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隊長のブログ

元商社マン。趣味:ヒップホップダンス、ジャズダンス、日舞(新舞踊)、旅行、映画、スポーツ観戦。阪神タイガースのファン。

本と雑誌 48冊 『森鴎外 「山椒大夫・高瀬舟」』

2019年09月17日 | 本と雑誌

隊長が読んだ「本と雑誌 」を紹介するシリーズの第48回は、『森鴎外 山椒大夫・高瀬舟』をお送りします。


明治時代の文豪・森鴎外の小説「高瀬舟」と「山椒大夫」を、数十年ぶりに読み返しました。


「高瀬舟」は、中学校の時、国語の課題図書で、確か読書感想文を書かされた記憶があります。


「山椒大夫」は、挿絵付きの児童書で、読んだと思います。


何十年ぶりかで、森鴎外の著書を読みたいと思ったきっかけは、TBSのバラエティ番組『ぴったんこカン☆カン』⇒ http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/cd41ee2da1249822b60889d81e7150f4


6月7日の放送で、元フジテレビアナウンサーの近藤サトさんが、中学三年生になった芦田愛菜ちゃんに、名作「高瀬舟」の朗読法を伝授する企画です。


名子役と呼ばれる芦田愛菜ちゃん、「高瀬舟」を上手に読みますが、近藤サトさんの朗読を聴くと、情景が浮かび上がってきます。まさに、“行間を読む”が如くでした。


人生の経験を積み重ねて来た近藤サトさんが読む「高瀬舟」と、中学生の芦田愛菜ちゃんが読む「高瀬舟」。中学時代の自分が読後感と、現在の自分の読後感を確かめたくなりました。


選んだ新潮文庫には、「山椒大夫」も収録されていました。


「高瀬舟」の内容は、弟殺しの罪で島流しにされてゆく男と、それを護送する同心との会話から安楽死の問題提起がなされています。


中学校時代、どんな読書感想文を書いたのか迄は、全く覚えていませんが、おそらく、ありきたりの感想だったのでしょう。


この年になって読み返すと、島流しの男の気持ちも、同心の気持ちも分かる気がします。安楽死に関しては、5年前に書いています⇒ http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/20809e396f98161369120afe67baab0e


様々な思いを抱きながら、「高瀬舟」を再読しました。


「山椒大夫」は、人買いのために引離された母と姉弟の受難の物語です。


児童書で読んだ時は、ただ悲しい物語だとしか感じなかったと思います。


再読してみて、母の子を想う気持ち、子が親を恋しがる気持ち、姉弟それぞれの相手に対する思いやり、が分かる年になりました。ただの悲劇としてでなく、犠牲の意味を問う作品として読み返すことが出来ました。


尚、新潮文庫版「山椒大夫・高瀬舟」の発行は、(株) 新潮社。発行日は、2010年8月16日。価格は、529円(税込)です。


===「本と雑誌」バックナンバー ===
http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/c/dc30502bb229b843454e38b8994f9be0

1~35冊  省略

36冊 2018/2/3  『篠原ともえ「御朱印をはじめよう」』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/d1c8862364add0563c147d7f383bc13b

37冊 2018/2/11 『七福神の謎』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/55b58e54afffe373e69649d2c65cdddc

38冊 2018/3/17 『ん-日本語最後の謎に挑む』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/4892698c255d0e922d4a5c8860453de3

39冊 2018/5/4  『司馬遼太郎「街道をゆく 本郷界隈」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/49ab040735f970ba1d3440835b38ccbc

40冊 2018/7/9  『香梅の門―桜田志士外伝―』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/a7e483c1c14da2bae314b9728a1d1a47

41冊 2018/11/18『上海の中国人、安倍総理はみんな嫌いだけど8割は日本文化中毒!』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/caa4fb69631a759fae89a59a622711e8

42冊 2019/1/6  『SAKIMORI』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/3b8d6573a2a3ca238ffcf715cfc16e4f

