AKB48 チームBのファンより

鈴木紫帆里さんを中心にAKB48 チームB について語るサイトです。

NMB48『シダレヤナギ』を聴く。(ときめき研究家)

2021-08-29 11:24:42 | ときめき研究家
シダレヤナギとは、アイドルらしくない植物だ。桜とかイチョウとか鈴懸とかプラタナスとかハルジオンとかチューリップとか、アイドルらしい植物の歌は数あれど、シダレヤナギとはヒネリが効いている。ホヤの塩辛や高枝鋏好き(『ドリアン少年』)のNMB48らしいと言えばNMB48らしい。

歌詞を聴くと、過ぎた恋を思い出している切ない歌だ。
夏の日の川沿いの道で手を繋いで歩いた。川沿いのシダレヤナギのように、彼にしなだれかかり、寄りかかり、凭れてしまっていた自分。でも、そんな日がずっと続けばいいと思っていた。

そういう依存的な恋愛を後悔しているかと言ったら、そういう訳ではなさそうだ。好きな気持ちに正直に、どこまでもついて行きたかったという恋心は今も変わっていないようだ。

彼とはどうして別れてしまったのか、そこは歌われていない。聴き手がそれぞれ想像する余地を残している。
凭れかかる彼女を彼が負担に感じてしまったのか、それとも彼の転勤とか外部要因か、あるいは彼は死んでしまったのか?「土砂降りの雨」が「運命を断ち切る」というフレーズからは、何か悲劇緒的な出来事を想像してしまう。

もう1つ。シダレヤナギは、花火のシダレヤナギのことも歌っていると解釈できる。
「遠い花火の音だけ聞いた」という歌詞もある。大きく花開く丸い花火ではなく、柳のように細く流れ落ちる多くの光が、彼女の永く続く恋を象徴しているとも言える。

Aメロでソロで歌っているメンバーは誰だろう?歌い方が山本彩に似ている。腹から声が出ていて、少しはすっぱな語尾。それだけでNMB48っぽいなと感じてしまう。

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AKBグループ15年ベストを選曲。(ときめき研究家)

2021-08-16 16:13:45 | ときめき研究家
AKB48は2020年12月に15周年を迎えていた。
10周年の時には10年ベストを選曲したりもしたが、15周年は気が付いたら過ぎていた。さすがにそれでは申し訳ないと思ったので、遅ればせながら15年ベストを選曲することにした。

とは言え、10年ベストは厳選に厳選を重ねたものなので、その後5年間に出た曲と何曲か入れ替えるのは忍びない。そこで、11年目から15年目までの5年間のベスト10を選曲し追加することとした。
となれば、毎年年末に選定している年間ベスト10が候補になる。2016年から2020年の年間ベストを振り返ってみた。ここでは姉妹グループや坂道グループも含んでいる。

2016年のベスト12はこちら

2017年のベスト12はこちら

2018年のベスト10はこちら

2019年のベスト10はこちら

2020年のベスト5はこちら

曲数が徐々に減って来ており、2020年は5曲しかない。コロナで発売された曲数自体が少なかったという事情もあったが、私自身の熱意もだいぶ薄れてきているのも否めない。
それはさておき、早速5年ベスト12を選定した。順位は付けず、発売年順に12曲とした。

『Maxとき315号』(NGT48)。(2016年)
『サイレントマジョリティー』(欅坂46)。(2016年)
『清純タイアド』(てんとうむChu!)。(2016年)
『青空が違う』(欅坂46)。(2016年)
『青春時計』(NGT48)。(2017年)
『不協和音』(欅坂46)。(2017年)
『11月のアンクレット』(AKB48)。(2017年)
『ひらがなで恋したい』(けやき坂46)。(2018年)
『人差し指の銃弾』(HKT48)。(2018年)
『風を待つ』(STU48)。(2019年)
『ジワるDAYS』(AKB48)。(2019年)
『シャーベットピンク』(NGT48)。(2020年)

こうしてみると、2016年というのは象徴的な年だったと言える。NGT48と欅坂46という、その後の5年間、いろんな意味でグループ内の話題を集め、掻き回す2グループが始動した年だった。実際両グループには名曲が多い。
一方で、『清純タイアド』という楽曲は、『清純フィロソフィー』のアンサーソングで、AKBグループの脱清純派宣言と言うべき楽曲で、重要なターニングポイントとなった。
AKB48本体からは『11月のアンクレット』『ジワるDAYS』という、渡辺麻友、指原莉乃の卒業シングルを選んだ。卒業後の道は2人別れたが、2人ともプロ意識が高く、確固とした個性があり、長い間グループに多大な貢献をしたことに間違いない。その貢献にふさわしい卒業ソングだったと思う。

