武内 ヒロク二

このブログは、武内ヒロクニの絵の紹介や、家での出来事を妻が語ります。
日々、徒然。

焼き芋の巻

2009-09-13 00:09:28 | Weblog
毎日新聞夕刊(東京都内版)2007年3月27日(火)掲載のえ

焼き芋は、実は、生焼け。

ヒロク二さんは、大きなさつま芋を買ってきた。1.5キロ~2キロもありそうなさつま芋を。「なんでこんなに大きいの?」と聞いてみた。近所のスーパーがたまたま大きなさつま芋ばかり売っていたらしい。ヒロク二さんは、さつま芋を洗い、ふきんでしっかり水分をとり、きっちと3つのさつま芋を並べて正座して眺めている。庭には、枯葉や小枝を集めて焼く準備をしていたら、ダイオキシンが出るとかで注意されてしまい、しょうがなく火を消した。というわけで、実は、このさつま芋は生芋です。

漫画「美味しんぼ」の原作者の雁屋哲さんの思い出は、たき火の中に放り込んで焼いた焼き芋。雁屋さんが10歳くらいのころは、自分の家でも道路でもどこでもたき火ができたから、姉と弟の3人でするたき火がとても楽しみだったいいます。たき火の焼き芋はなんて言ったって待ち焦がれる良さ。焼き芋が焼けたか焼けないかは、棒を突き刺してみる。慌てて出すとゴリゴリ、下手すると黒こげ。しかし、うまくいった時の美味しさはたまらない。うまくかどうかは、それは「運」と語ります。

ヒロク二さんの思い出、さつま芋で動く車?
ヒロク二さんの思い出は、食としての思い出ではなく、車の油としてのさつま芋がある。子供の頃のおもちゃに小さい乗り車を持っていたのだそうです。坂道なんかを乗って下っていくとスリルのある小さい子供の車。昭和12年生まれだということを考えると、昔のお坊ちゃんだ。「子供の頃、半ズボンだった?」と聞くと「半ズボンだった」と迷わず答える。その頃のお坊ちゃんは、必ず半ズボンで、お坊ちゃんでないのは、ボロをまとい粗野なガキで傍目にもすぐ分かる時代だ。中身より外見がよく物語る時代だ。そんな時代にその小さな車を乗っていたら、羨望の的で視線が集まるのだそう。ヒロク二さんも気まぐれで、乗せてあげたり、乗せなかったりしたらしいが、その車は手作りで、木で出来ていて、車輪が回る部分は、クッション兼油の役目としてさつま芋が詰められていて、そのさつま芋が汁が出て小さくなってしまうと終わりという車だったそう。その車にさつま芋を詰めるのが難しく、毎回の作業は子供には大変だったらしい。大人も「ヒロク二のこの車に詰めるさつま芋の加減が難しくてのう」と毎回言っていたらしい。わたしは、さつま芋を詰めるという発想が凄いと思ったが、それと同時に車輪のところから、さつま芋が飛び出たり、汁がぐちゃぐちゃ出てくる様子を思い浮かべると、東南アジア、暑い所の人達の発想のだと思いました。ある日、乗っているとバラバラになってしまい、姿形もメチャクチャなってしまったそうです。悲しむわけでもなく、「あ~ぁ」で終わり。暑い国の人って、ぬけてる。



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