AKB48 チームBのファンより

鈴木紫帆里さんを中心にAKB48 チームB について語るサイトです。

=LOVE『虹の素』『ズルいよズルいね』を聴く。作詞家指原莉乃の実力。(ときめき研究家)

2020-07-12 15:48:15 | ときめき研究家
読者のぴーすけさんからコメントで推奨いただいたので、=LOVEの『虹の素』『ズルいよズルいね』を配信で購入し、聴いた。
=LOVEのデビューシングルは、やはり配信で購入し、ブログ記事も書いたが、あれからもう3年経ったのか。
アイドルグループのデビューシングルらしい、過不足ない作品に感心したが、その後はフォローしていなかった。久々に楽曲を聴いてみて、更に質の高い作品だと感じた。未聴の楽曲も少しずつ聴いて行きたいと思った。

特に注目したのは作詞家指原莉乃の歌詞だ。時にドキッとする言葉を使いながら、独自性を出しているように思える。ますます『いま、月は満ちる』公演を早く観たくなった。

『虹の素』。
サビ先で、「眩しい空が苦手なんだ」というネガティブな歌い出し。
続くAメロでは、無気力な教師とそれを無視する生徒達というステレオタイプな教室風景を描き、「私」の状況を簡潔に説明する。その生徒たちにも馴染めずバリアを張っている自分のことも嫌いな「私」には、あまりに救いが無い。「私」に近づこうとする「君」に対しても、「幼稚な感情」(同情や憐憫のことか)ならお断り、一緒に不幸になる覚悟はあるのかと問う。
「涙は乾いてやがて虹になる」というありきたりな「一縷の光」すら拒絶する。あれは自分の涙ではない。
ここまでの虚無の根底には何があるのかと考えてしまう。声をかけてくれた「君」に導かれる『君の名は希望』の素直さも持てず、他人の目を気にせず自分の力で生きて行くという『意志』の力も持てない「私」には本当に救いが無い。
これが指原莉乃の個性なのか。ブラックホールに引き込まれるような言葉の力を感じる。

『ズルいよズルいね』。
この曲はシングル表題曲である。それなのに、やはり暗くて救いが無い歌だ。
そしてこの曲もサビ先。(ズルいよ)(ズルいね)といった掛け声も取り入れてシングル曲としての体裁は整えているが、内容は『虹の素』と同じくらい暗い。
3年前に雨の日の電車の中で知り合い、一時は付き合ったが、今は会えない恋人への思いを歌っている。
「不幸になってほしいなんて思ってないよ。だから  ♪幸せにはならないで」というセリフと歌詞の展開がドキッとする。遠くから幸せを祈っているとか、大切な思い出だとか、そういう綺麗ごとではない。未練と後悔と怨念が詰まったような歌詞だ。
これも指原莉乃の個性なのか。

=LOVEの歌唱も素晴らしい。何人のグループなのか知らないが、ソロ歌唱がふんだんに取り入れられているので、声の個性が楽しめる。それぞれがしっかり歌っている印象だ。
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日向坂46『こんなに好きになっちゃっていいの』とカップリング曲を聴く。(ときめき研究家)

2020-07-05 12:46:48 | ときめき研究家
昨年10月に発売されていたのを聴き逃していた。今回配信で購入して聴いたが、カップリング曲を含め個性的な曲ぞろいだった。

『こんなに好きになっちゃっていいの』。
タイトルからは『キュン』『ソンナコトナイヨ』のような軽快なラブソングを予想したが、案に反してシックな曲だった。乃木坂46『気づいたら片想い』に曲調が似ている。歌詞の内容も、とりとめのない片思いの堂々巡りの歌だ。一日中彼のことが頭から離れず、他のことには何も手が付かない。でもその状況を受け止め、むしろ楽しんでいるふうでもある。タイトルは疑問形の「いいの?」ではなく、「いいの!」と自分に言い聞かせているようだ。

『一番好きだとみんなに言っていた小説のタイトルが思い出せない』。(上村ひなのソロ曲)
今回一番印象に残った曲だ。ソロで歌っているのは誰かと調べたら、上村ひなのというメンバーだった。可愛らしい顔に似合わずパンチのある歌い方で、曲にもマッチしている。
長いタイトルで、歌い出しもその通りなのだが、それで全てを説明し尽している訳ではなく、そこから物語が展開して行くので興味深く聴き進められる。『鈴懸なんちゃら』とは少し違う。
「一番好きだとみんなに言っていた小説」とは、自分で作りだした理想の存在、他人とは違う自分自身のアイデンティティーの象徴と解釈した。それが思い出せなくなったというのは、アイディンティティーのゆらぎである。最後に、そんな小説は最初からなかったと自分で認めたところに彼の成長がある。
ところで私が一番好きな小説は何だろうと考えさせられた。これだと即答はできなかった。生涯でそんなに好きな小説があっただろうかと、私もゆらいでしまった。

