武内 ヒロク二

このブログは、武内ヒロクニの絵の紹介や、家での出来事を妻が語ります。
日々、徒然。

病院にて(夫婦喧嘩編)

2011-04-23 23:12:10 | Weblog

「ドライブのハナシをする」色鉛筆作品 1998年作

ハミガキ女王がハブラシのある地下鉄の前にいる人物に話しかけているそうです。
最近は、ハミガキ女王はどこへ行ってしまったのか登場しません。
2011年は堕天使が、登場しています。この作品は、12年前の作品です。

ヒロクニさんは、神戸でのオープニングパティーに出席して、翌日手術を終えた。付き添いのわたしもホッと一息入れて「今日は動かないように!!動くと麻酔の加減で気分が悪くなることがあるから、それと動くと傷口も痛んだりするからね」と。看護婦さん達も入れ替わり立ち代り同じことを言っていく。明日もあるので4:00頃帰宅した。帰ると忙しい日々が続いていたので、すべての殻を脱ぎ捨て、食事も適当、出来るだけ気をぬき、ヒロクニさんの前ではしない、なりふりかまわず生態で、寝そべっていた。

そんな時に電話が鳴った。
ヒロクニさんが、「今直ぐ来て」。と電話口で言っている。「看護婦が俺を滅茶苦茶にするんだよ」。「部屋を移すとか言って」。看護婦さんに「おい、その荷物は・・・・。くそぉ。」と言っている。何が起こっているかわからない。だけど病院から電話をかけているという事は?とハットした。「もしかして・・・、電話をかけてるということは起きて歩いているということ?」と聞いた。「そうだよ」。そして続けていうことには「こういう時に君がいないと困るんだよ。今から来て。」このままでは、看護婦にメチャメチャされるそう。ヒロクニさんには、看護婦が鬼のように見えてるのだろう。しかし、「明日、10:30に行く」。と言い張った。

明日の朝
看護婦さんにまず会い、話しを伺うと、服まで着替えて、歩いていたらしい。点滴もつけていたのに、どうやってその服が着れたのかわからない程、器用に着替えたらしい。それで、ビックリした看護婦さん達は、ヒロクニさんが動いたら分かるように、センサーをつけ、ナースステーションの近くに、つまり見張れるように移したということが分かってきた。

それでも、好物のイチゴを細かく切って、口に入れてあげたりして「とにかく気分良くなってもらわないと」と思い、ヒロクニベービーと心に思いながら横に寄り添っていたが、だんだんわたしは、帰りたい気持ちが大きくなって、悪魔のようなことを口走た。
「痛い、痛いって言って、動いたせいじゃない。こんな軽い手術で我慢出来ないのか?ボギー(ハンフリー・ボガード)は、病気に対しても大人で、本当にハードボイルドな人だったんだよ。見習おうと思わんのかねぇ。そんなたいしたことない手術で、弱音を吐くなんてみっともない。ソーイエバ、わたしが突発性難聴で入院した時は、1回しか見舞いに来なかったわよね。その上、退院するときも来てくれなったわよね。」
返事は、「僕はボガードじゃない。弱虫だ。」「君、いつ入院してたの?」「突発性難聴の時の仕返しを今、僕にするの?」わたしは、喧嘩の糧のような返事を聞いて「そう、今しかえしをする」と言い、理論もどうでもよくなって、ヒロクニさんがごねてるのと変わらないわたしになった。なんか必死で帰りたかったのだ。子供の喧嘩みたいに、「おまえのかあちゃん、でべそ」と言われて「ムカァ~!!」と、わけも分からず腹立つというわけで、喧嘩内容のレベルの低いコト。子供と同じ。お互いレベルの低いコト。こういう喧嘩のことを、夫婦喧嘩は犬も食わないとはこのことかもと思い、4:00頃帰った。帰り際に、看護婦さんにお詫びを言い、「松村さんは、どんな絵を描かれるのですか?」とか「芸術家なんですね」と言ってあげてくれますか?そうしたら、扱いやすくなると思いますとお願いをして帰った。

ヒロクニさんは、いつもナースステーションの横の部屋が、指定部屋である。

その日、わたしは泥のように眠った。



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3 コメント

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う~~~~ん(・・;) (yoko.inoue)
2011-04-24 01:06:07
本当に大変ですね。
私の父も入院すると、看護婦さんとトラぶったり、色々問題起こして、病院行きたくなくなります。でも、私は一人娘で母(つまり彼の妻)は24年前に亡くなってるし、彼には他に頼れる者はいないわけで、逃げるわけにもいかず・・ヒロクニせんせほどではないかもと思いながらもかなり近いものがあって、すご~~く気持ちがわかります。
ちょっとでも自分を解放できる時間がさほりさんに持てますように!
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優しいヨーコさま (さほり)
2011-04-24 22:31:33
コメントありがとうございます。よう子さんのお父様がよう子さんに面倒をかけるのも、ヒロクニさんが面倒をかけるのも、基本は寂しいのだと思います。理屈じゃなくって、男性は女性より寂しい存在なのだと思います。病院内でみっともない喧嘩をしたのは初めてでした。そう思うと、最近はあまり喧嘩していませんでした。
今は、何故か仲良くしているのです。たぶん、ヒロクニさんは普段、絵の事で頭が一杯で、根にもたないからかもしれません。喧嘩しては、仲直りの繰り返しです。
今から思うと、わたしも案外、思ったとうりの行動を人(ヒロクニ)がしてくれないと嫌で、う~ん、言いかえると自分の思うとおりに人がならないとイライラする我侭人間かもしれないとも思えてきます。ヒロクニさんの我侭の中に、自分自身の我侭が鏡のように写るときがあるような気もします。
ある人から言われたのですが、人を在るがまま受け入れるのが下手なのだそうです。
この言葉の真の意味を問うて見ています。
よう子さん、暖かい励ましとアドバイスありがとう。何か見守ってくださっているようで嬉しい気持ちがしました。思っていること長々と書いてしまいましすいません。これって返事になっているかなぁ?自分自身を振り返っているだけの返事だったらごめんなさい。妄想の返事を書いてるような気もするのです。
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(⌒▽⌒) (正太郎)
2011-04-25 08:40:41
はっはっは、けだものヒロの真骨頂ですね。まだまだ長生きと見た。そういえば、僕が入院したときもナースステーションが前にあった。看護師達にヤバいと人と思われてたのかな?
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