43冊 2019/1/28 『演劇とはなにか』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/fb2b24afd8e949f1504e7d8a707b395e

44冊 2019/3/21 『林真理子「最終便に間に合えば」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/4ed2c3cc4f363616dac47d66a9155226

45冊 2019/4/29 『五木寛之「金沢あかり坂」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/63df50584ec0b5be41f86c16edc4f711

46冊 2019/6/2  『沢田研二と阿久悠、その時代』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/901be9ea36c2f3065af05e6dc904b6e2

47冊 2019/6/27 『男のきもの入門』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/a90f9c9c43226a05d7ea4ec327a0cdce

 

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本と雑誌 47冊 『男のきもの入門』

2019年06月27日 | 本と雑誌

隊長が読んだ「本と雑誌 」を紹介するシリーズの第47回は、『男のきもの入門』をお送りします。


何度か記事にしていますが、去年の正月から日本舞踊を習い始めました⇒ https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/7aece39357f9c177fb08cf3ab6ac6ebd


その為、浴衣を稽古で着たり、着物姿で舞台上で踊る機会が多くなりました。 


それまで、着物には全く興味を持っていなかったので、自分で着付は勿論出来ませんし、知識も殆どありません。羽衣会に、男性は隊長だけなので、なかなか男の着物に関して知識が豊富な方も周りにはいません。


入門書を探していたところ、目に付いたのが本書です。表紙に「初心者必見 きものを手軽に、粋に着こなす」と記載されています。


この本には、「知っておきたい着物の基本」として、きものの種類を説明してくれるだけでなく、帯、襦袢(じゅばん)、肌着、羽織、羽織紐、袴(はかま)、足袋、履物、など付属品も丁寧に教えてくれます。


さらに、着物の着付け、着物のたたみ方など、130数ページの中に、写真も実に豊富で、男の着物の基礎知識を解説してくれています。


特に役に立ったのは、隊長も着ることのある「袴」についての説明です。これまで、“ズボン袴”と覚えていたのが、正式には「馬乗(うまのり)袴」、“スカート袴”は「行灯(あんどん)袴」と呼ぶことを知りました(恥ずかしい


ただ、着付け、たたみ方は、本を読んだだけで身に付くほど、簡単ではないと思います。


男性用着付教室の情報は、これまで入手出来なかのですが、本書に載っている教室に通ってみようかなとも思っています。


尚、「男のきもの入門」の発行は、(株) スタジオ タック クリエイティブ。発行日は、2010年8月16日。価格は、1,900円+税です。

 

===「本と雑誌」バックナンバー ===
http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/c/dc30502bb229b843454e38b8994f9be0

1~35冊  省略

36冊 2018/2/3  『篠原ともえ「御朱印をはじめよう」』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/d1c8862364add0563c147d7f383bc13b

37冊 2018/2/11 『七福神の謎』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/55b58e54afffe373e69649d2c65cdddc

38冊 2018/3/17 『ん-日本語最後の謎に挑む』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/4892698c255d0e922d4a5c8860453de3

39冊 2018/5/4  『司馬遼太郎「街道をゆく 本郷界隈」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/49ab040735f970ba1d3440835b38ccbc

40冊 2018/7/9  『香梅の門―桜田志士外伝―』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/a7e483c1c14da2bae314b9728a1d1a47

41冊 2018/11/18『上海の中国人、安倍総理はみんな嫌いだけど8割は日本文化中毒!』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/caa4fb69631a759fae89a59a622711e8

42冊 2019/1/6  『SAKIMORI』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/3b8d6573a2a3ca238ffcf715cfc16e4f

43冊 2019/1/28 『演劇とはなにか』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/fb2b24afd8e949f1504e7d8a707b395e

44冊 2019/3/21 『林真理子「最終便に間に合えば」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/4ed2c3cc4f363616dac47d66a9155226

45冊 2019/4/29 『五木寛之「金沢あかり坂」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/63df50584ec0b5be41f86c16edc4f711