『ママのドレス』。
この曲はとにかく楽しい。ウキウキする。
初めてのデートにママのドレスを借りて、ママの若い時のように可愛くなりたい、といった定番のテーマをオーソドックスに纏めている。仲のいい母娘の歌だ。父娘の歌は反発される歌ばかりなので羨ましい。
「デュワデュワ」というコーラス部分がとんでもなく可愛い。Aメロ・Bメロの後、サビの前に短い間奏が挿入されているのは珍しく、お洒落な感じだ。
彼がデートの迎えに車で来てクラクションを鳴らすのは、『姉妹どんぶり』と同じ状況。それを意識してかどうか、母娘のことを「まるで姉妹」という歌詞もある。

『まさか、偶然・・・』。(はなちゃんずデュエット曲)
1年前に別れた彼女と偶然再会できないかと密かに期待している歌。彼女が着ていた「深緑と茶色のタータンチェックのコート」を探しているというのは、有名な『ルビーの指輪』でベージュのコートを探していることの本歌取りだ。これほど有名な曲の本歌取りは結構勇気が要ると思うが、こういうのは楽しい。
曲調は珍しいワルツだ。ピーナッツさんによると、日本人はワルツが苦手なようだが、この曲はしっとりとした曲調と詞がマッチしていて良いと思う。

『川は流れる』。
秋元康にとって「川」は特別なモチーフだ。『川の流れのように』では「川の流れのようにおだやかにこの身をまかせていたい」という大歌手の晩年の境地を描き、『RIVER』では「川を渡れ」とAKBメンバーを鼓舞した。
今回の『川は流れる』では、時間の流れや人生を川に投影していて、坂道グループの一連の楽曲『命は美しい』『シンクロニシティー』『夜明けまで強がらなくていい』などと通じるものがある。壮大なテーマに対して歌唱が弱々しい気もしないでもないが、それが芸風、非力でも人生に立ち向かう姿勢を表現しているのかもしれない。

『ホントの時間』。
ショッピングモールで偶然会った友達とアニメの話をしていたら時間があっという間に過ぎたという歌。この友達が同性なのか異性なのかははっきりしない。どちらでもいいのだろう。楽しい時間は早く過ぎ、「現国」の授業では長く感じるという時間の感覚の不思議を歌っている。軽快なテンポの曲だが、案外深遠なテーマなのだ。
アニメの話で夢中になるのは、乃木坂46『今、話したい誰かがいる』で2人きりの部屋で漫画を読んでいる状況を思い出す。

偶然かもしれないが、今回の6曲はどれも「時間の経過」を意識させるような歌詞だ。
『ホントの時間』は時間の経過そのものがテーマ。
『こんなに好きになっちゃっていいの』は一日中時間を忘れて彼のことを思う片思い。
『一番好きだとみんなに言っていた小説のタイトルが思い出せない』はその小説を読んだ過去の日を思い出せない歌。
『ママのドレス』は母親の高校時代に想いを馳せる歌。
『まさか、偶然・・・』は1年前の恋を引き摺っている歌。
『川は流れる』は春夏秋冬流れ続ける川、すなわち時間を歌っている。

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AKB48『離れていても』にOG8名が参加。今回は必然性あり。(ときめき研究家)

2020-06-27 22:35:55 | ときめき研究家
ユーチューブの公式サイトで公開されているAKB48の新曲『離れていても』に、OG8名が参加している。8名とは、前田敦子、大島優子、板野友美、篠田麻里子、小嶋陽菜、高橋みなみ、指原莉乃、山本彩である。大物ぞろいだ。本来ならばここに渡辺麻友もいるはずだったのだろうが、芸能活動を終了しているので仕方がない。
OGが参加するのは『希望的リフレイン』のミュージックビデオ(2014年)『君はメロディー』(2016年)以来だ。

あまりに頻繁にOGを引っ張り出すのは、お互いのためにならない。『君はメロディー』は10周年記念シングルという名目だった。今回の『離れていても』はコロナ禍におけるメッセージソングという特別なプロジェクトという位置づけのようだ。
ドキュメンタリー仕立てのミュージックビデオを観たが、とてもよく出来ていると思う。コロナ禍に、「新しい生活様式」を模索しながら、前向きに生きる人々と、AKB48メンバー達の姿をテンポ良く記録している。その中で、自宅と思われる場所で歌っているOG達も違和感ない。
楽曲はそれらしいスローなバラードだが、2回聴いただけではあまり良さが分からなかった。

