AKB48 チームBのファンより

鈴木紫帆里さんを中心にAKB48 チームB について語るサイトです。

日向坂46『One choice』とカップリング曲を聴く。(ときめき研究家)

2023-07-28 22:31:07 | ときめき研究家
いつものことながら、坂道グループのCDは、数回聴いただけでは良さが分からない。何回も聴き続けて、メロディーや歌詞の一部がじわじわと脳内に浸透してくるような感覚だ。

『One choice』。
7曲の中では、やっぱりこの曲がシングル表題曲らしい楽曲だ。フラメンコギターのようなアレンジが耳に残る。どちらかと言えば乃木坂っぽい楽曲だ。
君を好きになったので、他の選択肢は目に入らない、君一択だ、という内容の歌詞はシンプル。重厚なサウンドとは裏腹に、幼い一途な思いをひたすら歌う歌詞だ。自転車を立ち漕ぎしながら好きな子のことを考えるというのは、AKBグループ、坂道グループ共通の伝統と言える。
テレビで歌うのも、ミュージックビデオも見ていないが、ダンスはきっと激しいのだろう。

『恋は逃げ足が速い』。
バイト先で好きになった彼女に、タイミングを見て告白しようと思っていたら、いつの間にか彼女はバイトを辞めていたという歌詞。若い頃にありがちの出来事だ。私にも思い当たる節がある。恋の逃げ足が速いのではなく、君の行動が遅いのだと教えてあげたい。
でも結局、彼女がもしバイトを辞めなかったとして、それでも彼はいつまでも告白できないだろう。彼は片思いの甘美さに酔っているのが好きなのだから。そして逃げて行った恋を惜しむのも好きなのだ。
コミカルな歌詞に似合った軽快な曲調もいい。

『シーラカンス』。
古代生物のように、自分の中で死滅したと思っていた「恋するときめき」を思い出した、という歌詞だ。ただ「ずっと忘れていたよ こんなエモい瞬間」という言葉のチョイスは好きではない。「エモい」という形容詞自体に私がまだ馴染めていないせいもあるが、世の中でもまだ結構ニュアンスにブレがある段階の言葉だと思う。微妙な心の揺れを表現するのに、そういう生煮えの言葉を安易に使用している感じがしてしまう。
それはまあいいとしても、今度はそのときめきの対象となった女性の行動が腑に落ちない。急に降り出した雨に困っている知らない男性に傘を差しかけてあげて、更には雨宿りにまで付き合っている。その行動の動機が不明だ。彼のことがタイプだったのか、それとも彼が忘れているだけで、実は知人だったのか。いろいろ想像できるが、一般的ではない行動だ。ミステリアスと言えばそうだが、そんなことをいつもしていたら誤解されたり、危険な目に遭いかねず、心配になる。彼の方も、思いもかけぬ出会いに不意を突かれていつも以上にときめいている感がある。この2人の今後の展開が気にかかる。
楽曲は、軽快なフォーク調で一番好きだ。歌詞のシチュエーションは、さだまさし『雨やどり』を連想させる。

『パクチー ピーマン グリーンピース』。
食べ物の好き嫌いが激しい男の歌だ。表題の3つのほかにも、「人参、トマト、きゅうり、椎茸」「レバー、梅干し、生クリーム」「なまこ、らっきょう、ブルーチーズ」と列挙する。どれだけ嫌いの範囲が広いんだろう。
そのうえで、誰もが好きなもの、嫌いなものがある、無理して食べることない、好きなものだけ食べればいいと開き直って正当化している。その子供っぽさが微笑ましい。その勢いで、世の中に色々な女性がいるけど、僕は君だけが好きだと強引に結び付けている。そんな告白で喜ぶ女性がいるだろうか。
この曲も、軽快なメロディーで楽しい歌だ。

『You’re in my way』。
タイトルは、あんた邪魔だからどいてよ、とくらいに訳すのだろう。
優しくされたり、守ってもらったりするのは好きじゃない。放っておいてほしいというような歌詞が続く。しかしよく聴くと、それは強がりで、本当は愛されたいのかもしれないとも解釈できる。どちらとも取れる。
そして歌詞の「あんた」とは誰のことか? 私は父親のことのように聴こえてならず、娘を持つ身としては心が痛い。