46冊 2019/6/2  『沢田研二と阿久悠、その時代』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/901be9ea36c2f3065af05e6dc904b6e2

 

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本と雑誌 46冊 『沢田研二と阿久悠、その時代』

2019年06月02日 | 本と雑誌

隊長が読んだ「本と雑誌 」を紹介するシリーズの第46回は、『沢田研二と阿久悠、その時代』をお送りします。

 


この本は、1960年代後半に、グループ・サウンズ「ザ・タイガース」のリードボーカルとして絶大な人気を誇り、その後は、ソロ歌手、俳優として活動している沢田研二 (ジュリー)。最近では、昨年10月のコンサートドタキャン騒動が注目された、そのジュリーの評伝です。

 

構成は;

プロローグ

 

第一章 沢田研二・阿久悠論

序文・「どうせ人の世はさようなら どうせ分かれだけあるんだと」(グッバイ・マリア」より)
「あなたに今夜はワインをふりかけ」 沢田研二、阿久悠の出会い
『思いきり気障な人生』『勝手にしやがれ』への道
『ラム酒入りのオレンジ』 多国籍な歌詞と、立ち位置の葛藤と
『時の過ぎゆくままに』歴史を紡いだ一曲
『カサブランカ・ダンディ』 気障に生きる男の苦しみ
『お前のハートは札つきだ』75~77年の快進撃を
『立ちどまるなふりむくな』 ケンカ備忘録
『ヤマトより愛をこめて』 沢田研二に永遠の愛を
『勝手にしやがれ』 金字塔をもう一度
『憎みきれないろくでなし』 売上げの狭間で
 再び『時の過ぎゆくままに』 ドラマと阿久悠と沢田研二
『きわどい季節』 加瀬邦彦さんをもう一度
『お嬢さんお手上げだ』 安井かずみさんとジュリーを語ろう
『ダーリング』 大野克夫、阿久悠そして沢田研二
『デビューは悪女として』 映画『Mishima』 沢田研二と三島由紀夫
 そして阿久悠
「さよならをいう気もない」 永遠の別れと未来の中で
 エピローグ


第二章 アルバム評・コンサート評

沢田研二の活動、歌詞から改憲論争を考察する
オバマ大統領の広島演説/『我が窮状』/東日本大震災、福島から生まれたプロテストソング/「沢田研二」から戦後を考察する必要性
*沢田研二ライブレポートアーカイブス『こっちの水苦いぞ』
2015年9月21日:河内長野市ラブリーホール
* 沢田研二『祈り歌 Love Song 特集』 ライブ評 2017年1月8日:NHKホール
*沢田研二50 周年記念LIVE2017~2018 8月5日:オリンパスホール八王子ライブ評
*沢田研二新譜『OLD GUYS ROCK 』評
*沢田研二『OLD GUYS ROCK』 オリンパスホール八王子ライブ評


第三章 インタビュー・解説編

インタビュー 1 代々木公園が米軍キャンプだった時代から沢田研二までの物語  猪瀬直樹(作家・元東京都知事)
インタビュー 2 カッコイイジュリー  加藤充(元ザ・スパイダース・ベーシスト)
解説 伝統回帰 阿久悠と沢田研二  三浦小太郎(評論家)

あとがき


著者の秋山大輔さんは、1976年神奈川県生まれ。大学卒業後から文筆業を開始。音楽、政治、歴史、文学等を研究しています。


隊長にとって、評伝の著者と言えば、対象となる人物と同時代を生き、本人と親しいとか、インタビューをしたことのある印象が強いです。例えば、『テレサ・テンが見た夢』 ⇒ http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/003c34225930ed81542e35caf5ec30fc の著者・平野久美子さんは、テレサ・テンと親しく、何度かロングインタビューを敢行しています。


これに対して、秋山大輔さんは、1948年生まれのジュリーより28歳も若く、この本の中でも「沢田研二全盛期の記憶は全くない」と書いています。しかし、氏の両親が懐かしの昭和歌謡曲的な番組をよく観ていて、沢田研二のヒット曲が頭に刻まれていたそうです。


