第4詩集。73頁に14編を収める。
ほとんどの作品では、短い詩行がぽつんぽつんと切り離されたように提示される。書き表される物事の関係や説明をすべて省いて、思いがたどりついたことだけを書きつけているようだ。だから、ほとんどの作品では、なぜ、ここにこの言葉が置かれたのかはわからずじまいである。その状態で作品を読んでいくことになる。
たとえば「柵」では、丘の柵がのび、その隙間を通るうさぎがいて、羊の目の色が気になり、少女が駆けていったりする。そして柵の状態は、「長い/長くなってきた//全景だ」と極点に達する。説明が省かれているだけに読み手の自由なイメージが試されるようだ。
「バーメイド」は、「小松菜をゆでた大鍋に/小さいけれど黒い殻がある」と、かたつむりのことが詩われる。「黄色い手袋を/はめて/ジャングルをつきぬける道はこの先にある」と言われても、かたつむりにとっての意味なのか、まったく離れた視点での意味なのかは不明である。
シャンペンをあけてちょうだい
ハイビスカスの髪かざり
何度歩いてもわかる
やわらかな土だから
裸足で行って
(後半部分)
主語があいまいなままの詩行をたどるうちに、意識はかたつむりなのか、それともそれを超えたものになっているのか、混沌としてくるのだが、その感覚は意外に心地よい。
ほとんどの作品では、短い詩行がぽつんぽつんと切り離されたように提示される。書き表される物事の関係や説明をすべて省いて、思いがたどりついたことだけを書きつけているようだ。だから、ほとんどの作品では、なぜ、ここにこの言葉が置かれたのかはわからずじまいである。その状態で作品を読んでいくことになる。
たとえば「柵」では、丘の柵がのび、その隙間を通るうさぎがいて、羊の目の色が気になり、少女が駆けていったりする。そして柵の状態は、「長い/長くなってきた//全景だ」と極点に達する。説明が省かれているだけに読み手の自由なイメージが試されるようだ。
「バーメイド」は、「小松菜をゆでた大鍋に/小さいけれど黒い殻がある」と、かたつむりのことが詩われる。「黄色い手袋を/はめて/ジャングルをつきぬける道はこの先にある」と言われても、かたつむりにとっての意味なのか、まったく離れた視点での意味なのかは不明である。
シャンペンをあけてちょうだい
ハイビスカスの髪かざり
何度歩いてもわかる
やわらかな土だから
裸足で行って
(後半部分)
主語があいまいなままの詩行をたどるうちに、意識はかたつむりなのか、それともそれを超えたものになっているのか、混沌としてくるのだが、その感覚は意外に心地よい。