彦四郎の中国生活

中国滞在記

日本語という言語も中国で教えて10年余り、すっかり高齢のおじいちゃん先生になったが❷—学生たちの授業に対する感想は‥➁

2024-06-19 11:42:27 | 滞在記

〇黄跃真—時間が経つのが早すぎますが、この一年間の授業の中で、たくさんの授業の中で一番好きなのが寺坂先生の授業です。寺坂先生の授業を受けるたびに、どうしてこの授業がこんなに早く終わったのかというのが率直な感想です。寺坂先生は1人のとても活気があって、面白い先生なので、授業中の過程の中で、みんなは先生の指導の下で、積極的に会話練習の中に参与します。

 この一年の会話授業の中で、私の日本語の表現能力も一定の向上があって、多くの日本文化にも触れました。一番好きなのは、クラスで一緒に情景劇をやることです。学んだ日本語を通して、みんなで一緒に演技をしました。みんなとてもすごいでした。これはとても思い出になります。

〇陳佳敏—「日語会話」の授業はとても面白くてわかりやすいです。先生が教えてくれた体験や写真は面白かったです。授業のスタイルは他の先生とは大きく異なり、常に質問に答えさせ、全員が集中して授業を受けるようにします。

 先生の授業でたくさんのことを学び、とても貴重な記憶となり、一生忘れられません。先生には一年間お世話になりましてありがとうございました。

〇闫兴科—この間、私は日本語の授業を通じて多くのことを学びました。先生の教えは私に更に日本語の言語と文化を理解させて、私に更に自信を持って学んだ知識を運用させます。先生の忍耐と敬業精神は私にあなたの学生になることができてとても幸運だと感じさせます。私は引き続き努力して、日本語を勉強して未来の日にもっと流暢にこの言語を運用することができることを望みます。先生のこの時間以来の教学と助けに感謝します。

〇姚博严—今学期の授業が楽しみです。寺坂先生からたくさんのことを学びました。どうもありがとうございます。日本語力が上がりました。一番嬉しかったのは、日本の文化をたくさん学べたことです。こんなカリキュラムがほんどに大好きです。寺坂先生と私一緒に頑張ってくださいお願いします。

 来学期、寺坂先生に見てほしいです。あの時は寺坂先生は依然としてこんなにかっこいいですよう。夏休みはそろって来ております。私は日本語を続いて勉強あります。もっと多くの国の景色を見に行くです。先生も楽しい休日を過ごしますように。

〇鄭雪萍—寺坂先生とは知り合ってもう一年になりますが、最初に会った時はとても厳しい先生だと思って授業を怖がっていました。しかし、最初の授業の時、先生は私たちにとても優しい顔です。授業の方法はとても特別です。授業が楽しくて、時間が速く感じられたのは初めてです。

 寺坂先生の授業を受けるたびに疲れたり眠くなったりする心配はありません。とにかく、寺坂先生はとても親切で、授業も楽しかったです。

〇孟冷泽—日本語会話3・4の授業は感無量です。寺坂先生はおもしろい人です。教室の雰囲気はとてもいいです。インタラクティブな教室を使って知識を説明します。フリートークで日本語が上達します。会話の授業では違ったシーンに引き込まれます。授業はとても活発です。授業はとても楽しかったです。授業のやり方は合理的です。カリキュラムもよくできています。

 


日本語という言語も中国で教えて10年余り、すっかり高齢のおじいちゃん先生になったが➊—学生たちの授業に対する感想は‥➀

2024-06-19 10:25:24 | 滞在記

 一昨日6月17日(月)、3回生の「日本文化名編選読」の授業で、今学期(今学年)の大学での担当授業が全て終了した。来週は担当諸教科の期末試験を実施する予定となっている。そして、7月2日までに今学期の担当教科の学生成績などの期末諸資料を作成し大学側に提出、7月3日には日本に帰国することとなる。そして、中国赴任11年目が終了する。

 2013年9月から中国の福建省の二つの大学(福建師範大学と閩江大学)に赴任して、これまでに約1250人余り(実数)の中国人学生たちに日本語教育関連教科や日本学関連教科に関するさまざまな教科の授業をし、そのうち約120人余りがこの10年間余りで、日本の大学院生や交換留学生などとして、日本の大学に留学してきている。

