『カモネギックス』のカップリング曲のうち、残りの3曲もいい曲だ。
こういう曲を公演曲に回せば、全てのチームがとっくに新公演にありつけているだろうに。
『思わせ光線』。
タイトルは早見優『誘惑光線・クラッ!』の本歌取り。ゆうゆのアルバム『ゆうゆ光線』や、モーニング娘。『恋のダンスサイト』の「セクシービーム」も念頭にあるのだろう。
ゲームセンターで、なぜか自分の方を見詰めている女の子が気になって仕方がない男の子の歌。『フライングゲット』の彼のような自惚れ男ではないが、彼女のことを「本当はさびしがり屋」だなどと思い込みは激しい。思わせ光線にKOされて、「どんな頼みでも聞いてしまうよ」と一人で盛り上がっている。
彼がやっているクレーンゲームに欲しい景品があって、彼が先にゲットしてしまわないか心配で見ているだけだったとか、何かオチがあるのだろうと思って聴いていたが、オチはなかった。
『どしゃぶりの青春の中で』。
廃線の停車場が舞台なのは、近藤真彦『ミッドナイトステーション』を思い出す。
どしゃぶりの青春とは、じたばた、ヒリヒリとも同義だろう。全てに見捨てられ、自暴自棄になりそうな辛い青春。「どんな傘もいらない」とは、『君のことが好きだから』でファンにさしかけられた傘、『心の隅のソファー』で女友達にさしかけられた傘も拒否している。
「鉄条網が囲んでいる隣のあの空き地は何を守っているのか」とは、『やさしさの地図』の「野原にぽつんとある鉄塔は見守るべき何があるのか」と対句になっている。冷たい鉄でできた構造物は、大人の作った世の中の秩序や常識を象徴しているのだろう。それに反発しながらも、いつかは乗り越えるべき存在なのだろう。『どしゃぶりの青春の中で』でも「やさしさをいつか教えてくれる」と歌っている。
『時間は語り始める』。
これまた好きな曲のパターン、人生論を語る歌だ。
穏やかにかつ力強く語り始めるようなAメロ。その繰り返し時にはハモリがつくと素敵だと思うのだが、ユニゾンなのが残念。しかし、全体として勇気づけられるようなメロディが続く。「若き僕は 一人 思い悩む」の「一人」の前で一瞬躊躇するように止まるのが新しい。
花は誰のために咲くのか、鳥は誰に向かって鳴くのか、わからないことばかりだが、焦らずに歩いて行けばそのうち色々なことが見えて来るんだという、人生の先輩からの箴言だ。同感だ。若くていつも苛々している若者に、そんなに焦らなくていいんだと教えたい。
最後に『カモネギックス』についてもコメントせざるを得ない
私の感性が古いのか、鈍いのか、どうしても好きになれない曲だ。「カモネギックス」「ナキワラックス」という造語が、どうしようもなくダサく感じる。
曲調は1度聴いたら頭にこびりついて離れない。そういう意味では良くできた曲なのだろうが、ひところ流行った『恋のマイアヒ』のようでもあり、和風のアレンジも加味されていて、ごった煮のようにゴチャゴチャしていて粋でない。
歌詞も、無理やりに日本語を当てはめたようで、「カモネギー」というコーラス部分以外は心地よくない。この曲の場合、歌詞の意味は多分何でもいいのだと思う。失恋したばかりで次の恋に簡単に落ちてしまう状況を「鴨が葱背負ってくる」と言う最初の設定だけ決めて、あとは何かしら言葉がついていればいいようだ。「泣きながら微笑んで」という大島優子ソロ曲のタイトルも、無理やりの脈絡でブチ込んでいる。
こういう曲には、英語の歌詞なら案外ぴったり嵌るのかもしれない。
まあ、この曲が好きだという人もいるのだとは思うが、私は最近ではこの曲だけ飛ばして聴いている。
こういう曲を公演曲に回せば、全てのチームがとっくに新公演にありつけているだろうに。
『思わせ光線』。
タイトルは早見優『誘惑光線・クラッ!』の本歌取り。ゆうゆのアルバム『ゆうゆ光線』や、モーニング娘。『恋のダンスサイト』の「セクシービーム」も念頭にあるのだろう。
ゲームセンターで、なぜか自分の方を見詰めている女の子が気になって仕方がない男の子の歌。『フライングゲット』の彼のような自惚れ男ではないが、彼女のことを「本当はさびしがり屋」だなどと思い込みは激しい。思わせ光線にKOされて、「どんな頼みでも聞いてしまうよ」と一人で盛り上がっている。
彼がやっているクレーンゲームに欲しい景品があって、彼が先にゲットしてしまわないか心配で見ているだけだったとか、何かオチがあるのだろうと思って聴いていたが、オチはなかった。
『どしゃぶりの青春の中で』。
廃線の停車場が舞台なのは、近藤真彦『ミッドナイトステーション』を思い出す。
どしゃぶりの青春とは、じたばた、ヒリヒリとも同義だろう。全てに見捨てられ、自暴自棄になりそうな辛い青春。「どんな傘もいらない」とは、『君のことが好きだから』でファンにさしかけられた傘、『心の隅のソファー』で女友達にさしかけられた傘も拒否している。
「鉄条網が囲んでいる隣のあの空き地は何を守っているのか」とは、『やさしさの地図』の「野原にぽつんとある鉄塔は見守るべき何があるのか」と対句になっている。冷たい鉄でできた構造物は、大人の作った世の中の秩序や常識を象徴しているのだろう。それに反発しながらも、いつかは乗り越えるべき存在なのだろう。『どしゃぶりの青春の中で』でも「やさしさをいつか教えてくれる」と歌っている。
『時間は語り始める』。
これまた好きな曲のパターン、人生論を語る歌だ。
穏やかにかつ力強く語り始めるようなAメロ。その繰り返し時にはハモリがつくと素敵だと思うのだが、ユニゾンなのが残念。しかし、全体として勇気づけられるようなメロディが続く。「若き僕は 一人 思い悩む」の「一人」の前で一瞬躊躇するように止まるのが新しい。
花は誰のために咲くのか、鳥は誰に向かって鳴くのか、わからないことばかりだが、焦らずに歩いて行けばそのうち色々なことが見えて来るんだという、人生の先輩からの箴言だ。同感だ。若くていつも苛々している若者に、そんなに焦らなくていいんだと教えたい。
最後に『カモネギックス』についてもコメントせざるを得ない
私の感性が古いのか、鈍いのか、どうしても好きになれない曲だ。「カモネギックス」「ナキワラックス」という造語が、どうしようもなくダサく感じる。
曲調は1度聴いたら頭にこびりついて離れない。そういう意味では良くできた曲なのだろうが、ひところ流行った『恋のマイアヒ』のようでもあり、和風のアレンジも加味されていて、ごった煮のようにゴチャゴチャしていて粋でない。
歌詞も、無理やりに日本語を当てはめたようで、「カモネギー」というコーラス部分以外は心地よくない。この曲の場合、歌詞の意味は多分何でもいいのだと思う。失恋したばかりで次の恋に簡単に落ちてしまう状況を「鴨が葱背負ってくる」と言う最初の設定だけ決めて、あとは何かしら言葉がついていればいいようだ。「泣きながら微笑んで」という大島優子ソロ曲のタイトルも、無理やりの脈絡でブチ込んでいる。
こういう曲には、英語の歌詞なら案外ぴったり嵌るのかもしれない。
まあ、この曲が好きだという人もいるのだとは思うが、私は最近ではこの曲だけ飛ばして聴いている。