全盛期の活躍をライブで観ていたくても、阿久悠を中心に、沢田研二に創作欲を駆り立てられた人々を資料に沿って論じています。巻末の「参考文献」の頁を見ると、実に90近い本・雑誌、CD・DVDを参考にしていることが分かります。


隊長が興味深く読んだのは、「映画『Mishima』沢田研二と三島由紀夫」の項です。沢田研二と三島由紀夫、接点の無さそうな二人ですが、この映画の中で、ジュリーが三島の世界観を完璧に表現していると絶賛しています。


この本を読みながら、YouTubeにアップされている数多の沢田研二の動画のいくつかを、観ていました。「ザ・タイガース」時代の若々しい映像から、ソロになってからのヒット曲を歌う姿、そして最近のツアーの様子まで。中には、現夫人の田中裕子と結婚前にレジャーボートの上で、デュエットする貴重映像や、芸能レポーターとのバトル、等々。


それらを見ながら、やはりジュリーは、あらゆる意味で、昭和・平成・令和に亘る、希代のスターだと思いました。


尚、「隊長のブログ」で、これまでに沢田研二を取り上げたのは、映画『男はつらいよ 花も嵐も寅次郎』⇒ http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/f28d0086acf890738ad7ef195998959e です。


田中裕子の出演する映画、ドラマは、『男はつらいよ 花も嵐も寅次郎』を含む、6作品を紹介しています⇒ https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/c73a9d3c6fb843f050eafab0eca8a03d


また、「ザ・タイガース」の他のメンバーは、瞳みのるの『老虎再来』⇒ http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/4f839d9bbe229dc378239e5811877561 を、取り上げています。


「沢田研二と阿久悠、その時代」の発行は、株式会社牧歌舎。発行日は、2019年3月11日。価格は、1,400円+税です。

 


==「本と雑誌」バックナンバー ==
http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/c/dc30502bb229b843454e38b8994f9be0

1~30冊  省略

31冊 2017/6/10 『るるぶ イタリア '17 ちいサイズ』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/8fd07900803a6cdfe70085b562a20298

32冊 2017/8/10 『八十日間世界一周』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/c75e0f2fd594adf77545d2a35f9501ff

33冊 2017/8/28 『レオナルド・ダ・ヴィンチ』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/4b435fa605fda003839cdeb7e61c2e4d

34冊 2017/9/18 『ルネサンス超入門』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/64ece681b5750e5855d15e681dd79fc0

35冊 2017/11/23『日本100名城めぐりの旅』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/3adfccbb6d4f30113aaba407d0f42297

36冊 2018/2/3  『篠原ともえ「御朱印をはじめよう」』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/d1c8862364add0563c147d7f383bc13b

37冊 2018/2/11 『七福神の謎』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/55b58e54afffe373e69649d2c65cdddc

38冊 2018/3/17 『ん-日本語最後の謎に挑む』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/4892698c255d0e922d4a5c8860453de3

39冊 2018/5/4  『司馬遼太郎「街道をゆく 本郷界隈」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/49ab040735f970ba1d3440835b38ccbc

40冊 2018/7/9  『香梅の門―桜田志士外伝―』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/a7e483c1c14da2bae314b9728a1d1a47

41冊 2018/11/18『上海の中国人、安倍総理はみんな嫌いだけど8割は日本文化中毒!』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/caa4fb69631a759fae89a59a622711e8

42冊 2019/1/6  『SAKIMORI』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/3b8d6573a2a3ca238ffcf715cfc16e4f

43冊 2019/1/28 『演劇とはなにか』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/fb2b24afd8e949f1504e7d8a707b395e

44冊 2019/3/21 『林真理子「最終便に間に合えば」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/4ed2c3cc4f363616dac47d66a9155226

