映画 Film221 『花のあと』

隊長が、これまでに鑑賞した「映画」を紹介するシリーズの第221作品目は、『花のあと』をお送りします。

 

 

『花のあと』は、2010年3月13日に公開された時代劇映画。配給は、東映。上映時間は、107分です。

尚、「隊長のブログ」では、時代劇映画を、これで14作品を紹介したことになります。詳細は、こちらの一覧をご参照下さい 。

 

原作は、藤沢周平の同名の短編時代小説。

藤沢周平さんの小説が映画化された作品は、『たそがれ清兵衛』 、『隠し剣 鬼の爪』 、『武士の一分』 の三本を、これまでに取り上げています。

監督：中西健二。

主演は、北川景子。

 

 

「隊長のブログ」で紹介した、北川景子さん出演作品の記事一覧は、こちらです 。

 

共演者：甲本雅裕（こうもと まさひろ）、宮尾俊太郎、市川亀治郎（現・猿之助）、柄本明、國村隼（くにむら じゅん）、ほか。

語り：藤村志保。

 

あらすじ：女でありながら男顔負けの剣術の腕を持つ以登（北川景子）は、満開の桜の下で、羽賀道場の高弟・江口孫四郎（宮尾俊太郎）に声をかけられます。父・寺井甚左衛門（國村隼）に剣の手ほどきを受けた以登は、羽賀道場の二番手、三番手を破るほどの剣豪でしたが、孫四郎とは未だ剣を交えたことはありませんでした。

父に孫四郎との手合わせを懇願し、それが実現した以登は、竹刀を交えた孫四郎に一瞬にして恋心を抱きます。しかし、以登、孫四郎ともに決まったいいなずけがおり、以登はひそかな思いを断ち切って江戸に留学中のいいなずけの片桐才助（甲本雅裕）の帰りを待ち続けます。

数か月後、藩命で江戸に向かった孫四郎が、自ら命を絶ったという知らせが入りますが、真相は。。。

 

 

感想：桜の季節から始まった物語、四季の情景を入れることで歳月を表現し、桜の下で物語が終わります。日本映画は、四季の光景を入れることで、叙情的な作品を作り上げられるという利点がありますね。

藤沢周平さんの小説の特徴である「下級武士の悲哀」が、美しい情景とともに見事に描かれています。真の武士とは、市川亀治郎演じる藤井勘解由のような人物ではなく、孫四郎や才助のような人間を言うのでしょう。真の武士には、武士ではなく、志（こころざし）を持った、“武志” の漢字の方が相応しいのでは、ないでしょうか。

キャストでは、現代ドラマの印象が強い北川景子さんが、見事に、江戸時代の女剣士を演じています。立ち回りシーンも、美しいです。

現役のプリンシパル（最高位ダンサー）でありながら、最近では 『カンパニー～逆転のスワン～』   など、ドラマでも活躍する宮尾俊太郎さんですが、この作品は俳優としても出演し始めた初期の作品です。さすが、バレリーナ、立ち姿や歩き姿が背中に一本棒が入っているような真っ直ぐで、隙がありません。

この二人を、ベテラン俳優陣が包み込むように演じています。

一青窈（ひとと よう）の主題歌「花のあと」も、映画の雰囲気にピッタリで素敵です。

 

 

 

 

==「映画」バックナンバー ==
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Film1～205  省略

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