AKB48 チームBのファンより

鈴木紫帆里さんを中心にAKB48 チームB について語るサイトです。

SKE48『心にFlower』とカップリング曲を聴く。(ときめき研究家)

2022-04-23 19:33:54 | ときめき研究家
少し前に聴いていた乃木坂46の新曲『Actually』がカップリング曲も含め難解な曲ばかりだったのに対し、こちらは分かりやすい曲ばかりでホッとする。どちらがいい悪いではなく、世の中には両方必要なのだろう。

『心にFlower』。
現代社会の喧噪の中でも、心には穏やかな潤いと希望と優しさを持っていたいという内容。古典的だが、いつの世にも必要とされている曲なのだと思う。80年代に『いつも心に花束を』(島崎路子)という何とも穏やかな曲があったことを思い出した。もっと昔、橋幸夫と吉永小百合の『いつでも夢を』も、最近の東日本大震災後に作られた『花は咲く』も、似たようなコンセプトだろう。綺麗ごとかもしれないが、このような曲には励まされる。
サビ部分で「見えない花を心に飾って 清らかな心を忘れないで」と、比喩の直後にその比喩の解説をしているところが面白い。でもそれによって味わいが浅くなっている訳ではなく、同じ意味を重ねることで力強いメッセージになっているのだ。この一節は、メロディーも含め気に入っている。

『生まれ変わっても』。
この曲については既に感想を書いた。大場美奈の卒業ソング。彼女のファンにとってはしみじみと思い出に浸れる曲なのだと思う。

『じゃないロマンティック』。
ファーストキスで歯と歯がぶつかり、思ったようなロマンティックな雰囲気ではなかった。でも、それが現実、あなたを好きなことに変わりない。というような歌詞だ。
歯と歯がぶつかるのは、しぶガキ隊『バージンショック』の本歌取りか。
ファーストデイトがロマンティックにならないのはSKE48『女の子の第六感』はじめ、古典的なテーマとも言える。曲調も含め、いかにもSKE48らしい楽曲だ。

『仲間よ』。
AKBグループでは何度も歌われてきた、刻苦努力を推奨する歌だ。タイトルは「仲間よ」となっているが、個人個人の努力を推奨している点が特徴だ。「鳥は群れで飛ぶが羽ばたき方はそれぞれ」というのは、SKE48という群れとメンバー個人の関係を暗喩しているのだろう。
正直な感想は、例えば『転がる石になれ』『ファーストラビット』のような楽曲と比べて、インパクトを感じなかった。

『電線は消えても』。
この曲の歌詞はちょっと難解だ。何を言いたいのか読み取れない。
街の景観をよくするために電線を地下に埋める動きがある。たぶんそのことをモチーフにしているのだろうが、そのことを肯定的に見ているのか否定的に見ているのかが判然としない。
また、昔愛した「君」のことを歌っているが、「今でも君が待っているなんて知らずに」と言ったかと思えば、「愛はあの日のままそこにあると感じた」とも歌う。自分はまだ好きだが、彼女の気持ちには確信が持てないということなのだろうか。そのことと消えた電線がうまく噛み合っていない気もする。
曲調は穏やかでほのぼのした気持ちになるが、歌詞がうまく消化できずにモヤモヤしてしまう。

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NHK朝ドラ『カムカムエブリバディー』が終了。骨太のドラマを堪能。(ときめき研究家)

2022-04-13 22:20:11 | ときめき研究家
昨年11月、ドラマが始まったばかりの頃に一度記事を書いた。
その後も毎日見続けた。1話1話が見ごたえのある、起伏に富んだ素晴らしいドラマだった。

最終週には、半年間に散りばめられた全ての伏線が見事に回収され、大団円を迎えた。放送終了後も、ネット上でいろいろな人が、ドラマに関する「発見」を語っている。様々な謎解きや深読みができ、語りたくなるドラマだったのだ。
実際に、これまでに登場したほとんどの主要人物が再度登場し、密接に絡み合い、100年に亘る大きな運命の巡り合わせのパズルが完成したことには驚いた。再登場しなかったのは弁護士役の風間俊介くらいだろう。彼も不意に「るい」の額の傷を見て気まずくなっただけで、悪い人ではなかったから、何らかの形で絡んできても良かったのにと思った。
もちろん現実世界ではそんな奇跡がいくつも起きたりはしない。そこは創作物としてのドラマだからこそのリアリティーだと捉えたい。

