責任首相が登場するのだろうか・・・・・・
或いは溺れるものワラをもつかむというから、かつての社会党との連合のようなことがあるのだろうか?

(写真)コバルトセージの花


コバルトセージの青は
“コバルトブルー”といわれるとても高価なブルーに似ているので名付けられたが、
コバルトの割合が多いほど濃い青になるという。
あまりにも高価なので、絵具としては、ウルトラマリーンなどを混ぜて代替品(コバルトブルーチント)
を作るというからかなりの貴重品であることは間違いない。

上野の都立美術館で『フェルメール』展が開催されているが、
このフェルメールもキャンバスの下地にラピスラズリーを使った高価なブルー(ウルトラマリーン)を使い、
フェルメールブルーといわれるほどブルーの使い方がうまく官能的だ。

この高価な青を使いすぎたので多額の借金が残ったというが、
混雑も過ぎただろうからそろそろ見に行かねば・・・


コバルトセージ発見の謎
キュー植物園のデータベースでは、
コバルトセージは、1975年10月にメキシコで発見されている。発見者は二人で、
一人は、キュー植物園の Harley, Raymond Mervyn (1936~)
もう一人は、メリーランド大学の教授を経てメリーランドにあるNorton Brown 植物園の
名誉教授 Reveal, James Lauritz (1941~) となっている。

これが公式なのだろうが、
ウエスト・テキサス・コバルトセージと呼ぶほどテキサスに誇りを持つ人たちは、
自国の発見者ストーリを展開している。

発見時期は明確ではなかったが、コバルトセージを発見したのは、テキサス生まれの
パット・マクニール(Pat McNeal、Native Texas Plant Nursery)で
デイビス山脈(the Davis Mountains)で発見したという。

デイビス山脈のマニアのサイトを読んでいると、
多様な植物相を持ちえる気候環境化にあり魅力的と感じた。
ここなら、もっと様々なセージなどの目新しい植物があるのではないかと思う。

(写真)コバルトセージの葉は細く香りがある


コバルトセージ(Cobalt Sage)
・シソ科アキギリ属の落葉性多年草で半耐寒性。
・学名はサルビア・レプタンス(Salvia reptans Jacq. )、英名がコバルトセージ、別名は、West Texas cobalt sage。
・原産地は北アメリカ、テキサスからメキシコの乾燥した荒地。
・草丈は、50~80cmで、花が咲く前に摘心をし、丈をつめ枝を増やすようにする。
・開花期は、9~11月で、美しいダークブルーの花が咲く。
・ほふく性と立ち性のものがある。これは立ち性。
・やや乾燥気味でアルカリ性の土壌を好む。
・関東では、冬は地上部が枯れるが腐葉土などでマルチングをして越冬できる。
・さし芽、或いは、春先に株わけで殖やす。

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秋の気配。オルトシフォン・ラピアツス(Orthosiphon labiatus)の花

2008-09-01 07:23:28 | セージ&サルビア
オルトシフォン・ラピアツス(Orthosiphon labiatus)は、
南アフリカ北部の岩がごろごろしている高原の崖面に生育する潅木で、丈が1.5mで株張り1mというブッシュを作る。

その様相は、ゴツゴツした荒削りなところがあり洗練された姿ではないが、
乾燥した大地で耐え抜くタフなジーパンのような味わいがある。
きっと、草食動物に食べられないように自分を魅力的に見せないすべを学習した結果ではないかと思う。

オルトシフォン・ラピアツスは、このように魅力的に見せないボディとブッシュで
自分の身を守っているが、
花が咲くと劇的な変身をする。

(写真)ピンクセージとも呼ばれるオルトシフォン・ラピアツスの花


まつげが長~いピンクのサインで魅惑的な刺激を発し、蜂、蝶、鳥などを誘う。
そして、次から次へと咲き、惜しみなく与える。

この種としての狙いを実行する時=開花時期になるが、これを今か今かと探っている。
だから秋の兆しを察知するとすばやく全力疾走に入り
“ピンクセージ”と呼ばれるように、淡いピンクの小花を多数咲かせる。

アキギリ属の植物をセージと呼んでいるので、この花は厳密にはセージではないが、
ピンクの花色をしたセージのイメージを相当満たしているのは確かだ。

ジーパンだけではパーティにいけないが、これに淡いピンクのジャケットなどを合わせると様になりそうだ。
こんな変身が楽しめるタフな植物だ。

(写真)オルトシフォン・ラピアツスの葉


オルトシフォン・ラピアツス(Orthosiphon labiatus)
・シソ科オルトシフォン属の耐寒性がある潅木
・学名がOrthosiphon labiatus(オルトシフォン・ラピアツス)。英名がPink Sage(ピンクセージ)、Shell Bush、Pienk Salie。
・原産地は、南アフリカ北部からジンバブエで、オルトシフォン属はアフリカ、インドなどに35種以上が分布。
・丈は、1~1.5mまで成長するが、毎年花後および春先に摘心し30cm程度の鉢物としている。
・開花期は初秋から晩秋まで咲き、1本の枝にピンクの花が多数咲く。
・花が終わった枝をつめると新しい枝から開花するので花を長く楽しめる。
・耐寒性が強い多年草。手間が要らない。
・木質を若返らせるために、3年に一度は、根元から1/3程度につめる。

