隊長のブログ

元商社マン。趣味:ヒップホップダンス、ジャズダンス、日舞(新舞踊)、旅行、映画、スポーツ観戦。阪神タイガースのファン。

テレビ Vol.499 『ファミリーヒストリー 「2022年2月~8月放送ピックアップ」』

2022年09月08日 | テレビ番組

隊長が観賞した「テレビ番組」を紹介するシリーズの第499回は、『ファミリーヒストリー2022年2月~8月放送ピックアップ」』をお送りします。

 


『ファミリーヒストリー』は、NHK総合テレビで、現在は、原則月一回、月曜日の19:30~20:42に放送されているドキュメンタリー番組。初回放送は、2008年10月1日ですので、14年近く続いている長寿番組です。


この番組では、著名人の家族の歴史を本人に代わって徹底取材し、本人も知らない家族の秘話を紹介します。VTRを初めて見たゲストは、何を感じ、何を語るのか。それは自らの「アイデンティティ」や「家族の絆」を見つめることにつながります。驚きあり、涙ありのドキュメントです。


現在のレギュラー出演者は、今田耕司とNHKアナウンサーの浅野里香。ナレーションは、余貴美子(よ きみこ)。

 


人気があり、長寿番組になっている理由は、著名人の「ファミリーヒストリー」を知りたいという好奇心だけではなく、視聴者が自身の家族のルーツに関心があるからではないでしょうか。


好きな番組なので、「隊長のブログ」では、これまでに、18組のファミリーヒストリーを取り上げています。詳細は、こちらの記事一覧をご参照下さい 。

 

 

今回は、今年2月から8月に放送された中から、ゲスト五人の「ファミリーヒストリー」の感想を述べてみます。

 


2月28日(月)の放送では、「前川清~苦難の中で祈りをつなぐ~」と題して、歌手・前川清の家族の秘話が、紹介されました。

 


番組では、前川清さんのルーツは父方・母方ともに現在の長崎市外海地区にあることが判明しました。江戸時代、ひそかにキリスト教の信仰を続けた「潜伏キリシタン」が多かった場所です。果たして清の先祖は? 祖父と父は、腕利きの大工で、長崎の造船所で働いていました。


昭和16年(1941)、父は招集され満州へ。帰還すると「人が変わっていた」といいます。戦地で何があったのか。。。母は生涯、困っている人に、無償の親切を続けました。葬儀には会場からあふれるほどの人が訪れたといいます。


前川清さんの先祖が、「潜伏キリシタン」だったとは、意外です。お母様も、息子が有名人になったことに奢ることもなく、生涯キリシタンとして、徳を積み重ねていたことに、感嘆しました。


お父様が浪曲家志望だったことと、清さんの独特のしゃくり上げるような歌い方が、関係ある気がしました。幼い頃、父の浪曲を聞いて育ち、浪曲の節回しが彼の歌唱法に繋がったのでしょう。

 

 

3月21日には、能楽師・俳優の野村萬斎(まんさい)が登場。「野村萬斎~次世代に信念をつないで~」のタイトルで、放送されました。

 


野村萬斎さんの父方のルーツは、金沢市にありました。酒造りを営む家に生まれた江戸時代の先祖が、芸事が好きということもあって狂言師となります。その子孫たちは幕藩体制の崩壊や世界恐慌、戦争といった危機の中で狂言を守り、次世代へ伝えていきました。


母方の先祖をたどると、徳川家に仕えた武将に行きあたりました。曽祖父は県知事や名古屋市長を歴任。祖父は詩人で文学者の阪本越郎。教科書にも詩が掲載されました。戦後は、童話アンデルセンを翻訳し、子どもたちに届けました。


野村萬斎さんに、印象で強く残っているのは、1997年度前期NHK朝ドラ  『あぐり』  での、望月エイスケ役です。


俳優としてでなく、本業の能楽師としての活躍されていますが、この番組では、萬斎さんのお父様・野村万作さん、息子さんの野村裕基さんも登場し、伝統芸能を守る重責も感じました。

 


4月18日放送のゲストは、俳優の安田顕。「安田顕~辛抱強く前向きに 困難を越えて~」と題して、ファミリーヒストリーが紹介されました。

 


