瀬崎祐の本棚

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雨期  50号  (2008/02)  埼玉

2008-03-30 22:52:32 | 「あ行」で始まる詩誌
 「初冬」荻悦子。なにか、人との関係にわだかまりがあったようで、訪れた場所で高みに登っている。わだかまりが気持ちを暗くしているようなのだ。訪れた場所で気持ちがいくらかでも晴れるかとも思っていたようなのだが、そんなことにはならなかった。

   場所が悲しい
   ということはあるだろうか
   どこまで歩いても
   悲しみは人に属するもの

 鐘の音を聞いている。暗い気持ちばかりが取り残されていく。どこか、異国の地のようにも思えるが、訪れる場所は、その人にとってはいつも異国なのだろう。

 50号を記念して、「わたしの転機」という自由記載のアンケートを行っている。このような設問に福間健二氏、小柳玲子氏などの真正面から答えているものが興味深かった。また、鈴木東海子氏が「どのように考えてみましても転機はありませんでした」と答えているのも、すごいことだ。
コメント
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