サビの歌詞には思わずうなった。
「少しだけ離れて歩いて行けたらいい 近づき過ぎないで距離を保っておこう 後ろで見守っているから」
コロナ禍のソーシャルディスタンスのことを歌っていながら、ダブルミーニングで、現役のAKBグループメンバーとOGの関係のことも歌っているのだ。この曲にはOGが参加する必然性が確かにあった。
歌詞の通り、あまり近づき過ぎず、それぞれが活躍出来ている状態が理想的な関係だ。

8人のOGは、それぞれに年齢を重ねているし、メークも薄い感じであったが、誰だかすぐに分かったし、懐かしい感じがした。
一方、現役ですぐに顔と名前が一致するメンバーは少ない。自信があるのは、柏木、岡田奈々、峯岸くらいだった。マスク姿が多いのも輪をかけているが、私の日頃の不勉強のせいである。
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HKT48『いま、月は満ちる』公演の初日はいつか?(ときめき研究家)

2020-06-20 20:19:02 | ときめき研究家
2019年4月28日、指原莉乃は自身の卒業コンサートで、HKT48のためにオリジナル劇場公演の作詞をすると発表し、感動を呼んだ。未だ1つもオリジナル劇場公演を持っていないHKT48メンバーにとっては、何よりも嬉しい置き土産だった。指原らしい、考え抜かれた素晴らしいプレゼントだと思った。
その1カ月後、5月28日の秋葉原AKB48劇場での「大感謝祭」では、1曲だけ出来ている公演表題曲『いま、月は満ちる』が披露され、期待感が高まった。

あれから1年と少し経ったが、続報は途絶えている。
HKT48公式サイトをはじめ色々探してみたが、その後の進展について書かれたものは見つけられなかった。

指原が非常に忙しいのは想像できる。日々埋まっている自分自身の仕事のスケジュールをこなすだけで精一杯で、作詞をする時間がなかなか取れないのが現実だろう。また、芸能界には「いつか共演しよう」とか「いつか私に曲を書いて」とか、叶ったらいいけど絶対ではないような緩い約束もあるのだと思う。
しかし、指原にはこの約束だけは必ず果たしてほしいし、果たせなかったら指原自身の評価を大きく下げることになると思う。その理由は2つある。

1つは「劇場公演を書く、書く」と言って一向に書かなかった秋元康へのアンチテーゼとして、もしくは恩返しとして、彼に頼らず自分自身で書いてやると言明したのにできなかったら、結局秋元康と同じということになるからだ。親の悪い面を見て育ち、自分も同じことを繰り返すようなものだ。親を反面教師にして、乗り越えなければならない。
2つ目は、タレント指原莉乃の才能の底が割れてしまうということだ。バラエティ番組で的確なコメントをしたり、アイドルをプロデュースしたり、マルチな活躍をしている指原だが、それに加えて、もし『いま、月は満ちる』公演を見事に書き上げて、それがクオリティーの高いものであったら、作詞という分野が彼女自身の才能の1つのコアとなるだろう。秋元康がそうであるように。
指原は歌や演技には現在あまり意欲がなさそうだが、何かしらモノを創る分野にコアを持っていることは大きな力になる。作詞は言葉の使い方が上手い彼女の得意分野と思われるし、何よりアイドルとアイドルファンどちらの気持ちも切実に理解できる彼女ならではのアドバンテージがあると思うのだ。

もちろん指原も早く書かねばと気にしてはいるだろう。クオリティーの高いものを書かなければというプレッシャーもあって難航しているのかもしれない。だから、彼女のスタッフや熱心なファン、それにマスコミも、そして誰よりも待ち望んでいるHKT48メンバーも、このように急かすようなことは言わず、温かく見守っているのだろう。
でも、その温かさは彼女のためにならない。私は彼女の熱心なファンではないが、彼女の書いた『いま、月は満ちる』公演は観てみたい。だから言う。初日はいつか?