メンバーは入れ替って行くが、AKBグループという器は残っていく。新陳代謝を繰り返しながら、その時々に青春のときめきとじたばたを歌う楽曲を歌い続けてほしい。20年ベストも選曲できるように。
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乃木坂46『ごめんねFingers crossed』とカップリング曲を聴く。(ときめき研究家)

2021-08-12 15:38:58 | ときめき研究家
『ごめんねFingers crossed』。
Fingers crossedとは何なのか分からなかったが、ネットで調べて理解した。「神のご加護を」「グッドラック」的なフィンガーサインのようだ。日本だと「えんがちょ」の意味になるが・・・。
こういう小ネタから1曲作り上げる能力は秋元康の真骨頂だ。
歌詞に出て来る男女の状況は難解だ。難解だが、彼の心が彼女から離れてしまい、別れを告げている状況のようだ。心が離れた理由は明確には描かれていないが、「今だってもちろん好きだけど」「あの頃には戻れない」「客観的って自分らしくない」など抽象的なヒントが散りばめられている。「終電で君を見送った後、どうやって帰ればいい?」なんて即物的な心配をしているところを見ると、やはり冷めてしまったのだろう。
それを格好つけた別れに美化するのがフィンガークロスのサイン。乃木坂らしいしゃらくさい世界観にまとまっている。

『猫舌カモミールティー』。
タイトルから、うしろゆび指され組の『猫舌こころも恋のうち』を思い出した。おニャン子クラブ内ユニットの2人組。おもちゃ箱をひっくり返したような楽しい曲ばかりだった。「熱い恋は苦手で、フーフー冷ましながら恋している」女心を歌った秋元康の歌詞と、チャールストン調のサウンドも楽しかった。
それから35年。同じ秋元康が乃木坂46に与えた「猫舌」歌詞は、カモミールティーなんぞというしゃらくさい小道具を配して、いかにも乃木坂っぽい楽曲に仕立てている。男女の立場を逆転させ、熱いお茶が苦手で冷ましながら飲む彼と、せっかちな彼女のすれ違いを彼女の立場から歌っている。
うしろゆび指され組のように楽しくはないが、穏やかな気持ちになれる乃木坂らしい楽曲だ。

『さーゆーReady?』。
松村沙友理の卒業ソング。卒業ソングは似たような曲になりがちだが、この曲は極めて個性的だ。松村自身が特別に個性的だったこと、秋元康からも特別に目をかけられていたことの表れだろう。
「今まで経験したサヨナラって何か暗いよね」と、さり気なくディスっても彼女なら許される。彼女らしく「永遠の別れじゃないし」明るく別れましょう、それが私らしいよね、と歌っている。そして彼女の素っ頓狂な声が輪をかけて風変わりな卒業ソングになっている。「言わせてくださいありがとう」の調子っ外れた叫びも切実。印象深い曲だ。
松村本人も、彼女のファンも納得の卒業ソングになっていると思う。

『大人たちには指示されない』。
まるで欅坂46が4、5年前に歌っていたような楽曲だ。
成績表を細かくちぎって屋上から捨てるというレジスタンス。ペーパーテストで順位付けされることへの疑問、不満。きわめて古典的なレジスタンスを、今なぜ、かつ乃木坂がなぜ歌うのかという疑問を禁じ得ない。

『全部 夢のまま』。
ゴージャスなサウンドと華やかな曲調にワクワクさせられるが、歌詞をよく聴くと、結構悲惨な曲だ。
わがままで気が強い彼女に振り回されるように恋していた「夢のような日々」。その夢が醒めて、もう我慢できなくなったという歌だ。あんまりこういう状況の歌はなかった。そういう意味では個性的な曲だ。

『さぶん ざざぶん』。
テトラポットに波が打ち付ける音を「ざぶん ざざぶん」と描写していて、それが主眼の歌だ。
その波に恋愛模様を絡めて歌っているが、あまり内容はない。「ざぶん ざざぶん」という擬音が全て。その響きを味わうための楽曲だ。

『錆びたコンパス』。
『水夫は嵐に夢を見る』『NEW SHIPS』などで歌われた世界観。コンパス無用、人生の旅立ちを迎えた青年の歌だ。
「ヘイ!」という掛け声に合わせて、勇ましい決意が歌われる。「挫折しても夢を見ないよりましだ」「太陽が燃え尽きて世界の闇が訪れようとも」など、大袈裟で勇ましい若者らしさが羨ましい。
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