たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

謎多き土偶

2019-10-09 09:23:19 | 縄文への旅

<つがる市・木造駅>

 

実は、ひとつの文化財が国宝と認められるまでには、

いくつかのクリアしなければならない

厳しい条件があるそうです。

現在、「国宝」に認定されている

6つの縄文造形物たちも、「制作年代」や

「出土状況」もしくは「作品の完成度」など

様々な基準を満たした上で、

ごく近年にようやく国宝となった作品ばかりでして、

その陰には「縄文を国宝に!」との熱い思いを抱いた

関係者たちの涙ぐましい尽力があったと聞きます。

 

一方、青森県つがる市出土の遮光器土偶に関しては、

残念ながら発掘時の詳細が不明なだけでなく、

「片足が欠けている」という決定的な欠落があり、

未だに国宝としては認定されていないのだとか……。

何でも、この遮光器土偶が発見された

「亀ヶ岡石器時代遺跡」は、

古くからその存在が知られていたがゆえに、

多くの出土物が世界中に散逸してしまい、

遮光器土偶を取り巻く背景がうやむやに

なったことが主な原因だといわれています。

 

つまり、この日本一有名な遮光器土偶は、

他の土偶たち以上に出生不明の

「謎多き土偶」だったわけですね。