『青春のフラッグ』で渡辺麻友も「立てた目標絶対守ろう」と歌っている。
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思い出のその分だけ美しく。渡辺麻友の思い出。(ときめき研究家)

2020-06-14 08:03:35 | ときめき研究家
まゆゆが芸能活動終了を発表してから、彼女の作品に関して記事を3本掲載した。
今日までずっと頑張って来たよね。渡辺麻友が引退。(出演ドラマを振り返る)
誰かといつも競わなくていいんだ。ソロ歌手渡辺麻友の魅力を振り返る。
渡辺麻友のデュエット曲を振り返る。

そこでは書ききれなかったアイドル渡辺麻友の思い出を記したい。

私がナッキーさんに誘われて初めてAKB48を観たのは2007年。チームBは「会いたかった」公演をやっていた。私は、チームAから移籍して先輩としてチームを仕切っている浦野一美のファンになった。
まゆゆは当時からチームBの絶対エースで、そのルックスやパフォーマンスは既に完成されていた。私が推さなくても大丈夫というか、まゆゆは皆のまゆゆだというような感覚だった。

アイドル鑑賞から少し遠ざかっていたが、AKB48には惹かれるものがあり、2008年1月発売のオリジナルアルバム『SETLIST』も購入し、過去の曲も聴いた。
2008年3月にチームBの初オリジナル「パジャマドライブ」公演が始まり、劇場に通う回数も増えた。
このブログ「チームBのファンより」に初めて投稿したのも2008年8月である。その後12年間で730本の投稿を続けるとは思いもよらなかった。
「パジャマドライブ」公演曲は2009年リクエストアワーで、1位『初日』、3位『てもでもの涙』、6位『パジャマドライブ』、9位『純情主義』と上位を席巻し、当ブログライターたちは溜飲を下げた。こうしたチームBの躍進の中心には、当然のようにまゆゆがいた。

渡り廊下走り隊が結成され、CDデビューしたのは2009年1月である。2014年2月に解散するまで、まゆゆは中心メンバーとして活躍した。同年代の仲間たちとのリラックスした雰囲気が良かったし、バラエティ豊かな楽曲が揃っていた。
渡り廊下走り隊の思い出。

チームB「アイドルの夜明け」公演を初めて観たのは2009年4月。好きな曲が多く、一番多く劇場で観た公演だ。

チームシャッフルがあり、浦野一美がチームBを去ってからは、迷いなくまゆゆ一推しとなった。
新生チームB「シアターの女神」公演は、2010年5月の初日を幸運にも最前列で観ることができた。ウエディングドレス風衣装のまゆゆを間近に見てどぎまぎしたことを鮮明に覚えている。

2014年の第6回選抜総選挙で、まゆゆは念願の1位を獲得する。遅きに失した感はあるが、アイドルの王道をひたすら歩んできたまゆゆが報われたことは良かった。センターとしてどんな曲を与えられるか期待し、いろいろな妄想もした。

実際に与えられた曲が『心のプラカード』。残念だが、前田敦子の『フライングゲット』、大島優子の『ヘビーローテーション』、指原莉乃の『恋するフォーチュンクッキー』のような、AKB48ファン以外の人にも認知される代表曲にはならなかった。悪い曲ではなかったのだが。

まゆゆにも卒業の時が来た。2017年11月の卒業コンサートは万感の思いで観戦した。
その年の大晦日、NHK紅白歌合戦で『11月のアンクレット』のセンターを務めたのを最後に、AKB48としての活動を終了した。

その後、ミュージカル『アメリ』での主演、朝ドラ『なつぞら』への出演でも元気な姿を見せてくれた。今にして思えば、この2年間は少し長めのカーテンコールだったのかもしれない。

通算13年以上、まゆゆには沢山のときめきを感じさせてもらった。これほど長い期間活躍したアイドルはそういない。山口百恵は7年間、キャンディーズは6年間、ピンクレディーは5年間だ。松田聖子は1980年デビューで現在もアイドルと言えなくもないが、結婚までを一区切りとすると5年間だ。
もちろんアイドルの活躍期間は長ければいいというものではない。アイドルの輝きは一瞬だから、その時々に輝いていなければ意味がない。まゆゆはその時々の年齢なりにアイドルらしい高いパフォーマンスを発揮し続け、ゆっくり時間をかけて大人になって行った稀有な例だ。AKB48の主力メンバーとして、渡り廊下走り隊の中心として、ソロ歌手として、女優として、まゆゆは最後までアイドルだった。

生身の渡辺麻友は芸能活動を終了したが、彼女の残した歌声はこれからも永遠に鑑賞し続けられる。企画派、楽曲派、在宅派アイドルファンの私は幸福だ。
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渡辺麻友のデュエット曲を振り返る。(ときめき研究家)