45冊 2019/4/29 『五木寛之「金沢あかり坂」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/63df50584ec0b5be41f86c16edc4f711

 

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本と雑誌 第45冊 『五木寛之 「金沢あかり坂」』

2019年04月29日 | 本と雑誌

隊長が読んだ「本と雑誌 」を紹介するシリーズの第45回は、『 五木寛之金沢あかり坂(ざか)」』 をお送りします。


昭和7年(1932)福岡県生まれの五木寛之さん、昭和40年(1965)から同44年までの四年間を金沢で暮しています。


その五木さんの金沢を舞台にした短編四作を収録しているのが、今回紹介する文春文庫「金沢あかり坂」。


四作品は、掲載順に;

平成20年(2008)発表 「金沢あかり坂」

昭和53年(1978)発表 「浅の川暮色」

昭和45年(1970)発表 「聖者が街へやってきた」

昭和53年(1978)発表 「「小立野(こだつの)刑務所裏」


文庫のタイトルとなっている「金沢あかり坂」のあらずじ:金沢の花街で生まれ育った高木凛は、様々なアルバイトを経て遅咲きの芸妓になる。別れた恋人・黒江透との記憶を引きずったまま失意の日々を送る凛。そんな彼女の心の傷を癒してくれたのは、嫌悪していたはずの父が遺した篠笛を吹くことだった(カバー書きより)。


内容は、前回紹介した林真理子の「最終便に間に合えば」⇒ https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/4ed2c3cc4f363616dac47d66a9155226 と同じく、成功した女性が分かれた男に再会する物語ですが、林真理子さんは、二人の関係を女性作家らしく、冷徹な眼で捉えています。


一方、五木寛之さんは、男性として美化された女性像として主人公を描いているのでは、と感じました。


不思議なのは、美しい古都・金沢を舞台にした愛の物語の「金沢あかり坂」なのに、これまで映画・ドラマ化されたことがないことです。


仮に、映画・ドラマにするとしたら、ヒロイン・凛に相応しい女優さんを考えてみました。古風な顔立ちで、情念を秘めた凛を演じられるのは、35年前でしたら田中裕子⇒ http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/8099bc7c07950720fcb14998b1ee748d 以外に名前が浮かびません。


最近の若手女優さんでしたら、多部未華子⇒ http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/0d6f6fc2e53479f4cb7c3c9949a98d58 が、適任だと思います。


尚、文春文庫「金沢あかり坂」の発行は、株式会社文藝春秋。発行日は、2015年2月10日。価格は、500円+税です。

 

===「本と雑誌」バックナンバー ===
http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/c/dc30502bb229b843454e38b8994f9be0

1~30冊  省略

31冊 2017/6/10 『るるぶ イタリア '17 ちいサイズ』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/8fd07900803a6cdfe70085b562a20298

32冊 2017/8/10 『八十日間世界一周』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/c75e0f2fd594adf77545d2a35f9501ff

33冊 2017/8/28 『レオナルド・ダ・ヴィンチ』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/4b435fa605fda003839cdeb7e61c2e4d

34冊 2017/9/18 『ルネサンス超入門』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/64ece681b5750e5855d15e681dd79fc0

35冊 2017/11/23『日本100名城めぐりの旅』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/3adfccbb6d4f30113aaba407d0f42297

36冊 2018/2/3  『篠原ともえ「御朱印をはじめよう」』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/d1c8862364add0563c147d7f383bc13b

37冊 2018/2/11 『七福神の謎』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/55b58e54afffe373e69649d2c65cdddc

38冊 2018/3/17 『ん-日本語最後の謎に挑む』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/4892698c255d0e922d4a5c8860453de3

39冊 2018/5/4  『司馬遼太郎「街道をゆく 本郷界隈」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/49ab040735f970ba1d3440835b38ccbc

40冊 2018/7/9  『香梅の門―桜田志士外伝―』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/a7e483c1c14da2bae314b9728a1d1a47

