『心のプラカード』とカップリング曲を合わせると、何と8曲。全て入手して聴き込んでいる。
まず真っ先に気に入ったのは、アップカミングガールズの『チューインガムの味がなくなるまで』だ。
一聴してわかりやすい青春ノスタルジーもので、私の好きなパターンである。
学生時代に仲間たちとよく行っていたボウリング場を久しぶりに訪ねると、家具の大型店に変わっていて、あの日噛んでいたチューインガムはもう味がしないという内容だ。
金曜の夜にTバード(フォード車)でボウリングに通っていたというぐらいだから、運転免許と外車を持っている、結構リッチな大学生グループだったのだろうか。それともこの歌の舞台はアメリカなのかもしれない。グループの中には好きだったポニーテールの彼女もいて、でもその恋は成就しなかったようだ。大人になって再訪した今回の動機は、センチメンタルジャーニーか。
これまでのAKBグループの歌に使われたモチーフ、アイテムを盛り込んでいるのは、いつものサービスだ。
まずボウリング場は、SKE48『ボウリング願望』でも楽しいグループ交際の舞台となっていた。『ボウリング願望』の彼らは高校生だった。その歌ではピンが弾ける音が効果音として入っていたので、今回は「音がしない」のだが、聴き手の心の中ではその音が鮮やかに聞こえている。
「ガムを噛む」のはSDN48『負け惜しみコングラチュレーション』のカップルにとって大事な行為だった。『チューインガムの味がなくなるまで』の彼も、トレードマークのようにいつもガムを噛んでいるようだ。
町の景色が変わっているという感慨は『Seventeen』や『鈴懸なんちゃら』でも歌われていた。ボウリング場が家具の大型店にというのは、地方都市にありがちの光景だろう。
それから、五感を刺激する歌詞だ。
Lが切れた「ネオン」「揺れるスカートの裾」(視覚)、彼女のポニーテールが「甘い」(嗅覚)、チューインガムは「味がしない」(味覚)、ピンが弾ける「音がしない」(聴覚)。五感のうち触覚の描写だけがないが、当時も彼女と手は繋がなかったということを暗示しているのだと思う。
1つだけ歌詞に残念な所がある。
大サビで「いつか青春も(チューインガムのように)捨てる日が来る」と歌っているが、これは蛇足だと思う。味がしなくなったガムを「どこに捨てればいいの」と直前に歌っていて、それだけで充分青春の終わりを暗喩していて印象的なフレーズだ。その上に直接的な「解説」を加えている形になっているので、興ざめなのだ。
それに「青春を捨てる」という言い方も、あまりいい気持ちがしない。ガムを捨てることに喩えているからの表現だが、敢えて明示的にそう歌う必要もなかったと思う。
曲調は明るく元気で、それが余計にノスタルジックな気分にさせる。
1音1音押し込むように歌うサビのメロディーが力強くて、すぐに覚えてしまった。反面、Aメロ、Bメロは淡々と流れて印象薄いが、それはそれでメリハリがついていていい。
まず真っ先に気に入ったのは、アップカミングガールズの『チューインガムの味がなくなるまで』だ。
一聴してわかりやすい青春ノスタルジーもので、私の好きなパターンである。
学生時代に仲間たちとよく行っていたボウリング場を久しぶりに訪ねると、家具の大型店に変わっていて、あの日噛んでいたチューインガムはもう味がしないという内容だ。
金曜の夜にTバード(フォード車)でボウリングに通っていたというぐらいだから、運転免許と外車を持っている、結構リッチな大学生グループだったのだろうか。それともこの歌の舞台はアメリカなのかもしれない。グループの中には好きだったポニーテールの彼女もいて、でもその恋は成就しなかったようだ。大人になって再訪した今回の動機は、センチメンタルジャーニーか。
これまでのAKBグループの歌に使われたモチーフ、アイテムを盛り込んでいるのは、いつものサービスだ。
まずボウリング場は、SKE48『ボウリング願望』でも楽しいグループ交際の舞台となっていた。『ボウリング願望』の彼らは高校生だった。その歌ではピンが弾ける音が効果音として入っていたので、今回は「音がしない」のだが、聴き手の心の中ではその音が鮮やかに聞こえている。
「ガムを噛む」のはSDN48『負け惜しみコングラチュレーション』のカップルにとって大事な行為だった。『チューインガムの味がなくなるまで』の彼も、トレードマークのようにいつもガムを噛んでいるようだ。
町の景色が変わっているという感慨は『Seventeen』や『鈴懸なんちゃら』でも歌われていた。ボウリング場が家具の大型店にというのは、地方都市にありがちの光景だろう。
それから、五感を刺激する歌詞だ。
Lが切れた「ネオン」「揺れるスカートの裾」(視覚)、彼女のポニーテールが「甘い」(嗅覚)、チューインガムは「味がしない」(味覚)、ピンが弾ける「音がしない」(聴覚)。五感のうち触覚の描写だけがないが、当時も彼女と手は繋がなかったということを暗示しているのだと思う。
1つだけ歌詞に残念な所がある。
大サビで「いつか青春も(チューインガムのように)捨てる日が来る」と歌っているが、これは蛇足だと思う。味がしなくなったガムを「どこに捨てればいいの」と直前に歌っていて、それだけで充分青春の終わりを暗喩していて印象的なフレーズだ。その上に直接的な「解説」を加えている形になっているので、興ざめなのだ。
それに「青春を捨てる」という言い方も、あまりいい気持ちがしない。ガムを捨てることに喩えているからの表現だが、敢えて明示的にそう歌う必要もなかったと思う。
曲調は明るく元気で、それが余計にノスタルジックな気分にさせる。
1音1音押し込むように歌うサビのメロディーが力強くて、すぐに覚えてしまった。反面、Aメロ、Bメロは淡々と流れて印象薄いが、それはそれでメリハリがついていていい。