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村の中心部に向かうことにした。建物が迷路のように密集している。「方形」(長方形や正方形)の土楼もある。壁は高くけっこう立派なものだ。細い道路の両側の古民家に人々が暮らしている。家の入口には、赤い紙が貼られ文字が書かれている。中を見るとそこは居間。毛沢東の肖像写真が貼られていた。
村の一番大きな「雑貨屋」さんがあった。村の人が雑談していた。少し行くと、「麻雀」をしている人たち。のんびりした村だ。今日は 私たちのほかに観光客はみられない。
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隣の家は「理発店」と書かれている。「理髪店」だ。店の男性が、理髪していけと言っているようだ。時間があればしてみたかったが--。その隣の家は有名な人の育った家らしい。説明プレートには、「胡文虎故居」と書かれている。説明によると、彼は中国人に「水滸伝」「西遊記」「三国誌(演義)」などの古典小説を広めるなど、伝統教育分野の偉大な人らしい。先に見た「功名塔」にも彼の塔があった。
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入り口に「富紫楼」と書かれた建物があった。土楼かなと思い中に入ると土楼ではないが、これも一族が集合して住んでいる建物群だ。一軒一軒の家はそれなりに立派だ。細い通路を抜けて進むと、円形の「土楼」があった。
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少し大きな土楼で、「栄昌楼」という名前だった。村を見渡せる場所に行くと、村は霧がかかっていた。バイクタクシーと5時半に待ち合わせている場所にいくと、大きなアヒルを歩かせている女性。バイクタクシーでホテルに向かう。料金は往復で30元(約600円) 明日の朝、世界遺産に指定されている土楼群に行く予定なので、バイクタクシーの運転手に鶴田さんが交渉していた。明日もこの人に依頼するようだ。
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夕食を食べに、「下洋鎮」の町の中心地に向かう。大きな川がある。この時期雨が多く降るため、水は濁っている。橋の上にはかなり年代物のトラックがある。このトラックは、中国国内でよくみられるタイプだ。川沿いの屋台店で注文した。「牛肉丸」と「○○○鼠麺」はこの地の名物のようなので、注文した。「牛肉丸」は中に牛肉ミンチが入っている。「○○○鼠麺」は、うどんのような麺が、鼠のしっぽに似ているからつけられた名前のようだ。二つともとても美味しかった。満足。
ちなみに鶴田さんは、東京外国語大学卒業後、外大大学院にすすみ(中国文学専攻)、さらに台湾の大学院にて勉強したり、仕事をしていた経歴をもつ。中国福建省の龍岩大学の教員として6年目になる。中国語は堪能だから 一人で貴州省などまで行って少数民族の暮らしなどを見て回ったことも多いようだ。
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ホテルに戻る道すがら、肉牛を処理する店があった。店の奥には「うわぁ!大きく立派な牛。筋肉も隆々としている。」牛がいた。「下洋鎮」の町は温泉ホテル(旅館)が多い。ホテル街を通ってホテルに戻り、鶴田さんとビールを飲みながら過ごす。10時ころに眠くなる。
翌朝、4時に起きたらすごい雷と豪雨、暗闇の町も雷光で明るく照らされている。「うわー!凄い---。土楼群見学は---無理かもしれない--。」
この雷雨は、2時間後には止まってきて、曇り空に変わって行った。7時ころホテルを出て、市場の方に食事をしに行く。昨夜見た「肉牛処理店」には、早朝にされて処理された牛肉や皮が陳列販売されていた。
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町の大きな市場に行く。露店にはタケノコやシイタケなどが並べられていた。中国では、四季を通じて いろいろなタケノコが多く販売されている。しかもとても安い。竹林の多い中国ならでわだ。露店でマントウを買い、朝食とする。
ホテルへの帰り道、「快速牙科」の看板がある。「牙科」とは歯科医院だが、「快速」とは? あっという間に虫歯を抜きますよという宣伝文句かな? 「『無痛堕胎』という産婦人科医院の看板を見たことがあります。痛み無く子供をおろす医院という意味のようです。」とは鶴田さん。中国は、ネーミングが、「食べ物名」にしろ「料理名」にしろ、何にしろ、直接的な表現が多すぎる。このあたりを日中比較研究しても面白いと、ずっと思っている。
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