今から15年ぐらい前だと思うんだけど、実は、「じゃんけん」というものについて、かなり真面目に考えたことがあります。
キッカケは、『ウンナンの気分は上々。』(TBS系)というテレビ番組…。
"我こそは、芸能界のジャンケンチャンピオン!"
そう豪語する南原清隆(ナンチャン)が、芸能界の噂…
"ジャンケンに負けたことがない!"という芸能人たち(3人)と争って、「真のジャンケンキング」を決めよう!決めていこう!みたいな…そんな企画だった。
吉川晃司, 西川きよし, 萩本欽一、そして、南原清隆。
とにかく、この4人…「じゃんけん」というものに対する こだわりが、(引くぐらい)スゴくてね…。
例えば、ナンチャンは、すべて…形(衣装, 瞑想, 滝行など)から入る。そして、("勝つ!"という)思い込みの極致こそが、その極意だと…。
例えば、吉川晃司さんは、そもそも、「じゃんけん」とは、「じゃん拳」…格闘技である…と。"気"が、大切だと…。
例えば、西川きよしさんは、「じゃんけん」とは、"念"だと。そして、本当に負けた記憶がない…と。
例えば、萩本欽一さんは、「じゃんけん」とは、"運"だと。で、それは、その時の状況(お互いのセコンドについている人たちの運など)によっても左右される…と。
ただ、僕が1番驚いたのが、4人全員が口にしていた…この言葉、
"「じゃんけん」は、出すものではなく、出させるもの"
正直、僕とはステージが違う。完全に敗北者目線で、この続き物企画を観ていたんだ。
ルールは、1対1の対戦形式。
まず、お互いが、相手に気づかれないように隠れ合う(かくれんぼ)。東京都内…どこに隠れてもいい。
そして、スキを見て、どちらかが、背後にまわったりして、"勝負―!"って 叫んで、お互いの目が合った瞬間に、"じゃんけんぽん!"の1発で勝敗を決するというもの。
ナンチャン vs 吉川晃司, ナンチャン vs 萩本欽一…次々に撃破していくナンチャン。ペースをかき乱されて負けていく2人の姿があった。でもね、1週の特別枠(別枠)で放送されたのかな? とにかく、西川きよし師匠の全てが、もう 凄まじくてね…。
事前にリサーチしていく中で、信じられない西川きよし伝説に触れ、動揺…そして、平常心を保てなくなり始めているナンチャンの姿が あった。
"きよし師匠、壊れて廃棄処分にしようとしていた二層式の洗濯機に向かって、動け―!言うたんですよ。そしたら、2回転半ぐらい…洗濯層の方、回ったんです"
"僕、その時、その場にいたんですけど、これ初めて言うんですけど…(沈黙)…その洗濯機、コンセント入ってなかったです"
こういう話を6個, 7個…。
血の気が引いていく…というか、目がキョロキョロ & ザ・狼狽ingのナンチャンの様子が見てとれた。
そんな中での2人の対決。
"勝負―!"(ここから、スロー映像に切り替わる)
発する声と共に、体全体で押して押して…押しているはずなんだけど、どんどん…目が引っ込んでいく?ナンチャン。一方、突然の奇声…当然、後退りしながら 確かに…確かに押されているはずなのに、目が…目玉が、どんどん前に前に出て、飛び出して、ナンチャンを追い詰めていく西川きよし師匠。後の先? とにかく、不思議な光景だったなぁ~。
結果は、ナンチャンの完敗だった。
"南原くん、まだまだやな…"
"もう1度、挑戦させてください"
日を改めての対戦だったと思う…。
今度は、鎧, 甲冑, 十数本の旗(のぼり), 5人ぐらいの家来(若手芸人), 旗と同じ色の幕、そして、大将・南原清隆…完全に武士が 戦に向かう時の画ヅラだった。
そして、目のアップ。カッと見開いた眼…と同時に、"出陣じゃ―!"…西川きよし師匠が収録をしている建物に向かう一行の姿があった。
そして、いざ勝負の時、廊下の角で、出くわした2人。でも、その時の勝負は、あまりに静かで、また、あっさりの出来事…でもあった。
心技体…終始 落ち着いてるナンチャン。その姿にビビって、右手を出しながらも、しりもちをついてしまってる 西川きよし師匠…。
あの西川きよしが負けた。
ただ、立ち上がりながら、"南原くん、大きなったなぁ~"
笑ろたわ~。と同時に、この企画を通して、「じゃんけん」というものの真髄に少し…触れたような気もしていたんだ…あの日。
"「じゃんけん」とは、出さされた方が負ける"
という教訓を得たような…。
また、「じゃんけん」とは、「誘導」と「観察」!!
