モノトーンでのときめき

ときめかなくなって久しいことに気づいた私は、ときめきの探検を始める。

パイナップルセージ(Pineapple sage)の花

2008-09-30 07:48:34 | セージ&サルビア
(写真)パイナップルセージの花


真っ赤な花が、矢印のように天を指し示し秋の陽にサインを出しているかのように咲き出した。
開花期は9月から11月初旬までと短いが、一気に咲き始める。

この花の原産地は、メキシコからグアテマラの2000~3000mの高地に生育し、
草丈1m、株張り1mのブッシュを作る。
温暖だが強い陽射しのなかが好みで、葉をこすると柑橘系の匂いがする。

夏場に乾燥させないように水遣りに注意することと、
耐寒性が強くないので、温暖なところ以外は冬場は枝を落として、
根元をマルチングして陽当たりの良いところで越冬させる。

メキシコ原産のものは大株に育つので、夏と冬の面倒が結構大変かもわからない。

学名は、サルビア・エレガンスで、優雅さ、上品を意味しているが、
強烈な赤、水が切れるとシワシワかさかさになる葉、斜めに成長する枝。
これらからは、命名者の意図が理解できず疑問のままだったが、次の一枚の写真がこの疑問点を解消した。

(写真)パイナップルセージとハミングバード



最愛の遺伝子拡散媒体である“ハミングバード”のために全てが美しく創られていたのだ。
ひきつけるための強烈な赤、
蜜を吸いやすいように上向きの花柄、
ハミングバードだけのための細く長い筒状の形状。
これだけのファシリティでハミングバードに尽くしている。

これこそ“エレガンス”なのだろう。

(写真)パイナップルセージの葉と花


パイナップルセージ(Pineapple sage)
・シソ科アキギリ属の半耐寒性の常緑低木。
・学名は、サルビア・エレガンス(Salvia elegans Vahl, 1804)、英名・流通名がパイナップルセージ(Pineapple sage)。
・原産地はメキシコ。標高2000~3000mの高地に生息。
・丈は成長すると1m前後。鉢植えの場合は、摘心して50cm程度にする。
・耐寒性は弱いので、マルチングするか軒下などで育てる。
・耐暑性は強いが乾燥に弱いので水切れに注意。
・開花期は、晩秋から初冬。短日性なので日が短くならないと咲かない。
・花は上向きにダークが入った濃い赤で多数咲くので見栄えが良い。
・葉をこするとパイナップルの香りがする。
・茎は木質化するまでは非常にもろく折れてしまいやすいので、台風などの強い風の時は風を避けるようにする。

「命名者Vahl.」は
Vahl, Martin (Henrichsen) (1749-1804)
ノルゥエーのベルゲンで生まれ、ウプサラ大学でリンネに植物学を学び、植物誌の編集(下記に記載)、ヨーロッパ及び北アフリカの植物探索などをし、コペンハーゲン大学の植物学教授を死ぬまで務める。
パイナップルセージの登録は1804年であり、彼の晩年の著作“Eclogæ Americanæ I-IV”と時期が重なる。
Flora Danica fasc. XVI-XXI (1787-1799),
Symbolæ Botanicæ I-III (1790-1794),
Eclogæ Americanæ I-IV (1796-1807)
Enumeratio Plantarum I-II (1804-1805)

<参考:リンク先>
ハミングバード (Rufous Hummingbird)
http://www.birds.cornell.edu/crows/rufous_hummingbird.htm

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