AKB48 チームBのファンより

鈴木紫帆里さんを中心にAKB48 チームB について語るサイトです。

STU48『花は誰のもの』とカップリング曲を聴く。1か所だけ残念なフレーズがある。(ときめき研究家)

2022-05-28 21:48:02 | ときめき研究家
『花は誰のもの』。
「もしこの世界から国境が消えたら 争うことなんかなくなるのに」という歌い出しの反戦歌だ。
もちろんロシアのウクライナ侵略という世界情勢を踏まえた楽曲だろう。戦争を知らない少女たちが、ピュアな平和への思いを歌っている。ピアノソロで始まるメロディーは美しい。作曲者名を見るとチェッカーズの鶴久政治だった。
こういう歌が世の中に流れることは、間接的かもしれないが平和の実現に僅かでも寄与するという意見と、歌など全く無力だという意見があると思う。私は前者の意見に与する。秋元康もそう思っているから、こういう歌を世に出したのだと思いたい。
咲いている花を奪い合って争いが起きるとすれば、世界一面に花が咲いていたら足元の国境も見えなくなり争いも起きないというロジックを歌っている。痛快なロジックだが、限られた資源や富を奪い合って起きる戦争の現実から見れば、非現実的な理想論かもしれない。でも、理想は理想だからいいのであって、現実に忖度してはいけない。
2番には「もしこの世界から国境が消えたら たぶん困る人がいるんだろうな」という歌詞がある。このフレーズだけは残念だ。現実社会には、こういう分かったようなことを言う人がいる。武器商人、独裁的な政治家などは、国境や戦争がなくなったら困るのだろう。そういう人達が裏で暗躍して平和の実現を妨げている。そういう風に世界を理解するのは一種の陰謀論だ。そんな風に世界を捉え、自分がどうあがいても仕方がないと卑屈に考えるなら、世の中は永遠に変わらないし、理想は実現しない。
この歌のスタンスはピュアに平和を希求しているのだから、こういう現実に忖度した卑屈なフレーズは要らなかった。このフレーズのため、曲全体の理想論も本気ではないのかと醒めてしまう。要するにスタンスが中途半端になっているのだ。
どうしても平和を妨げる勢力に言及したいのなら、別のスタンスとして、「そんな奴らはブッ飛ばせ」というようなラジカルなレジスタンスソングにするべきだっただろう。

『船から降りた僕たちは・・・』。
事前情報全く無しで聞いた時に、STU48は解散するのかと思った。あるいは拠点にしていた船は廃船になり、拠点を失うとか。船上ライブを売りにしていたSTU48が「船から降りた僕たちは・・・」などと歌うと、そんな裏読みをしてしまう。自己言及ソングに慣れてしまった弊害だろうか。
後日ネットを探してみたら、STU48の解散といった情報はなかった。5周年コンサートが5月3日に開催予定だったが、メンバーのコロナ感染のため7月に延期になったことを知った。
解散ではないが、5周年を迎え、新たなステージに進む覚悟のようなものを歌っているのかなと思った。

『ポニーテールをほどいた君を見た』。
サウンドが派手で、NMB48っぽい。
対照的に、歌詞はいつもの内気な男子目線の片想いソングだ。いつも電車の中で遠くから憧れて見ている制服姿のポニーテール女子に、夜偶然に会って、いつもと違う姿にドキドキしたという内容。AKB48『僕の打ち上げ花火』と同様の状況だ。彼女の方は、彼を認知している訳でもないから、当然何も気が付かずすれ違うだけ。彼の方ももちろん声をかけたりできるはずもない。
ポニーテールを結んだりほどいたりすることを、オンとオフの切り替えとして描いたのは、AKB48『センチメンタルトレイン』だ。「ポニーテールの日はテストがあるんだよね」と歌っていた。『ポニーテールをほどいた君を見た』の彼女は、通学時にはポニーテール、オフの時はほどくようだ。
一方『ポニーテールとシュシュ』の彼女は、砂浜で走る時もポニーテールをしたままだった。それどころか、彼は「ポニーテールほどかないで」と懇願している。この歌は全部彼の妄想なので、彼は幼い彼女の理想形をずっと留めてほしいと願っているのだ。実際の女性は、ポニーテールを結んだりほどいたりするものだ。