『友よ、一番星だ』。
友との別れの歌だ。もしかしたら卒業するメンバーの卒業ソングかもしれない。そう思って調べたら、やはり、影山優佳の卒業ソングだった。サッカー解説で注目され、クイズ番組などの出演も多い彼女のことは気になっていた。良いタイミングでの卒業なのだろう。
お互いがそれぞれの夢に向かって歩き出すという前向きな別れの歌だ。力強いメロディーもいい。
ミュージックビデオも観てみた。サッカースタジアムで撮影したもので、シンプルだけどメンバー全員が魅力的に写っていた。特に、影山優佳のファンは満足できる内容だったと思う。最後に彼女がゴールを決めるが、これから先、芸能界というピッチで新たな試合に挑む彼女を応援したくなる作品だ。

『愛はこっちのものだ』。
サックスのイントロが恰好いいダンスナンバー。
クラブで久しぶりに会った彼女に運命を感じ、一緒に踊ろうと、独りよがりに言い寄っているが、気が付けば彼女は彼氏連れだったというオチ。とても恰好悪い。恰好いいサウンドとのギャップを楽しむ曲だろう。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今日のあまちゃん。アイドル歌唱で「影武者」は成り立つか?(ときめき研究家)

2023-07-21 21:05:21 | ときめき研究家
再放送中の『あまちゃん』。ストーリーは知っているのに、引き込まれて観ている。
今日は春子(小泉今日子)の若い頃(有村架純)に、鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)の影武者だったという過去が明かされた。人気女優の鈴鹿ひろ美は極度の音痴だったので、主演映画の主題歌『潮騒のメモリー』を歌う
に当たって、無名のアイドル志望の春子が代わりにレコーディングしたというのだ。これは、このドラマの根幹となる設定なので、非現実的というような批判はしたくない。そういう設定だと受け入れて、当時は楽しんだし、今回も楽しんでいる。しかし、敢えて、本当にそのような「影武者」が可能かどうか、研究者として考察してみたい。

まず、喋る声と歌声がかなり違っている人は珍しくないという事実がある。
当の薬師丸ひろ子自身、『セーラー服と機関銃』の頃は、喋り声はやや甲高く人工的な声だったが、歌声は柔らかく清らかで、ギャップを感じた記憶がある。
松田聖子がサントリービールのCMソングとして『SWEET MEMORIES』を歌ったとき、英語歌詞ということもあり、当初は松田聖子が歌っていると気づく人は少なかった。
最近では、演歌歌手の真田ナオキは、歌声だけが極度なガラガラ声である。

そもそも、視覚的な容姿と異なり、声の特徴を聴き分けるのは難しいものだ。長年アイドルを聴いているが、持ち歌以外を歌っている時に声だけで分かるというアイドルはそんなにいない。伊藤つかさ、松本伊代、坂上とし恵、菊池桃子、南野陽子くらいだろうか。AKBグループだと渡辺麻友は分かるつもりだが、絶対の自信はない。好き嫌いは別として、河合奈保子、石川秀美、松本典子のような美声のアイドルはまず聴き分けられない。

そういう前提で考えれば、『あまちゃん』の世界で、影武者が成り立ったというのもあながち非現実的ではないと思う。しかし、レコードになった歌声を何回も聴いているのに、春子の親しい人達(母親の夏、娘のアキを含む)が気づかないというのは少し無理があるかもしれない。
ドラマの構造として更に興味深いのは、影武者として有村架純が歌うシーンで、実際に流れる歌声は小泉今日子の歌声だということだ。影武者の影武者ということだ。それでも、有村架純は自分が歌っているかのようにノリノリで演技をしているので、収録時には口パクではなく実際に歌っていて、後で音声を吹き替えたのだと推察する。

更にすごいと思うのは、薬師丸ひろ子の影武者を小泉今日子が演じるという構造だ。一般的な意味での「歌唱力」なら薬師丸ひろ子の方が格段に上だということは当時のアイドルファンなら周知の事実だ。おそらく本人達も、脚本のクドカンも自覚しているだろう。その上で、面白がってこの設定を演じているところに、このドラマの奥深さを感じるのだ。しかも、ドラマ終盤に、この虚実相まった構造が更に複雑な面白みを生み出すことになる。

やや強引に結論を付けるとすれば、80年代アイドルはソロアイドルが主流で、「歌唱力」があろうがなかろうが、個性的で魅力的なソロアイドルが多数活躍していたということ。そして薬師丸ひろ子も小泉今日子もその中心にいたということ。有村架純の歌の巧拙は分からないが、もし彼女が当時に生まれていたなら、きっと歌も歌い、魅力的なアイドルになったであろうということ。そんなことを考えた。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

