ブログ読者の方からお勧めいただいたアイドルネサンスの『前髪』を聴いた。
すぐに気に入った。
これは「青春のじたばた」を歌った曲だ。
「前髪が決まらない」というフレーズは、答えが見つからない青春を象徴している。
「文集に載せた夢」「最後のシュート」「歯の矯正」など、過去の出来事を振り返り、「青いトンネル」と表現している。しかし「青いトンネル」はまだ続いている。彼女たちは未だ青春の真っただ中にいる。
後半、「失った魔法」「消えてしまった光」「聞こえなくなった音」「もう会えなくなった子」と喪失したものを列挙している。青春の真っただ中で、多くのものを喪失し、一方で何かを手に入れたという実感はない。その焦燥が「青春のじたばた」の正体なのだろう。そういうことを鮮やかに描き切った素晴らしい楽曲だ。
一方で「前髪」はアイドルの象徴でもある。朝井リョウの小説『武道館』では、理想のアイドル「葵」は、どんなに激しいダンスをしても前髪が乱れないと描かれていた。実際にはそんなはずはないが、乱れたように見えないということだろう。AKBグループで言えば、若い頃の渡辺麻友がそうだった。
過去のアイドルの楽曲では、松田聖子『赤い靴のバレリーナ』には「前髪1ミリ切りすぎてあなたに会うのが怖い」というような歌詞があった。1ミリくらいで大袈裟だと思ったが、女性にとってはそれくらい重要なのだろう。
AKB48『言い訳Maybe』では、「気づかれないくらい髪を切ったんだね」と歌っている。好きな女性だから、ほんの小さな違いも気づくことができると歌っているのだ。アイドルでなくても、やっぱり前髪は特別なのだ。
アイドルネサンスが何人のグループなのかも知らない。この曲がいつの曲なのかも知らない。先入観は全く無しで聴いて、魅力的だと思った。なかなか無い貴重な体験だ。
ソロパートが多いのがいい。無伴奏のソロでいきなり始まり、その後も何人かが代わる代わるソロで歌い継いでいて、それぞれの個性的な歌声を味わうことができる。穏やかに歌い進められ、途中の間奏で盛り上がり、最後は冒頭と同じメロディーでエンディングを迎える。
構成も凝っていて、力の入った作品だと思う。
すぐに気に入った。
これは「青春のじたばた」を歌った曲だ。
「前髪が決まらない」というフレーズは、答えが見つからない青春を象徴している。
「文集に載せた夢」「最後のシュート」「歯の矯正」など、過去の出来事を振り返り、「青いトンネル」と表現している。しかし「青いトンネル」はまだ続いている。彼女たちは未だ青春の真っただ中にいる。
後半、「失った魔法」「消えてしまった光」「聞こえなくなった音」「もう会えなくなった子」と喪失したものを列挙している。青春の真っただ中で、多くのものを喪失し、一方で何かを手に入れたという実感はない。その焦燥が「青春のじたばた」の正体なのだろう。そういうことを鮮やかに描き切った素晴らしい楽曲だ。
一方で「前髪」はアイドルの象徴でもある。朝井リョウの小説『武道館』では、理想のアイドル「葵」は、どんなに激しいダンスをしても前髪が乱れないと描かれていた。実際にはそんなはずはないが、乱れたように見えないということだろう。AKBグループで言えば、若い頃の渡辺麻友がそうだった。
過去のアイドルの楽曲では、松田聖子『赤い靴のバレリーナ』には「前髪1ミリ切りすぎてあなたに会うのが怖い」というような歌詞があった。1ミリくらいで大袈裟だと思ったが、女性にとってはそれくらい重要なのだろう。
AKB48『言い訳Maybe』では、「気づかれないくらい髪を切ったんだね」と歌っている。好きな女性だから、ほんの小さな違いも気づくことができると歌っているのだ。アイドルでなくても、やっぱり前髪は特別なのだ。
アイドルネサンスが何人のグループなのかも知らない。この曲がいつの曲なのかも知らない。先入観は全く無しで聴いて、魅力的だと思った。なかなか無い貴重な体験だ。
ソロパートが多いのがいい。無伴奏のソロでいきなり始まり、その後も何人かが代わる代わるソロで歌い継いでいて、それぞれの個性的な歌声を味わうことができる。穏やかに歌い進められ、途中の間奏で盛り上がり、最後は冒頭と同じメロディーでエンディングを迎える。
構成も凝っていて、力の入った作品だと思う。