 昨年2023年9月から、2回生たちの日本語教育関連教科「日本語会話3」「日本語会話4」を1年間担当し、その授業は先週6月13日(木)に終了した。全60回余りの授業であった。(※日本語学科2回生は、1クラス15人で2クラスある。)

 使用する教科書は、『総合日本語第二巻』(日本語会話3)と『総合日本語第三巻』(日本語会話4)。(※いずれも「北京大学出版社」) この教科書の各課の、前半部分を中国人教員が週に3回余り担当し、後半部分の文型練習や会話練習を日本人教員である私が週に2回余り担当するという授業だった。

 この2回生たちには、10月下旬より「日本語情景劇」の指導も行うこととなり、2023年12月30日(土)に発表会を行った。(※新型コロナウイルス感染問題のため、2020年度より3年間行われていなかったので、4年ぶりの復活となった。)  最終授業日の6月13日に、「日語会話3・日語会話4」の授業についての感想を学生たちに書いてもらった。全員が、この授業について高い評価をしてくれていたので、私の中国生活の励みにもなった。以下、彼らの感想のいくつかを次号、次々号にわたって紹介しておきます。(※原文ママ)

 この教科を担当して10年余りになり、すっかりと高齢者のおじいちゃん先生になりましたが、年々、授業内容は豊かになってきたようにも思います。

〇黄雅婧—寺坂先生の授業は、日本語の会話が楽しくなりました。教室の中で日本の文化について多くの絵と知識の説明を理解して、また多くの中国と日本の文化の違いを理解して、私は多くの知識を学びました。寺坂先生は、私たちが下手な日本語を話しても、いろいろな形で会話をして、私たちの意味を理解してくれます。話せない言葉も、積極的に提示して、完璧に話せるように導いてくれます。とても感謝しています。

 この一年間の日本語の会話の授業の中で、私たちは情景劇の演技や弁論大会などの多くの形式の日本語の会話を行いました。私もだんだん日本語で何かを表現することが好きになりました。私の日本語の会話はまだまだ下手ですが、この授業が好きです。最後に寺坂先生の汗を流して教えてくれたことに対する感謝を表したいです。次の年の会話授業の先生が変わるかどうか分からないですが、ここで先生の私たちに対する助けと配慮を感謝します。

〇劉菲—「日語会話3・4」の授業は、全ての授業の中で面白い授業の一つだと思います。この授業には先生と学生のインタラクティブ性が多く、面白さ、活動形式の多様性などの特徴がある。この過程で、私の会話力がつく。教科書の知識と結びつけて、自分の言語に変換することができて、この授業は本当に重要です。学習の交流につれて、同級生同士の関係もますます良くなってきた。

 寺坂先生は私たちにいつもやさしくで、笑い声の中でこの勉強の時間を過ごしてくださったことにも感謝しています。

〇譚佳雪—お世話になりました。この1年間の学習生活の間に、先生がいろいろと助けてくれて、ありがとうございました。光陰矢の如し。もうすぐ三年生になります。来年はまた先生の授業があってほしいです。先生の授業は雰囲気が楽で、授業の内容はほかの先生より易しくて、おもしろいと思います。言語学習者にとって、外国語を流暢に話すことが一番難しいものだ。

 1年間の学習を通じて、私の口語能力が少し向上し、自然になりました。生かすほどではありませんが、これから頑張ります。

※次号に続く

■京都市にある立命館大学大学院に入学したのは、私が57歳の時だった。以後、定年までの3年間余り、京都府の学校に勤務しながら、大学院生活も送ることとなった。立命館大学大学院の言語教育情報研究科では、中国や台湾からの留学生もけっこう多かった。(※若い彼らとは同級生となった。) そして、「日本語とはどんな言語なのか」ということを学び、修士論文では、日本語の特徴の一つである助詞に関してのことで、「日本語助詞の習得と会話能力の関連性」について調査研究する論文を書いた。

その大学院修士課程での学びや研究も、中国の大学での授業の基礎として役には立っているが、でも、この「日本語会話」の授業なども、その授業内容のレベル向上などは、10年間余りの、年々の工夫の積み重ねだったようにも思う。(※大学院の講義内容は、そのほとんどが研究に関する基礎理論編であり、授業などの実践編的な講義はほとんどなかった。しかし、その基礎理論は、具体的な会話授業を作る上での役にはかなり立っている。つまり、「日本語とはどんな言語なのか」が、大学院で学べたことは大きい。)