『Sure、じゃあね』。
いつも強引すぎる彼との付き合いに疲れ、じゃあねと別れを告げる歌。嫌いになった訳ではないが、振り回されず自分らしく生きていたいからだ。
格好いいサウンドに、少人数ユニットなのでソロ歌唱も多く、楽しく聴ける。「何が不満か想像つかないのでしょうね」のパートは声が特徴的。須藤凜々花の声にちょっと似ている。
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5月8日AKB3期生(初代チームB)が15周年公演。浦野一美が結婚報告。(ときめき研究家)

2022-05-11 21:24:36 | ときめき研究家
ネットニュースで知ったが、初代チームBの15周年公演が開催されたようだ。知っていれば行きたかったと思ったが、後の祭り。情報にアンテナを張れていなかった自分の責任だ。気が付けば私の最後の劇場公演観戦は2015年4月で、早や7年も前だ。元々現場派ではなく書斎派だし、現場への熱意が醒めていることは覆い隠せない。今も熱意を継続している人達に席を譲るべき公演だったのだ。

とは言え、「チームBのファンより」を名乗るブログである以上、記事を書かないわけにはいかない。
メモリストさんのブログでセットリストや出演者を確認した。メモリストさんが今もブログを続けていることには驚嘆する。

〇出演メンバー9名
浦野一美、多田愛佳、柏木由紀、片山陽加、菊地あやか、田名部生来、仲川遥香、仲谷明香、平嶋夏海
〇観戦メンバー2名
米沢瑠美、松岡由紀

懐かしいメンバーが集まって、楽しそうだ。仲川は入国制限もまだ厳しい中、この日のためにジャカルタからわざわざ駆けつけてくれたのだろう。
引き算すると、参加しなかったメンバーは以下の5名となる。
渡邊志穂、井上奈瑠、早乙女美樹、野口玲奈、渡辺麻友
この5名は、今は芸能界から完全に離れて、それぞれの人生を歩んでいるものと思われる。何と言ってもエースだった渡辺麻友の不在は寂しいが、彼女の堅い決意の表れなのだと理解する。
なお、私が初めてチームB公演を観戦した時には、既に渡邊志穂さんは脱退し、佐伯美香さんが加入していた。佐伯さんはAKS社に勤務しているとの情報もあり、出演は可能だっただろうが、厳密な意味の初期メンバーに限定したのだろう。

〇セットリスト
1.初日(パジャマドライブ公演)
2.必殺テレポート(パジャマドライブ公演)
3.ご機嫌ななめなマーメイド(パジャマドライブ公演)
4.2人乗りの自転車(パジャマドライブ公演)
5.ガラスのI LOVE YOU(会いたかった公演)
6.純情主義(パジャマドライブ公演)
7.口移しのチョコレート(アイドルの夜明け公演)
8.鏡の中のジャンヌダルク(パジャマドライブ公演)
9.天国野郎(アイドルの夜明け公演)
10.Two years later(パジャマドライブ公演)
11.ビーチサンダル(青春ガールズ公演)
12.そばかすのキス(アイドルの夜明け公演)
13.タンポポの決心(アイドルの夜明け公演)
アンコール1.B Stars(アイドルの夜明け公演)
アンコール2.横須賀カーブ(アイドルの夜明け公演)
アンコール3.約束よ(青春ガールズ公演)

ざっくり言うと、前半は「パジャマドライブ公演」中心、後半は「アイドルの夜明け公演」中心と、オリジナル公演曲中心に構成し、そこに数曲お下がり公演曲を組み込んでいる。よく練られたセットリストだ。
個人的には「ビーチサンダル」からの「そばかすのキス」はツボだ。この2曲は姉妹曲と言ってもいい。その場にいたら非常に盛り上がったはずだ。「ビーチサンダル」はこのブログに私が初めて投稿した記事のテーマだし、「そばかすのキス」に関連して「夏の恋は続かない」という命題の系譜について納得ゆく記事を書けたことを思い出す。
ラストは「パジャマドライブ公演」の「白いシャツ」も捨てがたい。しかし「約束よ」は、渡辺麻友の卒業コンサートでも旧チームBメンバーで歌った曲。彼女へのメッセージを込めているとの深読みもできなくはない。