3世代目のヒロイン「ひなた」を演じたのは川栄李奈。1965年生まれという設定で、私とほぼ同世代。最後は2025年が舞台なので60歳まで演じたことになる。
高校生から就職したての頃までの「普通」感は、彼女ならではだったと思う。女優らしいオーラを全く感じさせず、ただのほほんと生きている普通の若者をリアルに演じていた。英会話を学ぼうと思い立つが、英会話スクールに通っても身につかず、「聞き流すだけ」の教材に手を出しそうになるのもありがちだ。最終的には母親と同じようにラジオ講座で英語を習得する。ラジオ講座だけでそんなに身につくのか疑問もあるが、要は手段ではなく、どれだけ意欲が強いかということなのだろう。
その頃から美しい女優のオーラが出始め、ヒロイン然として来た。演出やメイクの技術もさることながら、川栄自身から滲み出てきたものもあるのだろう。最後の場面は60歳だったはずだが、若々しく30代に見えた。最近は美魔女も多いので、それほど気にはならなかった。

しかし、3世代ヒロインと言うものの、物語の主軸は2代目の「るい」だった。ドラマを1文で要約するなら、「るい」が母親の「安子」と生き別れた後、多くの人と知り合いながら生きて行き、自分の家族を作り、最後に「安子」と再会して赦し合うという話だった。
そもそも「安子」は思い込みが強く、1人で何でも抱え込み過ぎて、過労で倒れてばかりいた。結果的にそのことが悲劇を生んでしまった。もっと自分の気持ちを話し、亡夫の実家に頼り、チームとして娘を育てていれば、娘に怪我をさせたり、誤解されたまま生き別れになることもなかったのだ。最終週でも、「るい」と再会したいのかしたくないのか一貫しない揺れ動く言動が、結局周囲を振り回すことになった。そういう「幼さ」の残る母親の過去と現在を丸ごと受け止め、成人しても「幼さ」の残る娘の自発的な成長を我慢強く待った「るい」の一生がドラマの主軸であったのだと私は思う。

虚無蔵の箴言「日々鍛錬し、いつくるともわからぬ機会に備えよ」と同じ意味の言葉を私は知っている。
「誰かといつも競わなくていいんだ 立てた目標絶対守ろう」(渡り廊下走り隊『青春のフラッグ』より)。
私もコツコツとこのブログを続けて行こう。
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大場美奈がSKE48を卒業。(ときめき研究家)

2022-04-08 21:36:30 | ときめき研究家
ネット記事で、大場美奈がSKE48を卒業したことを知った。3日間に亘る卒業コンサートが行われ、「アイドル史上最も幸せな卒業の形」と書いてあり、嬉しくなった。

「楽曲派」を自認する私にとって、グループやメンバーの歴史や物語は主な興味の対象ではない。しかし、以前のAKBグループの場合、そういう情報が嫌でも耳に入って来たし、その情報が楽曲鑑賞のよい調味料となったことも事実だ。一時期は「AKBグループ新聞」も購読していた。大場美奈は、私が歴史や物語を多少なりとも知っている最後のメンバーの一人だ。

初代チーム4が結成された際、キャプテンに任命されたが、直後に不祥事が発覚して謹慎になった。代わりのリーダーは島田晴香が務めた。その経緯はドキュメンタリー映画でもかなり詳しく描かれていたと思う。そのチーム4には名曲が多く、リクエストアワーで1位を取った『走れペンギン』以外にも、『high school days』『直角Sunshine』『大人への道』など、今でも時々聴きたい曲ばかりだ。
卒業コンサートの冒頭には、その当時のチーム4メンバーが集結し『走れペンギン』を歌ったようだ。その場面は現場で見たかったなと思った。

大場美奈個人のパフォーマンスとして一番印象に残っているのは、『抱きしめちゃいけない』のミュージックビデオだ。全編ワンカットで撮影された労作であり、メンバー全員が輝いている名作だ。
この年の選抜総選挙で大場は35位に入り、アンダーガールズとして参加している。グラマーな水着姿も披露していた。

大場の卒業ソング『生まれ変わっても』は、ソロ曲だが、最初は大場だとは気づかなかった。目立った特徴のある声ではなく、30歳になったとは思えない幼い声に聴こえた。
秋元康の中では、在籍の長い大場については、歌詞に書くべき材料は沢山あったはずだ。「生まれた街、育った街を離れ、こんな遠くまで来た」「失敗や間違いも全部私なんだ」などが大場向けの歌詞だが、「生まれ変わっても同じ道を選ぶ 後悔していない」という内容は普通の卒業ソングだ。大場自身が感情移入して気持ちよく歌えたのならそれでいいのだろう。