2020-06-07 14:41:18 | ときめき研究家
まゆゆが他のメンバーとデュエットした曲でCDに収録されているのは4曲だと思う。

『姉妹どんぶり』(浦野一美とのデュエット)2012年(過去記事1過去記事2過去記事3
この曲の素晴らしさについては、折に触れ、何度も記事にして来た。タイトルこそ品がないが、1人の男を好きになった姉妹の細やかな機微を描いた快作である。平嶋夏海のグループ脱退で急遽実現した浦野とのデュエット作品。平嶋には悪いが、その偶然がなければこの世に生まれなかった作品だったはずで、奇跡的な名作と言える。生で披露されたのは渡り廊下走り隊の解散コンサート時の1回きりだと思う。

『アボガドじゃねーし』(指原莉乃とのデュエット)2012年(過去記事
まゆゆと指原、タイプは違うが、プロ意識の高いことでは共通点のある2人だと思う。「まゆゆのアイドルオーラで指原まで可愛く見えてくる曲」とは小林よしのりの名言。聴くと楽しくなる曲で、いろいろなメンバーが歌ってきた人気曲だ。まゆゆの卒業コンサート、指原の卒業コンサートの両方で披露された。

『クリスマスイブに泣かないように』(宮脇咲良とのデュエット)2015年(過去記事1過去記事2
最初に聴いた時は、2人の声が聴き分けられなかった。クリスマスの前に別れる男女の歌だが、淡々とした中に悲しみが伝わる佳曲だと思う。

『悲しい歌を聴きたくなった』(柏木由紀とのデュエット)2017年(過去記事
盟友柏木とのデュエット曲がずっとなかったが、卒業直前にこの曲があってよかった。グループ内でも歌が上手い2人だけに、お互いの個性をぶつけ合うような、もっと難しい曲も聴いてみたかったが、もちろん落ち着いたこの曲も好きだ。まゆゆの卒業コンサートで1回きり披露された。
まゆゆは芸能活動をきっぱり辞めたわけだが、柏木の卒業コンサートがいつかあるとすれば、その時は一般人として駆け付けてくれるだろうか。

4曲とも味わい深い曲だ。まゆゆの声は特徴的で存在感があるが、どのパートナーの声とも喧嘩せず、美しく調和している。

4曲からベスト3を選ぶのも何だが、一応、1位はダントツで『姉妹どんぶり』、2位は『アボガドじゃねーし』、3位は『悲しい歌を聴きたくなった』としたい。

番外として、CDにはなっていないが、第6回AKB紅白対抗歌合戦で、ゲストの井上芳雄とデュエットした『A whole new world』を挙げておきたい。ピアノ伴奏だけで、朗々と歌い上げたパフォーマンスには感激した。歌唱後に井上芳雄が「いつでもミュージカルの世界にいらっしゃい」とコメントしたのは半分社交辞令だったかもしれないが、その2年後に、まゆゆは『アメリ』で本当にミュージカル主演を果たしたのだ。
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誰かといつも競わなくていいんだ。ソロ歌手渡辺麻友の魅力を振り返る。(ときめき研究家)

2020-06-06 09:23:25 | ときめき研究家
ソロ歌手としての渡辺麻友が一番好きだった。今日は彼女のソロ歌唱作品を振り返ってみたい。

彼女の歌唱の魅力は、まず何と言っても特徴的な声だ。いわゆるアニメ声で、輪郭がはっきりしていて聞き取りやすい。でも甘ったるくはなく、凛とした硬質な声だ。江戸切子の鋭利なガラスのような繊細さ。乱暴に扱えば壊れてしまうが、使うほどに手に馴染みもする。
歌唱テクニックについては詳しくないが、音程はしっかりしていて、不安になることはない。
何より、どんな歌を歌っても、「まゆゆらしさ」というべき個性が感じられるのが魅力だ。歌詞とメロディーを覚えて歌うだけで精一杯というのではなく、自分の中で咀嚼して表現しているという感じがする。

ソロでのシングルは結局5枚だった。

『シンクロときめき』(過去記事
遅刻寸前の学校で、彼女と2人で教室まで走っている歌。彼と彼女の鼓動や息遣いが、淡い恋心とシンクロする。いかにもアイドルのデビュー曲らしい歌だ。

『大人ジェリービーンズ』(過去記事
遊園地での初デートを描いた歌詞。その日の最初に乗ったコーヒーカップで、いきなりファーストキスをするのだからちょっと焦り過ぎだが、微笑ましいカップルだ。

『ヒカルものたち』(過去記事
音声加工した実験的な作品。ちょっとPerfume風。不思議な世界に浸ることができる。しかし、テレビでの歌唱では良さがあまり伝わらなかった。