 

 

 

 


中国の大学統一試験「高考」が今年も6月7・8日に行われた—過去最高の1342万人が受験、そのうち再受験者が413万にものぼった

2024-06-15 12:26:40 | 滞在記

 6月7日(金)・8日(土)、今年も中国全土で大学統一入学試験「高考(ガオカオ)」が行われた。今年の受験生は前年比51万人増の1342万人と、5年連続で過去最多を更新した。(22年は1193万人、23年は1291万人)  特にここ2~3年は、「➀意図的な高校留年や➁浪人、そして、➂昨年に高考を受験して大学に進学したが、よりレベルの高い大学への進学を目指して高考の受験をしなおすなどの再受験者」が、1342万人のうち413万人に上ると、香港紙「明報」は伝えていた。実に受験生の3人に1人が「再受験者」だ。

 このような「再受験者」という現象は、2019年頃まではあまりなかったことなのだが‥。(※特に大学に一度入学していて、再度受験をするということはほとんどなかった。また、浪人をすることは恥ずかしいことだという社会風潮が強くあったので、浪人生もとても少なかったのだが‥。)

 中国社会はとても変化が激しい社会だが、たった1回の試験の点数で入学できる大学が決まるという"究極の一発勝負"とも言われる「高考」の受験者にも急激な変化がここ2~3年で起きているようだ。とにかく、「よりレベルの高い大学へ」の進学熱だ。(※「より高いレベルの大学」志向の急激な高まりは、中国経済の不況による若者の就職難時代が心理的に影響しているとも指摘されている。)

 6月7日(金)、この日は大学の授業がない曜日だったので、アパートを午前7時40分頃に出て、15分ほど歩いたところにある「高考」の受験会場の一つになっている福建師範大学付属高校に向かった。団地アパート入口付近の交差点、信号待ちするチャイナドレス風の母親と受験生らしき娘の姿。受験会場に向かう道を、電動バイクの後部に座って参考書を見続ける受験生たちの姿が何台も見かけられた。

 午前8時頃、福建師範大学付属高校付近の道、騒音防止のため乗用車は通行止めとなっている。高校の正門前にはたくさんの受験生の父母たちの姿。縁起担ぎの赤い服装の人たちも多い。

 警備にあたる警察官の姿や装甲車両、報道記者たちの姿も。「高考必勝」と書かれた赤いTシャツを着ている女性。

 チャイナ服姿の色は赤が多いが、他の色の人もけっこう多い。男性も赤い色のTシャツを着ている人もけっこういる。

 午前8時30分までに受験生たちは、正門の入り口に入ることになっているようだが、少し遅れても8時40分くらいまでは入場が認められているようで、8時40分頃に急ぎ入場していく受験生も毎年見られる。午前9時から試験が開始される。

■6月10日付けの「福州日報」によれば、今年、福建省福州市内の会場で「高考」を受験したのは約3万9000人。福建省全体では235箇所の試験会場で「高考」が実施され、約5万人の要員が配置されたと報じられていた。6月7日の午前中は「中国文(国語)」、午後は「数学」、8日の午前中は「総合文系」又は「総合理系」、午後は「外国語」の試験が行われた。(※「国語」「数学」「外国語」は各150点満点、「総合文系」又は「総合理系」は各300点。総合計満点は750点となる。

■①世界最大の「受験工場」とも呼ばれる中国の高校。2018年の5月上旬に、閩江大学の学生に福建省泉州市にある、その学生の母校(高校)に行ったことがある。「ここが私が3年生の時の教室です」と案内された。教室の黒板横には大きな画用紙で「高考まであと36日!大家加油!(みんな頑張ろう!)」書かれた日めくり。生徒たちの机の上には、うず高く積まれた参考書や教科書という光景には驚かされた。高校内を歩いていると、「あの先生が3年の学年主任です。学校内で一番厳しくて怖いと思われている先生が、3年の学年主任(生徒指導部長兼務)をするのです」と耳打ちされた。

■②全受験者の8割余りが、点数によってどこかの大学への合格が決まり割り振られる。2割余りは大学に不合格となる。中国には約2800余りの大学(4年制と3年制の短大)がある。昨年で言えば、約1291万人の受験生のうち、約8割の約1032万人がどこかの大学に合格、約258万人が不合格となった。不合格者のほとんどは、専門学校などに進む場合が多かったが、最近では「高考の再受験」をする人が急増しているのかもしれない。