未だグループに残っているメンバーで、卒業コンサートがあるなら絶対行きたいメンバーはいるかと考えたら、1人だけ、柏木由紀だ。初代チームBメンバーのうち何人揃うのか、芸能界を離れた渡辺麻友ももしかしたら参加するのか、チームBの物語の完結の場として、そこには立ち会いたいと思っている。
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乃木坂46『Actually』とカップリング曲を聴く。(ときめき研究家)

2022-04-02 22:30:57 | ときめき研究家
『Actually』。
不思議な曲調だ。リズム主体のダンスナンバーではなく、メロディアスでもなく、アイドルポップ的でもない。比喩が適切かどうかわからないが、コンテンポラリーダンスを見ているような感覚になる。
歌詞も難解だ。正しく理解することを拒絶するような、意味深な言い回しが連続する。
この曲は「理解」しなくていいのだろう。「感じる」こと、それが世界の現実と向き合う方法だと教えてくれているようだ。
それでも何回も聴いているうちに、体が曲に馴染んできて、サビ部分では高揚感さえ感じるようになった。噛んでいるうちに味が出てくるスルメのようだ。さすが乃木坂46のシングル表題曲だけのことはある。

カップリング曲も、似たようなテイストの、難解な楽曲が多い。

『価値あるもの』。
「君が幸せなら僕は一番嬉しい」という無償の愛を歌っている。だから告白もしない、見守るだけでいい、こんなに愛せるだけで価値があると歌う。一見気高いが、でも一歩間違えればストーカーの発想だ。
ピアノのリリカルな前奏に続くソロ歌唱は、少し生田絵梨花を思い出させるような凛々しい歌唱だ。この曲のセンターポジションである久保史緒里さんだろうか。今後も注目したい。

『深読み』。
歌詞が難解だ。私に興味を持たないで、深読みしないで放っておいてという歌詞だが、どんな状況だろうか。単に自分に自信がなく引っ込み思案なだけなのに、ミステリアスに見えて、言い寄ってくる男が多いのだろうか?そんな状況にうんざり、といったところか。
曲調も平板で魅力が分からなかった。もっと深く聴き込むべきなのだろうか?

『届かなくたって』。
月を見ながら、別れた彼女のことを未練がましく思っている歌だ。サウンドはハードで格好良いが、歌詞はうじうじとしていてミスマッチなのは、よくある手法。
ラップ部分では、有名な夏目漱石の翻訳「月がきれいですね」を引用している。そんな婉曲表現ではなく「I love you」と言わなきゃ駄目だと歌っていて、ちょっと面白い。

『絶望の一秒前』。
「未来とは一秒後」(SKE48『未来とは』)という歌もあった。『MajiでKoiする5秒前』(広末涼子、川島海荷、指原莉乃)という歌もあった。
でもこの曲は、それらの曲のアンサーソングではない。正反対の曲だ。ネガティブなオーラが充満している。
カップリング曲の中でもとりわけ難解な歌詞だ。
断片的で意味深な歌詞を追うのは疲れるが、要するに「ほとんど絶望してる」心境を歌っているのだろう。では何に絶望しているのか?人間関係にか?愛する人に嫌われていることにか?世界の在り方全てにか?どうとでも取れる歌詞で、聞き手が自分自身の絶望を投影すればいいのかもしれない。

『好きになってみた』。
恋が始まるときのときめきをストレートに歌っている。躊躇なく気持ちを伝え、手をつなぎ、キスもしたようだ。『価値あるもの』の彼とは全く違う態度だ。
曲調もアップテンポで、字余り風に歌詞を乗せている。

『忘れないといいな』。
この曲だけは分かりやすいシンプルな楽曲だ。北野日奈子の卒業ソングでソロ曲だ。アイドルらしい甘ったるい歌唱は絶品。
これから多くの出会いがあって、記憶の中に溢れていくだろうけど、(「あなたが)私のことを、(私が)あなたのことを、忘れないといいな」という歌詞は自分自身のことも客観視していて、珍しい言い回しだ。普通なら「私は絶対あなたのことを忘れない」であり、「あなたも私のことを忘れないでいて」と歌うだろう。「忘れないといいな」という、執着が薄いふんわりした言い方は、声と同様、ふんわりした彼女の個性なのだろうと推察した。
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