そういう結論に達している自分自身も感じていたんだ。
あれから、15年。"じゃんけん必勝法"について熱く語り続ける 島田紳助さんなど…多くの先達から学んだ勝利の方程式を、今、AKBのみなさんに教えてあげる。
「絶対」ではないけど、利用できるならば、利用してください。参考になれば…と。
【難易度A】
「(相手の)出し手は、その足幅(スタンスの広さ)に表れる」
例えば、右利きの人が、パーを出す場合、グー & チョキの時よりも少しだけ…足幅が広くなる(1~2cmぐらい)。
厳密にいうと、右足の親指の方が、(1~2cmぐらい)外側に開く。たぶん、パーと決めた瞬間だろうね。構えた時に、その足幅を見てみて。
【難易度B】
「人は、最もノーマークの部分にこそ、その本当が表れる」
例えば、右利きの人が、グーを出そうとしている場合、その人の左手の閉じ具合は、間違いなく、パーの時よりも強め。ただし、微妙だよ。シワで判断してね。
逆に、パーを出そうとしている場合、その人の左手は、若干 緩む。
つまり、観察するのは、利き手じゃない方の手の雰囲気ってこと。勝負の直前、観察してみてよ。分かりやすい人は、思いっきり…出るから。
【難易度C】
「人は、コンマ何秒前…見たものに、意外に左右される」
"じゃんけんぽん!"
人は、「けん」で、右手を振り上げると思うんだけど、その時に、少しフライング気味…正確にいうと、「ん」と「け」のちょうど中間ぐらいのタイミングで 振り上げた右手を相手に見せる。チラッ & パッ…ぐらい。
例えば、それを、グーにした場合、相手の出す手は、グー or パーの可能性が、極めて高くなる。
同じように、フライング気味に頭上でチラッ…。それを、チョキにした場合、相手の出す手は、チョキ or グーの可能性が、極めて高くなる。
また、瞬間、パーをチラつかせた場合、相手の出す手は、パー or チョキの可能性が、極めて高くなる。
確率の問題、そして、心理誘導とミラー効果の複合技だ。
一撃必殺! だから、少し練習が必要。
全体として、特に、腕の使い方が、内旋してなくて(体の内から出てこないで)、外旋している人(外回りして出てくる人)は、いろいろと分かりやすいよ。そして、結構 顕著に出るよ…クセがさ。
僕は、この3つの技を駆使して、たぶん…なかなかの勝率で やってます。観察眼, 相手に出させるということ, (出す手の)誘導…。
観察, 実験, 訓練…ず~っと研究してるとね、大人って、ホント…意外に、グー, チョキ, パー…3つとも フォームが違う!ってことに気付く。分かってくる。クセ…って、ホント…どっかに出てるもんだよ。見抜く訓練…しておくといいと思うよ。いざ本番で、役に立つかもしれないからね。
あと、ポイントは、慣れる事…なんだけど、勝率9割以上をコンスタントに出すためには、チョキvsチョキで、あいこになった場合を想定して、慌てないことかな? 対処の仕方をパターン化しておくことかな? やっぱ…稽古だわ。
グーとパーに関しては、相手が子供じゃなかったら、訓練によって、95%…読み切れると思う。子供って、1回1回 フォームが違うからね…読めない。だって、あいつら、じゃんけん途中に、ジャンプしたりするでしょ? 逆にいうと、大人は、それをしない。同じフォーム…クセが出る。
AKBのみなさん、僕は、「じゃんけん」って、「情報と心理学」だと思うよ。せっかくの機会なんだから、頑張って!
ただし、責任は負いかねます。