AKB48 チームBのファンより

鈴木紫帆里さんを中心にAKB48 チームB について語るサイトです。

柏木由紀『CAN YOU WALK WITH ME?』と山本彩『ドラマティックに乾杯』を聴く。(ときめき研究家)

2021-03-27 22:06:22 | ときめき研究家
AKBグループの中でソロ歌手として魅力があると思っていたのが、渡辺麻友、柏木由紀、山本彩の3人だった。一般的な意味での歌唱力があるだけでなく、自分の持ち味を出すことができる存在だった。
渡辺麻友が芸能活動を停止した今となっては、柏木と山本には頑張ってもらいたい。
時を同じくしてその2人のシングルが発売された。

柏木由紀『CAN YOU WALK WITH ME?』。
スローなバラードをメロウな歌唱でしっとり聴かせるのが柏木の持ち味だが、この曲ではリズミカルでポップな味わいを出している。それはそれで柏木の魅力の幅が広がって良いと思う。以前のライブで、自分の曲はバラードばかりで、一番アップテンポなのが『ジェラシーパンチ』だと語っていたと聞いたことがある。その曲より今回の新曲はアップテンポだ。
ただ不満があるのは、歌詞だ。秋元康作詞でないのは意欲的でいいが、30歳の彼女が歌うにしては子供っぽい歌詞だ。「だめです」「言いたいです」「聞いてほしいです」という小学生の作文みたいな文末が気になる。それから字余りというか、メロディーへの歌詞の乗せ方に違和感がある。「君いてくれたから」が「きみてく れーたから」になっているし、「途中なんです」が「とちゅなんです」になっている。「私の夢」は「わっしの夢」と聞こえるし、「変わらない」は「かわ(裏声)ない」だ。こういうずらした歌詞が流行なのかわからないが、私には受け入れ難い。
柏木の歌唱の魅力は、歌詞がはっきり聞き取れ、自然に頭に入って来るところだと思うので、こういうわざと外したような歌詞はフィットしていないと考える。

山本彩『ドラマティックに乾杯』。
山本彩の自作詞、自作曲の楽曲ということもあり、これまでの彼女の楽曲と同じ路線だ。柏木の新曲がイメージチェンジなのとは対照的だ。
ドラマ『その女ジルバ』の主題歌。ドラマの評判はすこぶる良かった。池脇千鶴演じる40歳の平凡なOLが熟女だけのナイトクラブに勤め始めて人生が変わるという内容で、池脇の大胆なイメージチェンジも話題になった。私も第2話まで見たが、残念ながら脱落した。私自身にナイトクラブで楽しむといった習慣がなく、今一つ熟女ホステスさんたちに感情移入できなかったのだ。でもドラマとしては丁寧に作られていたと思う。
それで山本が歌う主題歌だが、ドラマの内容にぴったり合った歌詞、曲調だ。ぴったり合い過ぎていて面白みがないくらいと言えば難癖になるだろう。
でも、ドラマに無理やり合わせているのではなく、山本が歌いたくてこれまで歌って来た楽曲にも通じる内容だ。気持ちよくドスの効いた声で歌っているのもいつもながらの山本だ。
『365日の紙飛行機』に代わる山本彩の代表曲になるのだろうか。

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SKE48『恋落ちフラグ』とカップリング曲を聴く。『あの頃のロッカー』と『音の割れたチャイム』が秀逸。(ときめき研究家)

2021-03-14 18:05:20 | ときめき研究家
SKE48の楽曲について書くのは久しぶりだ。久しぶりだが、このシングルとカップリング曲は楽しめた。

『恋落ちフラグ』。
幼なじみで友人関係だった相手に、突然恋愛感情を抱いたという内容。今までにも何回も歌われてきた普遍的なテーマだ。普遍的だがありきたりではない。その曲その曲のオリジナリティーがあれば、何回でも歌われるべきテーマだ。松井珠理奈がセンターだった『鈴懸なんちゃら』はフラグが立つ前の状況を歌った歌だった。
「ある日突然ハッとした」という歌詞からは『片思いFinaly』の「ハッとして強く惹かれた」を思い出す。
木枯らしから君を守るように立つという部分は、『不器用太陽』で車道側を歩いた彼を想起させる。