『ラッパ練習中』(過去記事1
この曲も個性的な曲。オレスカバンドとのコラボが楽しかった。今回オレスカバンドの近況を調べてみたら、ORESKABANDとバンド名も変えて、メンバーも何人か入れ替わったが、活動を継続しているようで良かった。彼女らにとっても、まゆゆにとっても、良い思い出であってほしい。

『出逢いの続き』(過去記事
ドラマ『戦う!書店ガール』の主題歌。お仕事ドラマの主題歌だけあって、やや大人っぽい曲だ。

シングル5枚には、それぞれ数曲のカップリング曲がある。本当にバラエティ豊かな曲を歌いこなしており、ソロシンガーとしての資質の高さを実感する。

それ以外にも、AKB48名義CDのカップリング曲や、渡り廊下走り隊名義CDのカップリング曲として、沢山のソロ曲がある。その中でも特筆したいのは、過去の昭和アイドル風の楽曲に取り組んだ3曲だ。
『軟体恋愛クラゲっ子』(小泉今日子の『ヤマトナデシコ七変化』『艶姿ナミダ娘』風)
『夕陽のいじわる』(柏原芳恵の『ハローグッバイ』風)
『未来の恋人』(松田聖子の『青い珊瑚礁』風)
これらの曲は、曲調、アレンジは元曲そっくりに作ってあるが、歌詞は全く独自のものだ。
まゆゆがもし昭和に生まれていたらこんなアイドルだったのでは?というコンセプトのお遊びなのだろう。昭和の3人とは全く異なる個性のアイドルとして、きっと活躍できただろう。
余談だが、少し前にNHKの自然番組『ダーウィンが来た』がクラゲ特集だった時、コーナーとコーナーの間の効果音として『軟体恋愛クラゲっ子』の間奏部分(2秒くらい)が使われていた。出典が分かるのは全国に100人くらいかなとほくそ笑んだ。

『純情ソーダ水』(過去記事
地味だが忘れがたい曲だ。中学時代の家庭教師への淡い恋心を描いた歌詞。今の時代に珍しいカマトトぶりだが、それを臆面もなく歌い切るのがまゆゆの真骨頂。

色々振り返って来たが、渡辺麻友のソロ歌唱の中で一番好きなのは、実は渡り廊下走り隊の『青春のフラッグ』だ。この曲はソロ曲ではない。しかし、Aメロとその繰り返し部分は終始まゆゆが歌っていて、他の4人のメンバーは各1フレーズのみ。一曲を通して、凛々しい渡辺の歌唱を存分に楽しめる。2013年5月、第5回選抜総選挙を前に、この曲とまゆゆへの思いを記事にしたが、7年経った今でもその思いは変わっていない。

AKB48卒業後に、1曲もシングルが出なかったのは残念。ソロアルバムが出なかったのも残念。それ以上に、ソロコンサートが1回も開催されなかったのが非常に残念だ。
グループアイドルが全盛で、嗜好が多様化した現代は、ソロアイドル歌手というジャンルには厳しい時代であることは間違いない。実際、松浦亜弥以降、大成功したソロアイドル歌手は出ていない。もしかしたらまゆゆには可能性があったかもしれないのに、周りのスタッフは彼女の実力を過小評価していたと思われる。残念でならない。

まゆゆのソロ歌唱曲のベスト3は、2013年5月の記事に書いたのと今も変わっていない。
3位『三つ編みの君へ』(『シンクロときめき』カップリング)
2位『二人の夜明け』(『ヒカルものたち』カップリング)
1位『青春のフラッグ』(渡り廊下走り隊シングル)
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今日までずっと頑張って来たよね。渡辺麻友が引退。(ときめき研究家)

2020-06-01 21:30:41 | ときめき研究家
渡辺麻友が芸能活動を引退した。健康上の理由とのことだ。
事務所より、本人への取材や、憶測によるSNS投稿、記事掲載は控えてほしい旨の要望が出されている。私は生身の彼女の引退理由等には興味がない。彼女の残した作品について振り返ってみたい。

まずは、出演ドラマから。

『なつぞら』(過去記事
結果的に渡辺麻友の最後の出演作品になった。
NHK朝ドラ100作目という記念作品で、主演広瀬すずの同僚役で、広瀬と対照的な生き方を演じて、物語の中で重要な役割を担っていた。高視聴率の番組への出演で、知名度も好感度も上がった。