■③中国では2020年の高校入試より、50%は「普通高校」に合格、50%は「職業系高校」に合格というようになった。「職業系高校」を卒業しても大学入試「高考」を受験することができなくなった。このため、「高校入学試験」結果は、人生でのとても大きな意味をもつこととなり、「高校入試」に向けての中学校生活もまた受験工場化という面を持ちつつあるようだ。(※昨年2023年「高考」受験生から、全員がこの「普通高校卒業生」となった。)

■④6月7・8日の「高考」の試験を終えた受験生たちは、各試験問題の正答を自分なりにチェックし、総獲得点数を予測する。そして、第一希望から第三希望までの大学・学部・学科名(省によっては第五希望まで)を教育局に提出する。レベルの高い大学に合格した者ほど早く(※7月上・中旬頃)に大学名と学部・学科が書かれた合格通知が届くこととなる。8月上旬までには、合格者や不合格者全員の通知が家庭に届くようだ。

■⑤大学卒業生の就職難という時代になり、大学院への進学を希望する学生が「雨後の竹の子」のように激増してきているのも、ここ2~3年の現象。昨年2023年の大学卒業生は約1100万人だが、そのうちの40%に当たる約450万人が大学院入試を受験した。そのうち、どこかの大学院への受け入れ(合格者)は約125万人。合格率は27%となった。(※就職難と、それにともなう高学歴化志向の高まり。)

■⑥チャイナドレスは中国語で「旗袍(チーパオ)」と発音され、同じく「旗」の字から始まる「旗を上げたとたんに勝利を収める」という意味の熟語にかけた"げん担ぎ"のために、受験会場に来ている母親はチャイナドレスを着ている人が多い。また、赤色は中国では伝統的に「縁起の良い色」とされている。

 


蓮の花が開花し始めていた6月10日「端午節」―中国全土津々浦々で「龍舟」競技大会、セミの鳴き声を今年初めて聞く

2024-06-12 19:39:37 | 滞在記

 旧暦の5月5日は「端午節」となっていたので、今でも日本では、この5月5日が端午の節句で「こどもの日」ともなっている。新暦では6月が端午節の月となるので、中国では毎年6月に「端午節」が行われる。この「端午節」、中国では暦(こよみ)の関係で毎年、日が変わる。昨年は6月22日、今年は6月10日。

 この日、私は福州市の「龍舟」競技会(ドラゴンボート)が開催される予定のようなので、会場となる「光明港河川公園」に行くことにした。この公園のそばにあった閩江大学の旧キャンパス(校区)。この旧キャンパス構内に外国人教員用の住居があったので、2013年9月から15年の7月までの2年間、私はそこで暮らした。そして、この公園を日常的に散歩し、「龍舟」競技会も毎年、見ることとなった。

 今年は何時から開催されるのか分からないので、午前11時頃にこの公園に行ってみた。公園内の池の蓮の開花が始まっていた。日本の京都などでの開花は7月中旬過ぎころからなので、ここ亜熱帯の福州では1か月以上も開花が早いこととなる。

 蓮の原産地はインドとその周辺。花言葉は「清らかな心」「神聖」など。

 蓮の咲く池のそば、上半身裸の男性を交えた賭けトランプに興じる男たち。可愛いアクセサリーなどを売っているおばあさん。ちょっといいなあと思ったものがあったので、日本への土産に4つ買った。(1個10元[約200円])

 亜熱帯地方の6月の黄色い樹木花(※名前はわからない)やインドソケイの赤い花(※黄色や白もある)が咲いている。アパートの部屋の下にあるマンゴウの実も少し大きくなり始めている。

 この日の光明港の河川での「龍舟競技」パレード開始は、午後4開始とのことだった。まだ、4時間以上もあるので、アパートに戻ることにした。

 6月10日付や11日付の地元紙「福州日報」や「福州晩報」。一面は、「福州国際龍舟競技大会」(ドラゴンボート競技)のこと。中国国内からの龍舟チーム、国外からはインドネシア、マレーシァ、インドなどからも参加していたと報道されていた。

 福建省福州市域でも南方にある閩候県南通鎮方庄村。私が勤める大学から車で20分くらいのところにあるこの方庄村は、700年以上の歴史を誇る伝統の龍舟(ドラゴンボート)作りの村だ。村の別名は「龍舟村」。村にある4つの工房では完全手作業で、毎年200艘以上のドラゴンボートが作られ、中国国内や米国、日本、シンガポールなどに販売されているという。