41冊 2018/11/18『上海の中国人、安倍総理はみんな嫌いだけど8割は日本文化中毒!』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/caa4fb69631a759fae89a59a622711e8

42冊 2019/1/6  『SAKIMORI』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/3b8d6573a2a3ca238ffcf715cfc16e4f

43冊 2019/1/28 『演劇とはなにか』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/fb2b24afd8e949f1504e7d8a707b395e

44冊 2019/3/21 『林真理子「最終便に間に合えば」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/4ed2c3cc4f363616dac47d66a9155226

 

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本と雑誌 第44冊 『林真理子 「最終便に間に合えば」』

2019年03月20日 | 本と雑誌

隊長が読んだ「本と雑誌 」を紹介するシリーズの第44回は、『林真理子 「最終便に間に合えばをお送りします。

 

 


小説家・エッセイストとして活躍されている 林真理子さん は、数多くの作品を発表しています。


最近では、昨年のNHK大河ドラマ 「西郷どん」 の原作者として話題になりました。

 

 


そんな彼女の作品の中で、5~6年毎に読みたくなる小説が、第94回 (1985年下半期) 直木賞受賞作「最終便に間に合えば」です。内容を忘れた頃には、取り出して読んでいます。


隊長が持っているのは、文春文庫新装版。この短編集には、上記作品以外に、「エンジェルのペン」、「てるてる坊主」、「ワイン」、「京都まで」の4本が収録されています。


「最終便に間に合えば」のあらすじ:世間に注目される新進の造花デザイナーになった美登里は、仕事で訪れた札幌で昔の男と再会する。空港に向うタクシーの中、男は美登里の手を握ったが。。。


この作品が好きな理由は、分かれた相手に対する未練がありながら、付き合っていた頃の悲しみ、苦しさ、辛さを、目の前にいる男の言動で呼び覚まされた美登里が、最後にささやかな仕返しをする爽快さでしょうか。


全5編は、どれも、どこにでもありそうな、男と女の関係を、女性側からの冷徹な眼で描いています。


尚、「最終便に間に合えば」の発行は、株式会社文藝春秋。発行日は、2012年7月10日。価格は、540円+税です。

 

 

==「本と雑誌」バックナンバー ==
http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/c/dc30502bb229b843454e38b8994f9be0

1~30冊  省略

31冊 2017/6/10 『るるぶ イタリア '17 ちいサイズ』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/8fd07900803a6cdfe70085b562a20298

32冊 2017/8/10 『八十日間世界一周』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/c75e0f2fd594adf77545d2a35f9501ff

33冊 2017/8/28 『レオナルド・ダ・ヴィンチ』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/4b435fa605fda003839cdeb7e61c2e4d

34冊 2017/9/18 『ルネサンス超入門』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/64ece681b5750e5855d15e681dd79fc0

35冊 2017/11/23『日本100名城めぐりの旅』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/3adfccbb6d4f30113aaba407d0f42297

36冊 2018/2/3  『篠原ともえ「御朱印をはじめよう」』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/d1c8862364add0563c147d7f383bc13b

37冊 2018/2/11 『七福神の謎』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/55b58e54afffe373e69649d2c65cdddc

38冊 2018/3/17 『ん-日本語最後の謎に挑む』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/4892698c255d0e922d4a5c8860453de3

39冊 2018/5/4  『司馬遼太郎「街道をゆく 本郷界隈」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/49ab040735f970ba1d3440835b38ccbc

40冊 2018/7/9  『香梅の門―桜田志士外伝―』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/a7e483c1c14da2bae314b9728a1d1a47

41冊 2018/11/18『上海の中国人、安倍総理はみんな嫌いだけど8割は日本文化中毒!』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/caa4fb69631a759fae89a59a622711e8

42冊 2019/1/6  『SAKIMORI』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/3b8d6573a2a3ca238ffcf715cfc16e4f

43冊 2019/1/28 『演劇とはなにか』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/fb2b24afd8e949f1504e7d8a707b395e

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