◆前号のブログで、「一面トップから2・3面にかけて「日朝首脳会談」に関する記事だった。」とあるのは、「‥‥「米朝首脳会談」に関する記事だった。」の間違いです。訂正します。
「日曜版・赤旗6月24日号」の2面では、志位委員長の6月14日の会見内容が紹介されていた。見出しは「平和のプロセス促進を―米朝首脳会談うけ志位委員長」。以下その内容は、「『非核化』と『安全保証』で合意した米朝首脳会談(12日)について"具体性に乏しい"などと懐疑的、悲観的な見方が一部にあります。日本共産党の志位委員長は記者会見(14日)で『非核化と安全保証を米朝が相互に約束し、朝鮮半島に永続的で安定した平和を構築ことを宣言した今回の会談の持つ歴史的意義を見誤ったものだと指摘しました。』と書かれていた。
たしかに志位氏の言う通り、歴史的意義はそれなりにあり、「朝鮮半島および東アジアの真の平和(日北韓中台露米関係)」の一つの歴史的な一里塚には違いない。今回の会談は「始まりの始まり」という、それなりの意義はあるものだった。しかし、手放しの「絶賛」ではたして今回の「米朝首脳会談」を語っていいものだろうか?大いに疑問を呈する。
志位氏の会見で「北朝鮮の体制保証」という文字を使わず「北朝鮮の安全保証」という言葉を使っているのは、今回の志位氏の会見でも、「残虐非道で人権問題がとても大きい北朝鮮の体制を保証する」という合意内容を、日本共産党は恣意的に表にでないような「安全保証」という言葉ですり替えているのは、とても残念なことだ。「人権問題意識」が疑われる恣意的表現だ。
今回の「米朝首脳会談」は今後の「朝鮮半島および東アジア情勢」の平和にとってプラスの方向に行く可能性をはらんだ第一歩という一面はある。しかし、事の本質は何だろうか。マイナスの側面も同時に見ておく必要がある。それは、トランプ大統領にとっても金正恩委員長にとっても真の平和を求めるための「会談」ではなく、「イカサマの平和」という本質が透けて見えるということだ。
①―トランプ大統領にとって「北朝鮮問題」など、今後どう進行しようと、どうでもいいという本音―
北朝鮮問題もトランプ大統領にとっては、彼の支持層の支持率を維持するための手段にすぎない。一般的な米国人にとって、対北朝鮮政策に期待するのは「米国に向けられた核兵器の撤去」だけだからだ。(それ以上のことを期待するのは、主に大都市に住むインテリ層や有識者、あるいはメディアだけで、トランプの支持者ではない。)大雑把にまとめると、トランプ大統領が描いたのは以下のようなシナリオだった。
米国民が「アジアに金正恩という変な独裁者がいて、米国に向けて核ミサイルを発射すると息巻いている」という不安を抱く➡北朝鮮の核攻撃を防ぐために、トランプは金正恩と会談する➡金正恩は敵対的でなくなり、トランプは問題を解決したことになる。これはオバマなんか絶対にできなかったことだと鼻を高くして誇れる。反トランプの人々にも鼻をあかせる。➡米中西部や南部における彼の支持率は上がり、中間選挙の見通しは明るくなり、大統領再選にもスイッチが入る。(※そして、現実もこのシナリオ通りに進行した。) アメリカにとってではなく、トランプにとっては今回の「米朝首脳会談」の演出は大成功であり、朝鮮半島の非核化や拉致問題がどれほど進むかなどは、乱暴に言ってしまえば、彼にとって あまりどうでもいいと考えているのが本音のようにも思える。
②―金サマ、習サマが「3度にわたる中朝首脳会談」で交わした盃(さかずき)―中国による朝鮮半島のより一層の従属化をもたらした今回の「米朝首脳会談」の舞台裏
韓国での冬季オリンピック開催以前の昨年度、北朝鮮の核開発を巡る状況により、東アジアは大きな危機をはらんでいた。国際社会は全体的に「北朝鮮」に対する圧力をより強め、「北朝鮮の体制崩壊」も視野に入った状況もあった。これに対して、北朝鮮は中国との関係改善に大きく動いた。そして、中国の後ろ盾のもと、今回の「米朝首脳会談」に至る。その結果、できたものは東アジアでの中国支配勢力がより大きくなったことである。中国習近平政権の外交勝利でもあった。これは、新たに「覇権」をより拡大しようとしている中国の増強という局面に他ならない。これに対する日本共産党の見識・状況分析や認識が決定的に中途半端というか、お茶を濁しているというか、目をつぶっているというか、弱いことも、志位委員長の会見内容である。
これはなぜなのか?次回の号で少し考えてみたいと思う。
「米、国連人権理事会を脱退」(6/21)という報道が‥‥。「中ロに力与える」の声も。
世界の環境問題に関する「パリ協定」からの脱退に次ぐ、アメリカ・トランプ大統領の判断だった。
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