第4詩集。120頁に28編を収める。
誰でも生まれて初めて見る空というものはあるわけだが、あまりに幼すぎて覚えてはいない。しかし、「はじめての空」は一人一人に必ずあったわけだ。
空は
きっと ここにしかないのだろうね
ここにやってくる前に
私は 空をどこにもみなかったのだから
母は あかんぼうの私を抱いて
夏が何度もおとずれたように
眩しい空をみあげていたのだろうけれど
どこまでも青く高い夏空が目に浮かぶようだ。母にとっては夏空はありふれたものだったわけだが、”はじめての空”を見るあかんぼうを抱いていることによって、母にとってもはじめての空になったことだろう。生きてきたことの大切さが、懐かしさと共に改めて思われる作品。
誰にともなく「もう一度 尋ねてください」と語りかけている「返事」は、自分が感じて用意した答えを確かめようとしている作品。
もう一度 尋ねてください
身を屈め 私に問いかけた人が誰であったのか
問われたことが何であったのか
風がとうに消し去ってしまったけれど
遠い日のひざしのなかに
今も 幼い女の子がひとり
返事を一つ 大切に胸に抱いて立っています
「尋ねられたことには/一つのこらず答えていきたい」のだという。そのことによってこれまでの自分を確かめ、今の自分にたどり着きたいのだろう。
柔らかな感性が静かなもの言いであふれてくる詩集である。
誰でも生まれて初めて見る空というものはあるわけだが、あまりに幼すぎて覚えてはいない。しかし、「はじめての空」は一人一人に必ずあったわけだ。
空は
きっと ここにしかないのだろうね
ここにやってくる前に
私は 空をどこにもみなかったのだから
母は あかんぼうの私を抱いて
夏が何度もおとずれたように
眩しい空をみあげていたのだろうけれど
どこまでも青く高い夏空が目に浮かぶようだ。母にとっては夏空はありふれたものだったわけだが、”はじめての空”を見るあかんぼうを抱いていることによって、母にとってもはじめての空になったことだろう。生きてきたことの大切さが、懐かしさと共に改めて思われる作品。
誰にともなく「もう一度 尋ねてください」と語りかけている「返事」は、自分が感じて用意した答えを確かめようとしている作品。
もう一度 尋ねてください
身を屈め 私に問いかけた人が誰であったのか
問われたことが何であったのか
風がとうに消し去ってしまったけれど
遠い日のひざしのなかに
今も 幼い女の子がひとり
返事を一つ 大切に胸に抱いて立っています
「尋ねられたことには/一つのこらず答えていきたい」のだという。そのことによってこれまでの自分を確かめ、今の自分にたどり着きたいのだろう。
柔らかな感性が静かなもの言いであふれてくる詩集である。
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