『いつかこの雨がやむ日まで』(過去記事
女優を目指す劇団員の役を演じた。殺人事件もからむサスペンス仕立てだが、リアリティに乏しく、キワモノっぽかった。そんな中で渡辺は熱演していたが、見ているのが若干辛くなるドラマだった。

『サヨナラえなりくん』(過去記事
渡辺が恋多き女を演じた。毎回毎回好きになる男たちが実はダメ男で、それを暴いていくというコメディ。バカバカしい設定だが、そういうものとして楽しめた。えなりかずきが物語に締まりを与えていた。渡辺の卒業コンサートに、このドラマの共演者であるえなり、池田成志、上地春奈が来て寸劇を演じてくれたのも嬉しかった。

『戦う!書店ガール』(過去記事
稲森いずみとのダブル主演作品。営業不振のチェーン書店の支店を協力して立て直す話。お仕事ドラマとしてはややチープな作りだが、渡辺の制服姿と私服、両方を楽しめた。店長である稲森の優柔不断さと、本部の上司(木下ほうか)の妨害の露骨さに苛々しながら見ていた。主題歌は『出逢いの続き』。

『さばドル』。
初の主演作品。38歳の女教師が年齢を偽ってアイドルを演じているという設定のドラマ。女教師シーンでは本当に38歳に見えていたし、アイドルシーンは本人そのものでキラキラ輝いていた。ドラマとしてもそれなりのリアリティがあり、妹役の安藤玉恵にも助けられて、上質のエンタメ作品になっていた。主題歌は『シンクロときめき』。エンディングテーマが『サバの缶詰』。

どんな役を演じても、品が良く、アイドルらしい可愛らしさを体現していた。
ベスト3を選ぶとしたら、1位は主演作から『サヨナラえなりくん』、2位は全国区で女優として認知度を得た『なつぞら』、3位はフレッシュな『さばドル』としたい。

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NMB48『だってだってだって』を聴く。ミュージックビデオも秀作。(ときめき研究家)

2020-05-31 18:03:18 | ときめき研究家
NMB48のシングル『だってだってだって』は、なかなかいい曲だ。
学校の放課後、好きな男子から「まだ帰らないの?」と声をかけられたのに、素っ気ない態度を取ってしまい後悔している。本当は「一緒に帰ろう」と言いたかった、という内容の歌詞だ。
学生時代に誰もが経験したような、ちょっとした出来事から1曲の歌詞に上手くまとめ上げている。好きな人の前では意識過剰になって、咄嗟に適切な反応ができないというのは、私も思い当たることがある。

NMB48の初期作品である『オーマイガー!』の世界観と少し近い。その歌では、偶然好きな男子に会った時に、間が悪いことにジャージ姿で、コロッケを頬張っていた。でもその彼は「君らしくて好きさ」と肯定してくれた。その歌でも「だってだって」という歌詞が印象的だった。

曲調は軽やかで、可愛らしい。ちょっとKポップの雰囲気もある。

娘に勧められてミュージックビデオも観た。これが秀作だった。
NMB48メンバーが女生徒達に扮して、ミュージックビデオの制作をしているという設定だ。女生徒たちが演劇や映像制作、学園祭準備などをしている設定は、私のツボだ。『大声アイアモンド』や『泥のメトロノーム』のミュージックビデオがそうだった。
『だってだってだって』ミュージックビデオの冒頭シーンは、歌い出しと同じで「まだ帰らないの?」と声をかけられるシーンだ。その男子役の顔は最後まで映らない。ミュージックビデオ制作のために応援に来てくれた男子校の生徒といった設定だろう。そして劇中で主役を演じるメンバー(梅山恋和?)が、その男子に好意を抱くが、撮影が終わってしまうまで、歌と同じように結局気持ちを伝えられないという二重構造になっている。薬師丸ひろ子主演の映画『Wの悲劇』と同じ構造だ。
そういうドラマ性を内在しながらも、各メンバーが生き生きと可愛らしく映っており、楽しめるミュージックビデオになっている。
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日経新聞「今こそ聴きたい元気になれる歌」。(ときめき研究家)

2020-05-24 13:31:39 | ときめき研究家
5月23日の日経新聞土曜版に、10~60代の男女1000人に聞いた「今こそ聴きたい元気になれる歌」という記事があった。興味深く読んだ。全年代の総合順位は以下の通り。
1位 『Happiness』(嵐)
2位 『負けないで』(ZARD)
3位 『マリーゴールド』(あいみょん)
4位 『ガッツだぜ!!』(ウルフルズ)
5位 『ハピネス』(AI)
6位 『Hero』(安室奈美恵)
7位 『I LOVE…』(Official髭男dism)
8位 『YELL』(いきものがかり)
9位 『上を向いて歩こう』(坂本九)
10位 『紅蓮華』(LiSA)
11位 『キセキ』(GReeeeN)
12位 『ultra soul』(B’z)
13位 『栄光の架橋』(ゆず)
14位 『世界に一つだけの花』(SMAP)
15位 『空も飛べるはず』(スピッツ)
私が知らない歌もあるが、最大公約数的な結果なのだと思う。

