瀬崎祐の本棚

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折々の  13号  (2008/03)  広島

2008-03-20 08:36:39 | 「あ行」で始まる詩誌
 「風景」正本忠臣。なにか、映画のシーンをたどっているような印象の作品。子供が駆けていくのは枯れ草の野原なのだが、そこでは屋根が崩れ落ちたり、手術台が置かれたりしているのだ。場面が脈絡もなく展開していき、その風景の中を子供がただ駆けていくのである。

   その風景の
   右端から 左の端へ
   子供が一人
   ひたすらに駆け抜けて行くと
   風景もまた
   いつまでも子供を追っている

 はて、この風景とはなんだろう。見えるものに意味を探すことは不要なのかもしれない。見えるものはただ見えているのであり、実は、私たちが見えるものを選び取っているのだろう。だから、私たちもまた風景に見られているのだ。
コメント
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