名前の由来
・Orthosiphon のOrthoは、ギリシャ語orths(まっすぐな, 正しい)からきており、Siphonは、パイプを意味するギリシャ語のsphnで,まっすぐなパイプを意味する。
・labiatusは、lipped(唇の)を意味し、花の特徴について言っている。

命名者(Lamiaceae Orthosiphon labiatus N.E.Br.)
・命名者のBrown, Nicholas Edward (1849-1934)は、英国の植物学者で、1873年にキュー植物園にアシスタントから勤める。彼は、アロエ・サボテンなどの多肉植物及び南アフリカケープの植物の権威でもある。

コレクター・採取者
・オルトシフォン・ラピアツスの採取者はわからなかったが、1894年に南アフリカで発見された類似のOcimum labiatum (N.E.Br.) A.J.Patonの採取者が気になるので記載しておく。
Rudolf Schlechter(1872-1925)は、ドイツの植物分類学者で、アフリカ・インドネシア・ニューギニア・中南米・オーストラリアを探検し、15カ国で704もの新種を採取した。ランの栽培者としても著名だが、彼の庭園は1945年のベルリン爆撃で破壊された。

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サルビア・コクシネア(Salvia coccinea 'Snow Nymph')の花 二度咲き。

2008-07-31 06:39:35 | セージ&サルビア
6月20日に咲いたサルビア・コクネシア

切り戻して、夏休み中のサルビア・ウリカの大きな鉢の影に置いてたら
気づかないうちに真っ白な花が満開になっていた。

(写真)満開のサルビア・コクネシアの花


他のサルビアは、少しずつ長く咲くが、このコクネシアは、一気に満開になる。
それにしても、白い!!
‘スノーニンフ’という白さでしょうか?

耐暑性に強いが耐寒性に弱いため1年草扱いされるが、
うまく冬場を乗り越えれば越年できる。
チャレンジテーマが見つかった。

(写真)サルビア・コクネシアの立ち姿


サルビア・コクシネア‘スノーニンフ’(Salvia coccinea 'Snow Nymph')
・シソ科アキギリ属の耐寒性がない多年草だが、冬越えが難しいので1年草扱いがされる。
・学名、Salvia coccinea(S.コクシネア)。英名Tropical sage(トロピカルセージ)、Blood sage、Texas sage、Scarlet sage。和名はベニバナサルビア。
・白色なので、Salvia coccinea 'Snow Nymph' (Nymph Series)
・原産地はテキサスからメキシコなどの中央アメリカ、カリブ諸島、ブラジルなど
・開花期は、6月~11月。花柄を摘むと脇から新しい花が出る。
・草丈50~60㎝、春先に摘心して丈を詰め、枝を多くする。
・開花後に切り戻すと7月末に二度咲きした。

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ウッドセージ(Wood sage)の花

2008-07-17 07:22:40 | セージ&サルビア
(写真)ウッドセージの花


ウッドセージは、ヨーロッパ南部の森林、荒地、草原などの乾燥したところに自生し
耐寒性がある丈夫な植物だ。

名前にセージがついているが、セージ(アキギリ属)ではない。
ニガクサ属に所属し、近縁にはウオールジャーマンダーがある。

しかし、葉にしても、花にしてもセージらしい。

ウッドセージの花は、
セージ特有の口唇形であるが、良く見ると口の中の筒状が長い。
ミツバチがもぐりこむと自家受粉するが、下唇が役に立っていない感がする。
でも、この下唇が愛嬌があって印象的だ。

オレガノもホップの変わりに使われたが、
ウッドセージもホップの変わりに使われたようで、ピリッとした苦味が特色だ。
ただ、常用は避けたほうが良さそうだ。

(写真)ウッドセージの葉


ウッドセージ(Wood sage)
・シソ科ニガクサ属の耐寒性がある多年草。
・学名は、Teucrium scorodonia。英名はウッドセージ(Wood sage)、ガーリックセージ(Garlic sage)、ガーリックジャーマンダー(Garlic germander)
・原産地は、ヨーロッパ南西部の乾燥した草原。
・草丈、30cm程度で、葉の縁がチリチリと縮れている緑色の美しい葉
・開花期は7~9月に白色の小花を多数つける。
・日当たりが良く水はけが良い土壌で乾燥気味に育てる。


名前の由来
・属名のTeucrium(テウクリウム)は、トロイの王テウクロスの名前にちなみ、王が利尿・消炎・殺菌作用を発見したという。
・ウオールジャーマンダーと近縁種で、ティーなどでの長期使用は避ける。

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