年代別のベストテンも載っていた。私と同じ50代の結果は以下の通り。
1位 『負けないで』(ZARD)
2位 『ガッツだぜ!!』(ウルフルズ)
3位 『TOMMOROW』(岡本真夜)
4位 『Happiness』(嵐)
5位 『YELL』(いきものがかり)
6位 『勝手にシンドバッド』(サザンオールスターズ)
7位 『どんなときも。』(槇原敬之)
8位 『春一番』(キャンディーズ)
9位 『上を向いて歩こう』(坂本九)
10位 『Hero』(安室奈美恵)
これは全部知っている。3位、6位、7位、8位に総合15位には無い歌が入っている。

この手の調査を受けた時に咄嗟に思い浮かぶ歌は、一般的な人の場合、ヒットした有名な曲になりがちだ。じっくり考えたら、あの曲もあったなと思いつく歌もあるだろうが、後の祭りだ。私でも、咄嗟ならば、タイトルで『元気を出して』(竹内まりや、薬師丸ひろ子)とかを答えたかもしれない。もちろんこの曲も好きだが、他にも沢山ある。

1日考えて、私の「今こそ聴きたい元気になれる歌」10曲を選定してみた。もちろんアイドル限定だ。順位は付けられないので、概ね古い歌から順番に。

『輝いて輝いて』(榊原郁恵)は、いきなりアルバム曲だが、「all lady have a chance」全ての女性にチャンスはあるというメッセージソング。もちろん男性でも共感できる歌だ。最初に好きになったアイドルから1曲入れたかった。

『時代』(薬師丸ひろ子)は、中島みゆきのオリジナルもいいが、讃美歌のような薬師丸ひろ子の歌唱に心洗われる。「今日は倒れた旅人たちも 生まれ変わって歩き出すよ」。

『うしろゆびさされ組』(うしろゆびさされ組)は、アニメ主題歌だったが、人が何と言おうと個性は大事にしたいというメッセージソング。「あいつはダメな奴とレッテル貼られたって」。

『悲しみよこんにちは』(斉藤由貴)は、「涙が乾いた後には夢への扉があるの」というベタな応援ソングだが、舌足らずでほんわかした斉藤由貴の歌唱に癒される。

『コンプレックスBANZAI』(浅香唯)は、「胸はなくても女は根性」というぶっ飛んだ歌詞(指原の「胸は残念」より30年早い)。『Believe again』ではなくブレイク前のコミックソングと紙一重の隠れ名曲を選曲した。

『Say Yes』(菊池桃子)は、ストレートな応援ソング。菊池桃子のささやくような声で、きっぱりと「生きるのがとても好き」と言い切られると、その通りと納得せざるを得ない。

『彼のダイアモンド』(伊藤智恵理)はアルバム曲。圧倒的な歌唱力を誇った彼女の名盤だが、草野球の応援に行くこの歌は最高。当時私も草野球をしていただけになおさらだ。「永遠にスキと言えるもの失わないで」。草野球はやめたけど、アイドル鑑賞は続けている。

『LOVEマシーン』(モーニング娘。)が日経のベスト15に入らなかったのは意外だ。紅白歌合戦でも何回も歌われ、「ニッポンの未来は WOW WOW WOW WOW世界がうらやむ YEAH YEAH YEAH YEAH」と、バブル崩壊後低迷する日本を元気づけた曲。

『ファーストラビット』(AKB48)はファン人気も高い名曲。前田敦子の卒業直後に発表され、誰より先に海に飛び込むペンギンのように、先駆者たれと背中を押している。「傷つくたび大人になる」。

『青春のフラッグ』(渡り廊下走り隊)は若いメンバー達に励まされる歌だ。「誰かといつも競わなくていいんだ 立てた目標絶対守ろう」。人生は他人との競争ではない、自分自身が納得して歩んでいくものだというテーゼに共感する。若き日の渡辺麻友の歌唱が凛々しい。

どの歌も私自身の心に残る歌詞がある。しかしそれだけではだめで、曲調も心が浮き立つような魅力を持っている。これらの曲を聴いて元気になろう。
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