森人 もりと

森では人も生きものも ゆっくり流れる時間を生きています

ふかまる秋

2019-10-21 | 日記


 紅葉が進んでいます。
 今年の紅葉は例年より少し遅いようですが、それでももう緑と紅茶が半々になりました。



 もう長い習慣になっていますが、朝いちばんにすることはドアを開けて外の景色を見るこ
 とです。さまざまな変化を確認してホッとする、というのか妙に安心します。
 たぶんこの森の生きものすべてがやっていることなのでしょう。

 今朝は紫陽花の葉に落ちた紅葉が乗っかって、なんとも珍しい光景が目に入ってきました。
 紫陽花に紅葉なんて季節感がメチャクチャです。
 夏場には涼しげなブルーでおおいに楽しませてくれた紫陽花が、朝霜の降りる今になっても
 元気に咲いているのです。花色はすっかり変わってしまいましたが。
 いつもの年ならとおに枯れているのですから、不思議です。
 下町出自のこの花が大自然にしっかり根づいて、この時期まで力強く咲いているのを見てい
 ると、もしや、都会でひ弱に老いた者に対して「まだまだ元気で生きろ!」とエールを送っ
 てくれているのかなと思いました。



 水辺も秋がふかまっています。
 鳥たちの動きが一段と活発になりました。
 今は一生懸命食べてしっかり体力をつけて、きたる大移動に備える時です。
 だれが設定したのか、ダイナミックな生き方を天授されたものです。



 北国の、立冬に向かう残り少ない秋が、色彩を楽しむには最高の秋が、静かに移ろって
 いきます。


                                動(yurugi)