ところで、公演の中で、浦野一美が結婚の報告をした。心から祝福したい。おめでとうございます。
私にとって、彼女はAKBで最初の推しメンだった。チームAからチームBへ、そしてSDN48へ移籍し解散。その後渡り廊下走り隊7に暫定メンバーとして電撃加入し、そのまま解散という数奇な運命を辿った。チームBでは年長の先輩として後輩をまとめつつ、年長ネタで自虐したり、キレの良いダンスで魅了する等、自らアイドルとして輝いていた。アイドルとしてのプロ意識が非常に高かったのだと思う。もちろんスキャンダルも皆無だった。
グループを去った後も、いくつかの出演舞台を見に行ったり、応援していた。
彼女の歌唱の代表曲は、何と言っても渡辺麻友とのデュエット曲「姉妹どんぶり」だ。同じ男性を好きになった姉妹の心の機微を描いた秋元康の会心の歌詞を、麻友と2人で絶妙に歌っている。私の推し2人のデュエットということを差し引いても、純粋に楽曲と歌唱が素晴らしい。何回聴いても飽きないし、聴いていて涙ぐんでしまうこともしばしばだ。
「姉妹どんぶり」に関する記事は以下。
その1
その2
その3

これまでの浦野一美の舞台の観劇記は以下。
『中野ブロンディーズ』
『キマズゲ』
『泉鏡花』
『DUMP SHOW』
『中野ブロンディーズ(再演)』
『GO! JET! GO! GO!』
『眠らぬ町の王子様』
『博士と太郎の異常な愛情』
『浅草あちゃらか』
『DAY IN A SUN~1日だけ日の目を見る日』
『GO! JET! GO! GO!』(再演)
『カンタンには死にたくない!(仮)』
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BS-TBS『X年後の関係者たち 不作の83年組アイドル編』を見る。歴史認識は正確に。(ときめき研究家)

2022-05-05 21:54:46 | ときめき研究家
5月3日に放送されたBS-TBS『X年後の関係者たち 不作の83年組アイドル編』を見た。
1983年デビューのアイドル、松本明子、森尾由美、小林千絵が出演した。1年先輩の「花の82年組」代表として松本伊代も出演。解説は中森明夫。MCはカズレーザー。

「花の82年組」の陰に隠れて不作と呼ばれた83年組も、バラドルなどの道を見つけてしぶとく生き延びてきたといったストーリーに沿ってトークが展開された。カズレーザーの軽妙な司会もあって、面白おかしく展開されるトークは、概ね楽しめた。トークの中でも言及されていたが、2018年11月に銀座博品館劇場で開催され、私も観戦した「35周年イベント」の流れを汲むような内容で、それほど新しい発見は無かった。
強いて言えば、以下のような話は初耳もしくは忘れていた。
・松本明子は堀越学園高校で、芸能コースなのに仕事がないので皆勤賞。成績もよかったので大学進学を勧められた。
・松本明子がラジオで放送禁止用語を叫んだのは、言わなければ好きな人をバラすと脅されたからだった。今なら完全にパワハラだ。
・小林千絵はヤマハポプコン出身で初のアイドルだった。
・1984年の日本テレビ音楽祭で2年目歌手に与えられる「金の鳩賞」は「該当者無し」だった。

ところで、1点だけ、歴史認識として間違っている箇所があった。
番組では83年組が不作だった原因を2つ挙げていた。1つは「タイミング」、2つ目は「おニャン子クラブ」。
1つ目の「タイミング」は、82年組がブレイクしている中、新たなアイドルが食い込む余地がなかった、ファンの財布に余裕がなかったという説で、これは概ね定説になっていると言える。加えて、「スター誕生」が末期となり、審査員や選考方法が変わってしまったことも挙げられていたが、説得力があった。
2つ目の「おニャン子クラブ」は、明らかな歴史誤認である。おニャン子クラブの活動期間は1985年4月~1987年9月であって、83年組不作の原因とするには無理がある。おニャン子クラブがアイドルのあり方を変えたというロングタームの歴史認識は私も正しいと思うし、そもそも研究者によって認識が異なっても構わない。ソロアイドルからグループアイドルへ、高嶺の花から身近な可愛い子へ、という変質は確かにあった。しかし、それは83年組不作とは全く関係がない。おニャン子クラブが席巻する前に、84年組の菊池桃子、岡田有希子、荻野目洋子、85年組の斉藤由貴、南野陽子、中山美穂、浅香唯などの人気アイドルが輩出したことを見逃している説である。

歴史認識は正しい事実認識の上に立脚しなければならない。中森明夫氏を解説に据え、真面目に歴史に向き合う硬派の番組だっただけに、この1点だけは残念だった。

ちなみに、私の「83年組楽曲ベスト5」は以下の5曲である。
森尾由美『お・ね・が・い』
岩井小百合『ドリーム・ドリーム・ドリーム』
伊藤麻衣子『微熱かナ』
小林千絵『いつも片想い』
徳丸純子『PICA PICA』
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