『Memories~いつの日か会えるまで~』。
松井珠理奈の卒業ソング。自作詞のようだ。
秋元康はこれまでにも何曲もの卒業ソングを作詞して来た。思い入れが強い松井珠理奈だから、きっと良い詞が書けたのだろうがそうはせず、珠理奈本人に書かせている。本人が書きたかったのなら、その方がいい。
「無邪気に登ったあの階段」とは、彼女のファンならわかるエピソードがあるのだろう。「手をギュッと握って」とは『手をつなぎながら』からの引用だろうか。
「これから新しい旅に出る」と歌うサビは、盛り上がり、気持ちよく歌えるメロディーだ。ずいぶん待たされた卒業だったが、正統的な卒業ソングを歌えたのはよかったのではないか。
松井珠理奈の卒業発表時の記事はこちら

『Change Your World』。
この曲はサウンド重視の曲だ。このイントロはどこかで聴いた気がする。あれこれ考えて『点滅フェロモン』と似ていることに気づいた。松井珠理奈の卒業にちなんだ引用だろうか。
歌詞の内容は、周りを気にせず、困難に負けず、自分を貫き世界を変えて行けと、ポジティブに鼓舞する歌だ。「批判だって自分の手で変えて行け」とは、アンチも多かった松井珠理奈へのエールでもあるのだろう。

『あの頃のロッカー』と『音の割れたチャイム』。
この2曲は、古き良きSKE48の雰囲気が漂うノスタルジックな楽曲だ。2曲ともとても気に入った。

『あの頃のロッカー』は、『手をつなぎながら』の「心のロッカー片付け」を想起させる。『手をつなぎながら』は新しい世界で自信を持てずに不安な気持ちを「心のロッカー」に仮託して歌った印象的な歌詞だった。今回のロッカーも、心の中に仕舞っている大切な物を象徴していて、共通性がある。「SKE SKE」という掛け声も入っていて、新たなSKE48自身の応援歌、テーマソングにもなり得る曲だ。
年を取って、周りの仲間たちが変わって行っても、自分の大切なものは変らないということを歌っている。2番では、初恋の大切な思いは今も忘れておらずロッカーに仕舞っていると歌っている。SKE48のテーマソングでありながら普遍性もあって、その点も『手をつなぎながら』と共通点がある。

『音の割れたチャイム』で思い出すのは『チャイムはラブソング』だ。
しかし、『音の割れたチャイム』のチャイムは学校のチャイムではない。商店街のスピーカーから流れる、夕方のチャイムだ。『夕焼け小焼け』かドボルザークの『家路』のような曲だろう。付き合っている彼女を連れて久しぶりに訪れた地元の商店街でチャイムを聞いて、こんなに音が割れていたのか、それとも自分が年を取ったせいかと自問している。

2曲の共通テーマは「変わって行くものと変わらないもの」だ。「この世界は目まぐるしくリニューアルされて行くけど誰もが胸にしまっておきたいものがある」「商店街はいつも変わっているのにいつも懐かしい気がする」。そしてそれはSKE48のこと、アイドルのことでもあるのだ。
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乃木坂46『僕は僕を好きになる』とカップリング曲を聴く2。(ときめき研究家)

2021-03-07 19:09:29 | ときめき研究家
その1はこちら

『冷たい水の中』。
堀未央奈の卒業ソングなのだろう。ぬるま湯を出て冷たい水の中に身を置きたいという決意を歌っている。
乃木坂46が「ぬるま湯」なのかどうかはさて置いて、これ以上いても成長が期待できないと自分が判断し、一歩踏み出すのだろう。それにしても「冷たい水の中」という言葉からは、どうしても中島みゆきの『ファイト』を思い出してしまう。これほど有名な曲に使われている印象的なキーワードを臆面もなく使う秋元康のセンスは挑戦的だ。

『口ほどにもないKISS』。
コミカルなお惚気ソング。あなたのKISSは口ほどじゃないと品定めしている歌詞は感じ悪いが、よく聴くと、口ほどにもなく普通のKISSだけど、それでも嬉しいという気持ちを歌っているのだろう。その気持ちを素直に言えず、恋愛慣れしているように装っているのだ。
KISSの品定めの歌としてはHKT48『昔の彼氏のお兄ちゃんとつき合うということ』の「どっちがキスの仕方が上手か?」を思い出す。

『Out of the blue』。
恋をして人生観が変わったという内容の歌だ。散漫で飛躍するようなメロディーが、恋に浮足立った心情を映している。

『Wilderness world』。
荒野で戦う覚悟を歌った曲。荒野とは何を象徴しているのか、それは聴き手に委ねているのだろう。
激しいサウンドとダンスを味わうための曲だろう。
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