 6月8日(土)の午後、福州日本企業会のメンバーでつくられているフットサルチーム(サッカー)の練習ゲームを見に行った。午後3時から始まる予定だが、公園内にあるフットサル場に午後2時過ぎに着いてしまった。公園内の東屋(あずまや)で、しばし読書をして待つことにした。そして、この公園内の木々から、セミの鳴き声が聞こえてきた。今年初めて聞いたセミの鳴き声だった。ようやく、福建省福州も梅雨明けのようだと思った。

 フットサル場では、2つの小学生たちのサッカーチームが練習をしていたので眺めた。3時前に、日本人のフットサルのメンバーが6人集まってきた。年齢は35歳~55歳くらいか。中国人チームのメンバーも8人ほどが集まった。年齢は18歳~25歳くらいとみんな若い。

 3時30分頃から練習ゲームが始まったが、中国チームの方が強かった。

■ようやく梅雨明けとなったような福建省の福州。ここ最近の気温は連日34度〜36度の真夏日となり、暑さとともに猛烈な湿気の世界がとうとう到来した。いわゆる「悶熱(メンロウ)」(※悶絶しそうな暑さと湿気の気候)と呼ばれる耐え難いような福州の夏の季節の到来。そして、毎日、夕方近くなると、湿気と高温が空気中にたまりにたまり、空が暗くなりはじめ、雷をともなう猛烈な風雨(スコール)がある。いわゆる傘は、日よけとともに急な雨に使われる。猛烈なスコールが1時間ほど続いても気温は1~2度しか低くならなく、夜は熱帯夜。

大学の夏休みとなる7月上旬に日本の京都に一時帰国するが、あの「湿気と暑さ」(蒸し暑さ)では日本では有名な京都市が、福州から戻るととても涼しく感じてしまう。

■今年の中国は、4月から異常気象が続いている。中国南部の広西チワン族自治区、海南省、広東省や福建省南西部などは台風並みの記録的な大雨が断続的に2カ月間以上続き大規模な洪水被害が起きている。また、5月下旬から北京や河北省、河南省北部、山西省、山東省などの中国中北部では、5月下旬から6月上旬としては異例な38度〜43度の高温の日々が続いている。

 


中国、2024年4月~6月、日本の4つのアニメ映画がヒット上映—季節の樹木花やさまざまな果物

2024-06-11 18:36:39 | 滞在記

 6月上旬、「芒種(ぼうしゅ)」の季節の、亜熱帯地方・中国福建省。閩江大学構内で、山丹花(さんだんか)という名の赤い花が咲いている。この花は、沖縄の県花の一つ(※他に、デェイゴとオオゴチョウ)。

 5月下旬頃から大学構内の何箇所かで、その木の近くを通ると、得(え)も言われぬ、ほのかで高貴な香りに包まれる樹木がある。高木の、その樹木をよく見上げると、白く細長い花がたくさんある。何という名前の樹木花なのだろう?日本の本州では見たこともない樹木花なので、おそらく亜熱帯樹木なのだろうが、インターネットで何度調べてみても見つからない。もし、知っている人がいたら、教えてほしい。その名を知りたくなる樹木花。(※福州市内の街路樹などにもこの樹木花が香るところもある。)

 私が暮らすアパートの部屋にも、この季節に窓を開けると、その樹木花のほのかな香りが漂ってくる。向こうのアパート棟との間に、3本の高いこの樹木がある。

 中国は果物の種類がとても豊富で、そして、とても安い。5月中旬頃からスイカやウリやパイナップルが出回ってくる。そして、6月に入ると、ライチや山桃(ヤマモモ)もたくさん売られるようになる。ヤマモモは中国南部や西日本が原産の地。中国名は「楊梅(ヤンメイ)」。葉っぱが細長く柳の葉をイメージさせることからこの名となったようだ。(※つま楊枝[ようじ]はもともとは柳の枝から作られた。そして漢字は「楊枝」と表記される。) ライチの原産地は中国南部。

