昨日から7月。6月9日の「端午節」以来、福州はほぼ35度以上の最高気温。ここ2週間は、38度前後の最高気温が続いている。7月に入り、気温は40度を越える日々も多くなる。用事があって 少し外に出て20分ほど歩くと 全身汗だらけになっている。私の顔も 日焼けしてきた。ハイビスカスの花の満開の季節。京都では「祇園祭」が始まったようだが、早く日本に帰国したいが、いろいろな事情で帰国がままならない。もうしばらくこの暑さの中に身をおくことになる。
6月27日(月)の夕方、閩江大学の2回生の馮(ふう)さんと3回生の陳さんと、宿舎近くの「屋台」で食事(小宴会)。2人とも日本語学科の学生ではなく、他の学部の学生だ。日本に強い関心をもち、私の授業を熱心に聴講してきた学生。馮さんは、この9月より、台湾にある「中国文化大学」に1年間留学予定。陳さんは、6月30日に故郷の「河南省・洛陽市」に帰省予定。福州から「普通の列車」に乗って26時間、さらにバスに乗って3時間で故郷の町に着くようだ。3人お互いの 小さな「送別会」となる。
屋台は、中国では非常に多い。日本でいう「居酒屋」とは、中国では「屋台」という感じかな。暑い日々、裸になって この屋台で 仲間と飲み食いする人たちも多い。この日、私たち3人は、海鮮料理を5品〜6品・ビールの小瓶を8本注文し2時間半あまりいた。料金は180元(約3000円)ほどと安くて美味しい。
数日前に、「寺坂先生、今 部屋にいますか?先生の近くに電器修理屋さんがいますから、先生の部屋に行きますがいいですか?」と師範大学の洪先生より電話があった。連日の「猛暑と湿気」のため、クーラーが悲鳴をあげ、目に見えない霧のような水分がクーラーの下の壁にかかったようだ。すごい湿気のために、カーテン裏にかかった水分から「カビ」が発生していた。その様子を見るために、修理屋が来た。
彼は、外のベランダに行き、クーラーの室外機を見に行った。そして、帰って行った。ベランダには、箒(ほうき)と塵取り(ちりとり)を干していたのだが---。彼が帰った後にベランダに行ったら、室外機を見るのに椅子を使ったようで、箒も塵取りも 放りっぱなしに散乱していた。椅子も 使ったままに放置。日本の電器修理の人だったらありえないことだが、中国では まま多い。なんというか、「職業倫理」の欠如というか、「客に対するぞんざいな態度」というか----。まあ、呆れることも多い中国社会。
6月30日(木)、この日で6月が終わる。学生たちの期末試験もこの日で全部 終了となった。私の方も、この日の午前中に、師範大学の担当者に、「後期(2学期)の成績」を渡した。福建師範大学での教員としての仕事が終わった。
この日の夕方の5時から、1回生(2班[組])主催の「送別会」を開いてくれた。クラスの25人全員が来ていた。「乾杯!」から始まって、午後8時頃までの3時間を学生たちと過ごした。
学生一人一人のメッセージが書かれた葉書きをもらった。学生たちは、明日7月1日に ほとんどが故郷に帰って行く。学生の半数は福建省以外の省から来ている。北京近くの「山西省」、中国南部の「河南省」、中国北西部の「陝西省」や「甘粛省」などから来ている学生も多い。新幹線を使う学生は少なく、経費節約のため「普通の列車」で帰省する学生がほとんど。甘粛省に故郷がある学生に聞いてみたら、「福州から列車で35時間かかります。そして列車の駅から、故郷の家までバスで3時間です。ほとんど2日間の時間です。」ということらしい。
「送別会」の会場となった店には、たくさんの部屋があった。日本の「居酒屋チェーン」店に 間取りがよく似ていた。送別会がお開きになる前に、両手を広げて 私に抱き着いてくる学生が数名あった。他の学生たちが「ヒュー!ヒュー!」とはやし立てていた。学生たちは、寮に戻ってから、帰省の荷物作りをし、明日は故郷に向かう---。みんな、再見!! 「一期一会」だな。
6月30日の朝、成績資料を渡すため大学に向かう。この日は少し気温が下がり 最高気温予想は36度。大学に向かう途中の「学生街」の小さな広場で、年配の人たちのカラオケ大会が生演奏を伴奏に行われていた。7月1日の朝、同じ場所で「抗日戦争勝利71周年記念」の小さなイベントが準備されていた。近くでチラシを配っている若い女性。チラシを受けとる。チラシの裏面には、60才以上の人には、一人一個限りで、「抗戦勝利71周年記念ペットボトル」を贈呈と書かれていた。
大学近くの売店では、雑誌などが売られている。漫画や小説などの薄い冊子も並べられている。中国の水彩画のような薄いタッチの冊子の表紙絵。交差点で、「中国琵琶」を弾き語りする男性。とてもとても美しい旋律の琵琶演奏。「中国琵琶」の音色とは、こんなに多彩で豊かな音が出せる楽器だったのかと、いまさらながら驚き立ち止まる。「ぼくもこの楽器が演奏できるようになったらいいのになあ!!」としばし聴き惚れた。
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