安田顕さんは、北海道室蘭市の出身。今回の取材で先祖たちが、北海道に渡った経緯が明らかになりました。父方の祖父は、秋田県生まれ。豊かな生活を夢見て室蘭の製鉄所で働きますが、太平洋戦争など次々と苦難に見舞われます。


母方の祖父は夕張で商売をしていましたが、炭鉱の斜陽などで破産を余儀なくされます。ともに貧しい境遇で育った顕の父と母。前向きに生きる姿にひかれあったといいます。二人で必死に働き、必死に子育て。明るい家庭で息子たちの個性が育まれました。

 

 

7月25日(月)の放送では、「柔道家・野村忠宏 ~金メダルへの種を残した二人の祖父~」と題して、柔道家・野村忠宏の家族の秘話が、紹介されました。

 


野村忠宏さんの五輪三大会連続金メダルという偉業の礎は、先祖譲りの心と体でした。父方祖父は、農業をしながら町道場を開き、晩年まで柔道を教えていました。野菜を近所に配るなど人育て人助けを生涯大切にしました。


母方祖父は、旧満州に渡り、終戦後シベリアに抑留。凄絶な日々を送り、無念の死を遂げていたことが明らかになります。生前は足が速いと評判をとった祖父。その運動神経を受け継いだ忠宏の母は、競泳で五輪代表候補になったという。

 

 

8月15日には、俳優の大森南朋(なお)が登場。「大森南朋 ~我が道を歩いた 先祖たちの背中~」のタイトルで、放送されました。

 


大森南朋さんの父方の先祖は、加賀藩前田家の筆頭家臣に仕えた武士。祖父は、海軍の参謀まで務めた軍人でした。激戦地で壮絶な最期を遂げていました。その子で南朋の父・麿赤兒(まろ あかじ)は母も病に倒れ、親を知らずに育ちました。唐十郎(から じゅうろう)との出会いやアングラ劇団時代の秘話も、明かされました。


母方の曽祖父は、日本で初めて普通選挙運動をした団体の幹部。さらに講談本を編集して出版し、芥川龍之介にも影響を与えました。母は、新宿の名物喫茶「風月堂」で“女王”と呼ばれた女性でした。常識にとらわれない生き方を貫いた女性です。


大森南朋さん、ドラマ  『私の家政夫ナギサさん』  や、『ちむどんどん』  では、穏やかな性格の人物を演じていて、そのイメージが強いですが、お父様が、怪演俳優・舞踊家の麿赤兒さんですから。。。


子供の頃には、家庭を顧みない父親で、麿さんに対して複雑な感情を持っていたでしょうが、今では、日日是好日』  でメガホンを握った映画監督・大森立嗣(たつし)さんを含め、親子三人で幸せな交流を重ねている様子も、番組で窺えました。


『ファミリーヒストリー』では、ほぼ毎回、ゲストの家族が太平洋戦争に翻弄されたヒストリーが放送されますが、終戦記念日の8月15日に放送された今回は、通常よりも長く時間を割き、テニアン島で自決した祖父の海軍大佐・大森潤一さんの生涯が語られました。

 

尚、『ファミリーヒストリー』の次回放送は、9月7日現在未定です。

 

 


==「テレビ番組」 バックナンバー ==
https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/c/17de26ad35859fd865f52645aba1b27d

Vol.1~485 省略。

Vol.486 2022/5/18 『A-Studio+「2022年1~4月放送ピックアップ」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/ee66fdae7c1adbd279712a630a70d83c

Vol.487 2022/5/27 『ドラマ「マイファミリー」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/bcbc11abaf022d9a5761e897224ff20f

Vol.488 2022/6/1  『ドラマ「元彼の遺言状」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/5b6345e526861db459590c8d6c992d33

Vol.489 2022/6/6  『ドラマ「インビジブル」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/2c0c4ee13b7bf7fe042dd1535b8c6cb5

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Vol.493 2022/7/24 『朝ドラ「ちむどんどん」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/d36dc241b12bdf34b49a5c4cc87e5c15

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