=LOVE『ナツマトペ』を聴く。(ときめき研究家)

2023-07-01 11:30:29 | ときめき研究家
ブログ読者の方からの勧めがあって=LOVE『ナツマトペ』を聴いた。
女子だけのグループで旅行に行く歌で、乃木坂46『ガールズルール』と似たシチュエーションの歌だ。森高千里『私の夏』も、グループではないが女友達と2人旅の歌だ。
『ガールズルール』の目的地がバスで行ける近場の海岸なのに対し、『ナツマトペ』は飛行機で「南の島」と豪華だ。森高と同じ沖縄かもしれない。

タイトルの『ナツマトペ』とは、擬音語・擬態語を指す「オノマトペ」をもじった造語だろう。夏を現すオノマトペを特別にそう呼んでいるのだ。
オノマトペを多用する文章は、幼稚とか、品がないとか言われがちだ。そういう定説に対抗して、敢えてオノマトペを多用した夏ソングにしてやろうという、作詞家指原莉乃の意気込みが感じられる。「目に映るトキメキを表す言葉 ナツマトペ」と定義していて、ときめき研究家としては注目しない訳にはいかない。
とは言え、思ったほどオノマトペは多くない。常識の範囲での使用に留まっている印象だ。
ビュン、ソワソワ、キラキラ、ギラギラ、ドキドキ、チクタク、プカプカ、パシャリ、もぐもぐ、キンキン、きゅー、ズキズキ。
抜き出してみると、でもやっぱり多いのか。ただ日向坂46『キュン』とは異なり、オノマトペが歌詞のキーワードにはなっていない。あくまで彩りを添える役割として使われている。だからそんなに目立たないし、幼稚な感じもしないのだろう。オノマトペの他にも、随所に挟まれるセリフやファンとの掛け合いパートも彩りを加えていて、賑やかで楽しく、おじさんには少し気恥ずかしいくらい派手な夏ソングになっている。作詞家指原の狙いは成功していると言えるだろう。

そして曲を通して伝えているのは「王子さまはいらない プリンセスだけでいようよ」というスタンスだ。『ガールズルール』も、女子だけの旅を満喫してはいるが、「待って もう少し 男の子たちがやって来る」とも歌っていて、女子だけの友情は一時的なもの、いずれは恋愛を優先する時が来るという気配を漂わせている。森高の『私の夏』も、今年の夏はたまたま彼氏がいないから女友達と2人で沖縄に行こうという内容で、やはり一時的なものだ。その2曲と比べれば、『ナツマトペ』は男の影は微塵もなく、ピュアな女子だけの旅を謳歌する内容だ。どちらが良い悪いということではなく、曲の世界観が違うということだ。

歌詞の遊び心を2つ発見した。
数字をカウントしている歌詞はよくあるが、日本語、英語、フランス語、さらにスペイン語まで4言語使っている曲は珍しいのではないか。キャンディーズ『微笑がえし』でも、日、英、仏の3言語だった。
「1、2、3、4」「ワン、ツー、スリー、フォー」「アン、ドゥ、トロゥ、?」「ウノ、ドス、トレス、?」。4つ目があまり馴染みがないスペイン語とは今風だ。麻雀好きのおじさんなら中国語で「イー、リャン、サン、スー」だろう。
もう一つ、「いつもより派手なワンピース」というワードは、指原ファンへの大サービスだと思う。HKT48時代のカップリング曲で指原がメインボーカルだった名曲『波音のオルゴール』に「地味なワンピース」というワードがあり、そこからの転用だろう。

そういえば、AKB48の夏ソングというものが出なくなって久しい。

=LOVEの楽曲に関する過去記事。
=LOVEのデビューシングル『=LOVE』を聴く。
=LOVE『虹の素』『ズルいよズルいね』を聴く。作詞家指原莉乃の実力。

過去記事を読んで思い出したが、全曲指原莉乃作詞によるHKT48のオリジナル公演『いま、月は満ちる』はどうなったのだろう。ネットで検索してみたら、昨年、指原は既に納品していてHKT48の運営サイドの事情で保留になっているとの情報があった。せっかくの作詞家指原の仕事が早く日の目を見てほしい。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする