夕暮れに走る電車。
ローカルな電車、山陽電鉄のような雰囲気があります。
この電車は、神戸の長田区「西代」から「姫路」を結んでいて、
車両も長くなく、乗ったとたんローカル味があって旅行気分になる路線。
「東二見(ひがしふたみ」という駅で降り立ち、路地を武内と散策したことがあります。
わたしは京阪神で育ったので、未知の土地でありましたので、
はじめての風景、はじめての土地の気、ゆっくりと時間が流れているような感じがする人々。
路地を歩いて行くと、海に出ます。
とても小さな船着場があって、小さい船が並んで浮いていました。
時間が夕刻になっていて、光がオレンジを帯びたように感じ、
空を見ると、太陽が傾きかけ、雲が暖色系に輝き、海は静かでした。
陽が翳ってきた頃、また路地に戻り、
いかにも町のお好み焼きやさんという風情のぷんぷんする店で、
旅の途中によった何気ないお店という演出を自分の中でして食べ、
路地に立っている木造の朽ち具合を思い浮かべていました。
帰りがけの道では、それた路地の奥に行くと急に目の前が開け、
四方に家があったりと、京都のような景色も。
わたしにとっては、山陽電車に乗っておりた東二見の地は、暖色の町。
そして、この絵やはり旧作、その頃に描かれた絵になります。
第一印象は、「何でチコちゃんがいるの?」と思ったのですが、
この絵はチコちゃんが登場する前に描かれているので、この形は武内発なんです。
↑海沿いを走る山陽電鉄の図。
黒い文字の所が東二見駅の場所。
この電車に乗ると、海が見えるところがあり風情を味わえます。
今日書いた東二見の様子は、もう30年前になりますので、
マンションが建ったりして景観が変わったかもしれないと思いながら書きました。
人類は発展していかなくてはならないし、時間と共に変容していくのが自然だと思うのですが、
失っていくものにも愛着が湧きます。
ゆっくりと時間が流れ、何か物言うような風景が強烈に焼きついています。
心の中は時間を行ったり来たりできるので、
「わたしの中での暖色の町。」と記憶しておくことにしました。
武内の絵は都会的なものから、懐かしいものへの郷愁があります。
見比べてみると楽しいのではないかと思った今日でした。
今日の絵は、懐かしい編というわけです。
武内の行く散歩コースなので、幻想めいた印象を持ったのかもしれません。
では、神戸暮らしのことを。
25日の夕方、誘われて神戸元町通の夜祭に行ってきました。
家を出て徒歩で15分。
ヒロクニさんは、急な来客があり、家でしたい作業があるから、わたし1人で。
そして、言う。
「さっと行って、さっと帰って来てね。」と。
いつものことなんですが、なんか落ち着つかない。
それでも、夕方は海からの風がそよぎ、歩くと気持ちが良かった。
以前住んでいた宝塚は、郊外という感じで、都会というより田舎ぽい部分があり、
水田もちらちらと見られるようなところだ。
きっと、今は稲の葉が伸び始め、背が高くなり始める頃だと思う。
それが、ビルや住居が立ち並ぶ風景に変わった。
歩いて通った道の写真を撮りました。
↑歩きながら下っていっているのですが、交差点の所でゆるい上がり坂に。
アップダウンがあり、これがわたしを混乱させる。
「普通、道はだんだん下がる。とか方向性があるもの。」と今までの経験で思ってしまうのです。
↑そして、目的地「田村家具」に着きました。
ここには、ヒロクニさんの友人がいて、神戸住まいを始めてからよく行くようになったところ。
凝った家具や蝶番が置いてあり、行くとつい見惚れる。
中世の刺繍にはまってから、重厚なデザインを見ると、ときめくようになった。
そして、店番をしているキュートな女友達と、おしゃべりに花を咲かすのです。
夜店らしい店もありますが、元々ある店が食べ易いように自慢の店の味の料理を
小ぶりの容器に入れて売っているカレーとか、
中華のおつまみは、そんなに高くなく、ちょこっとその店の味を楽しめるようにもなっています。
これは、わたしにとって魅力。
ただし行列が出来ていたり、人でごった返している。
↑こんなふうに。
もう人で一杯で、こういうのも久々に遭遇。
自粛があけ、皆楽しみにしていたのだと思いました。
歩いていると、汗だくになります。
環境が変わり、心境にも変化を感じています。
今日は、ローカルな話題ばかりでした。
武内の絵には、播州があり、そんなことからこんな話題になったのかもしれません。
今日も最後までお読み下さった方、ありがとうございます。