 この季節、「ドリアン」もたくさん売られている。日本のテレビ報道で最近、「中国、空前のドリアンブーム」と報道されていた。私は一度だけ、人に勧められて食べてみたことがあったが、二度と食べようとは思わなかったのがこのドリアンだ。強烈な匂い?臭い?があるので、バス内や地下鉄なとへの持ち込みは禁止されている果物。中国南部の亜熱帯、東南アジアの熱帯が原産地。好きな人は"はまる"ようで、学生たちに聞いてみたら、好きな人は3分の2、嫌いは3分の1に分かれていた。

■私はこの季節、「①パイナップル、②ウリ、③ブドウ、④スイカ、⑤ライチ、⑥ヤマモモ」などを買って、冷蔵庫に入れて、毎日、何かの果物を食べている。

 6月9日(日)の午後、アパート近くのバス停からバスに乗り15分ほどのところにある「倉山万達広場」という巨大ショッピングモール。このショッピングモールには、日本の「無印商品店」もあり、コンビニの「セブンイレブン」や「ニトリ」「ユニクロ」なども近くにある。

 このモール街の映画館で、今上映されている映画の案内看板には、次の日本のアニメーション映画が4作品が大きく掲げられていた。宮崎駿監督の「君たちはどういきるか」「ハウルの動く城」、「スパイ・ファミリー」、「ドラえもん」、そして「ハイキュウ」。

 この4月上旬から6月上旬までの約2カ月間、中国で日本のアニメ映画が躍進している。4月3日、中国公開の宮崎駿監督作品「君たちはどう生きるか」の4月の興行収入は7億元(約150億円)、4月の興収ランキングで首位となり、6月11日現在も映画館でロングラン上映が行われている。(※「君たちはどう生きるか」は、2024年3月、「米アカデミー賞の長編アニメ賞」を受賞した。日本では今年になり公開されたが、日本での興行収入は約90億円とそれほど高くはならなかった。日本より、欧米や中国で評価の高い作品となっている。)

 5月1日から始まった中国の「労働節」5連休での映画興行収入。日本のアニメ映画「スパイ・ファミリー(2024劇場版)」が4位、宮崎駿監督の「ハウルの動く城」が5位に入った。また、6月1日は「中国の子供の日」。5月31日に中国で公開された「映画ドラえもん(2024劇場版)—のび太の地球交響楽」は、6月1日の興行収入は首位となっていた。(※「スパイ・ファミリー」はこの1年間、特に中国の若者層に大人気で、中国の便利店(コンビニ)などでも、キャラクターの絵がプリントされたお菓子などやコーヒーショップのキャラクター印刷のカップがよく売られている。)

 いつもは厳しい日本批判が目立つ中国共産党機関紙「人民日報」系の「環球時報」は、4月中旬に、「かって一人勝ちだった米国映画も熱気を失ったようで、宮崎作品に代表される日本アニメがますます中国の観客に受けている」と論評している。

 6月9日、万達広場ショッピングモームに行った際、「無印商品」店に、男性用の夏向きの伝統的なセンスの入った、着てみたい中華服があった。値段は300元(約6000円)ほど。近くのバス停でバス待ちの若い女性。涼しげな水色のチーパオ(チャイナドレス)を着ていた。最近、中国では漢服などのセンスの入った伝統的な服を着ている人が増えているが、このチャイナドレスを着ている若い女性も、時々見られるようになってきている。

■6月15日から中国で公開が始まる日本のアニメ映画(劇場版)「ハイキュウ」。中国での映画名は「排球少年」となっていた。このアニメは日本の漫画雑誌『少年ジャンプ』で掲載された漫画をアニメ化したものだ。6月9日に万達広場ショッピングモールに行った際には、「排球少年」グッズコーナーの店さえも見られた。

 日本の宮城県立高校である「烏野高校」男子バレーボール部が、春の高校バレー全国大会(春高バレー)への出場、そして全国大会での試合を目指していく「青春ドラマ」。

 日本アニメ「スラムダング」は高校バスケットボールクラブが描かれ、中国でも大ヒットした。中国で盛んな若者(男子)たちのNO1スポーツはバスケットボールということもあり中国でも大人気のアニメ作品となった。そして、今度は、バレーボール(排球)の世界だ。日本男子バレーボール代表チームの石川選手や高橋藍選手などは、中国の若い女性の中でも人気がけっこう高いことも、この「排球少年」が上映公開される背景にあるのかと思う。

   4日後の6月15日に公開が始まって、どれくらいの中国人観客を集めることができるだろうか‥。楽しみだ。