彦四郎の中国生活

中国滞在記

新型コロナウイルス感染拡大「非常事態宣言」―この先が見えない"世界で165万人超のパンデミック"という事態

2020-04-11 20:36:14 | 滞在記

 世界の新型コロナウイルス感染者数が4月11日時点で165万人を超えた。そして死者数は10万人を超えた。とりわけヨーロッパ諸国とアメリカでの感染者数が3月以降、爆発的に拡大している。1か月前の3月10日、アメリカでの感染者数は230人ほどだったが、昨日4月10日には46万5000人超となっている。ヨーロッパでは、スペインが15万3000人超、イタリアが14万3000人超、フランスが11万8000人超。ドイツも10万人を超えている。

 3月20日頃以降、感染者数の新たな増加を抑え込んできた中国は、4月8日、中国の武漢市での2カ月半に及ぶ「都市封鎖」を解除した。中国政府の感染者数は4月8日の時点で8万2700人と公表しているが、感染していても軽症だった人4万3000人あまりをカウントしていないことを公表したので、実際には12万5000人超以上だが実数はそれをはるかに上回るだろうと言われている。その他に、イランが6万3000人超、イギリスが5万3000人超、トルコが3万1000人超、ベルギーが2万3000人超などとなっている。

 3月25日付朝日新聞には、「パンデミック加速 新型コロナ40万人迫る WHO事務局長 改めて危機感」との報道がされていた。この3月25日の40万人から実に半月ほどで4倍の165万人にまで感染者数が爆発的に増加したこととなる。私的利益のため、中国政府への過度の忖度配慮を貫き通していて世界的な爆発的パンデミックを引き起こすこととなったWHOデドロス事務局長が「改めて危機感」など"何をいまさら"感がある。彼などはこの世界的疫病感染パンデミックを引き起こした2人の主犯のうちの一人であり、その重大かつ決定的責任についての声も世界的に強まっている。

 オーストラリアの沿岸には、いまも港への寄港が認められていない「コロナ漂流船」とも言われる大型クルーズ船が10隻ちかくもある。いずれの船にも3000人ほどの乗客・乗員が不安の中で寄港を待ち受けている。4月上旬には、自宅待機や隔離状況など、各国の政府から外出制限にある人の数は24億5000万人超、世界人口の約31%以上にあると報道されていたので、今日4月11日時点ではさらに増加していると思われる。

 3月29日、東京都心では32年ぶりとなったこの季節の積雪。満開となっていた桜の上にも積雪となった。「なごり雪」というよりも、「花見阻止雪」といった感じの積雪。この日、京都地方は好天に恵まれ、満開近くとなった所々の桜を求めて多くの人が集まっていた。しかし、東京では感染者拡大が急速化していて、上野公園や井の頭公園、代々木公園などの桜の名所は3月25日ころからGW明けの5月7日まで通行が禁止となっていた。そんな中、4月1日には各地で入社式が行われていたが、一同が集まっての入社式そのものを中止するという会社も多かった。

 4月6日、日本の安倍首相もついに「緊急事態宣言」に向けて動くことを発表した。その際、ヨーロッパなどの「都市封鎖・ロックダウン」と「緊急事態宣言」にともなう政策はイコールではなく、「都市封鎖」そのものは行わないことを発表。この頃には、一日の全国感染者数が360人を超えるようになり、国民もかなりの危機意識をもつように変わってきた。

 翌日には一日の感染者数が初めて500人を超えた。特に東京と大阪の感染者数増加が多いのだが、全国47都道府県全域での感染拡大が広がってきていた。私の故郷である福井県は3月中旬頃は感染者がいない県の一つだったが、3月下旬に入り急増していった。4月3日に故郷の南越前町の自宅に戻ると、この町でも1人の感染者が出ていた。隣接する越前市(武生市)でも10日には6人の感染者が確認された。

 東京・大阪・愛知・兵庫などの感染者増が日々のテレビや新聞報道でされているが、4月6日時点で、実は人口10万人あたりの感染者数で最も多いのが福井県という報告があった。福井県の人口は78万人、「10万人あたりの感染者数は6.7人」。二番目は東京の6.5人、三番目が京都の4.5人、四番目が大阪の4.4人、五番目が千葉の3.7人と報告されていた。全国平均は2.8人であった。(上記写真の右から1・2番目のグラフ・表)

  そして4月7日、安倍首相は緊急事態宣言を7都道府県(東京・埼玉・千葉・神奈川・大阪・兵庫・福岡)を対象に出すこととなった。これにより、7都道府県の知事はさまざまな要請や自粛、行政指導を行う権限をもつことができるようになり、感染拡大阻止に向けての動きが一気に加速化するようになってきた。京都府や愛知県なども緊急事態宣言対象を求めて政府に要請している。

 4月11日の朝日新聞の報道では、日本の感染者数は前日より634人増加し6076人(クルーズ船などの750人あまりを除く)、死者数は133人となっている。

 この日本の「緊急事態宣言」の発令に関して、4月7日の中国の新聞・テレビ・インターネット報道などでは、日本のテレビ報道を紹介するなど、大きく取り上げられていた。「感染者数4555人(クルーズ船除く)」「首相が"緊急事態宣言」「安倍首相"このペースでは5日間で2倍という感染拡大者数になる 1カ月後には8万人の感染者数を超える"」や「日本の感染拡大を表すグラフ」、「安部終于宣布緊急状態!」などと報道されていた。 

 4月7日の中国のさまざまな報道では、世界各国の感染者数なども報道されていた。

 10万人あたりの感染者数では3番目に多い京都府。11日の報道では174人の感染者数だが、その半数近くは3月中旬ころにヨーロッパ旅行から帰国した3人の京都産業大学の学生に端を発した集団爆発感染・クラスター。私の自宅のある町からも近い井手町の住民もこのクラスターに巻き込まれて多くの感染者が出ている。11日現在、私が暮らす京都市の南に隣接している八幡市の感染者数は2人とまだ少ないが‥。

 このような新型コロナウイルス感染の急拡大、緊急事態宣言発令の中、「感染した人で軽度症状の人や濃厚接触者など検査判定待ちの人」などを受け入れる施設が足りなくなり始めている。アパホテルの女性社長は「全国にあるアパホテルをその施設として受け入れる用意がある」ことを表明した。楽天の三木谷会長なども、「楽天トラベル」の繋がりや機能を通じて、全国のホテルに施設としての受け入れを打診し始めているようだ。

 慶応大学の慶応病院の100人あまりの研修医たちが、東京都の自粛要請が出された翌日にもかかわらず、「居酒屋➡クラブ➡カラオケ」と10時間あまりにわたる宴会を行い、クラスター感染を引き起こしたことが報道されてもいた。自粛への油断は 今は大敵だ。

 


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