隊長のブログ

中国上海に2003年12月から2008年1月まで駐在。趣味はヒップホップダンス、ジャズダンス、旅行、映画、スポーツ観戦。

本と雑誌 21冊 『テレサ・テンが見た夢』

2016年12月07日 | 本と雑誌

隊長が読んだ「本と雑誌」を紹介するシリーズの第21回は、『テレサ・テンが見た夢』をお送りします。


テレサ・テン(鄧 麗君)は、大好きな歌手で、これまで;

2013年9月に 『アジアの歌姫:テレサ・テン』⇒ http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/8e93d5fd98bcd81822dc14020b19cc21

2014年2月に 『アジアの歌姫:別れの予感 競演』⇒ http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/aa5bfd6c3ed08ea35928dbb4c026f7ca

2014年9月に 『テレビ番組:テレサ・テン生誕60周年スペシャル』⇒ http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/a33dad8680da861b78ea0db2ad023314

2015年3月に 『テレビ番組:没後20年 不滅の歌声 テレサ・テンのすべて』⇒ http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/1287b4f37f8086807fb5e1400d6392d9

と、四回も取り上げています。


テレサの事は、良く知っているつもりでいましたが、改めて、この本を読もうと思ったきっかけは、『四方田犬彦著 李香蘭と原節子』⇒ http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/c480053b386de9398f64f43167273f0d です。


李香蘭(山口淑子)の事を知れば知るほど、李香蘭と多くの共通点があるテレサについて書かれた本を読もうと、強く思いました。


『テレサ・テンが見た夢:華人歌星伝説』は、没後21年、今なおアジア全域で大きな影響力を持つ、アジアの歌姫テレサ・テンの本当の姿を、精緻な海外取材と関係者の話から描き出す評伝です。


これからは、本書に習ってテレサ・テンではなく、鄧麗君と呼びます。


著者の平野久美子さんは、出版社勤務を経て、世界各国を取材して歩く中、1970年代から頻繁に訪れている東アジア、東南アジアの歴史、文化と日本との関わりを題材に執筆活動を続けています。


平野さんは、鄧麗君とも親しく、何度かロングインタビューを敢行していて、その様子も本書に収められています。


本書の構成は;

プロローグ 進む伝説化

第1章 中華民国(台湾)

第2章 日本

第3章 香港

第4章 中国大陸

第5章 パリ

第6章 祖国を求めて

エピローグ テレサ・テンが見た夢

で、テレサが過ごしたり、影響を与えた国・地域ごとに描かれています。


本書の中で、特に注目したのは;


GSバンド「ザ・タイガース」の元メンバー 瞳みのるさんが、語った「結局、こうやって伝説になっていくんだろうなあ」と語った部分です。

自ら“伝説のGSバンド”のメンバーだった瞳さん。そして、現在は、一年の四分の一を北京で暮らし、音楽を軸にした日中文化の交流活動を行っている瞳さんの鄧麗君の捉え方には納得させられました。

瞳さんは、宋詞に現代の作曲家がメロディーをつけて鄧麗君が歌ったアルバム「淡淡幽情」を高く評価しています。

そして瞳さんは、「残念ながら、日本人には万葉集や源氏物語の一節を歌謡曲に使うという発想がありませんね」と語っています。


また、本書では、鄧麗君の父親が元国民党軍人で、すぐ上の兄が陸軍少尉という家庭環境ゆえに、台湾で行われた仰々しい彼女の葬儀について、紹介してくれています。


「1920年代から1960年代初めまで、華人(居留国の国籍を取得している中国系住民)流行歌の発信地として大きな影響力を持っていたのは上海だった」とも書かれています。

上海に4年2ヶ月住んでいた隊長には、興味深い分析です。李香蘭も、その“上海歌謡”のスターだったのも興味深いことです。

鄧麗君が根強い人気を保っていられるのも、「何日君再来」をはじめとする彼女のレパートリーが、「上海ノスタルジア」ブームに通じる雰囲気を色濃く漂わせていたからだろうと、平野さんは述べています。


中国大陸で一度もコンサートをせずに逝った鄧麗君。もし、1989年6月の天安門事件がなければ、彼女が夢見ていた大陸でのコンサートも実現されていたでしょう。


本書を読了し、政治に翻弄された「アジアの歌姫」の悲しみと苦悩を知ることが出来ました。


尚、ちくま文庫『テレサ・テンが見た夢:華人歌星伝説』の発行は、株式会社 筑摩書房。価格は1,000円(税抜)です。

 


===「本と雑誌」バックナンバー ===
http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/c/dc30502bb229b843454e38b8994f9be0

1~10冊  省略

10冊 2015/9/2 『島耕作の中国ビジネス最前線』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/6df82c2084a6ea9760a0a9c93eada5f1

11冊 2015/11/18『佐藤優著「知」の読書術』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/9179ebc54e023ce1b5e4efd611f764bb

12冊 2015/12/9 『蝶野正洋著 プロレスに復活はあるのか』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/abe691bc3a689e9c47e5efeda9014204

13冊 2015/12/21『外国人力士はなぜ日本語がうまいのか』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/36dd3aaf4ea07815f7db88ae141ab7aa

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19冊 2016/10/22『四方田犬彦著 李香蘭と原節子』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/c480053b386de9398f64f43167273f0d

20冊 2016/11/22『有吉佐和子著「紀ノ川」』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/504131fd665c00b7ee0e8f8b28dd1003

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