たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

人型の呪術効果

2019-10-17 09:24:16 | 縄文への旅

<三内丸山遺跡・縄文時遊館>

 

以前、雄略天皇についての記事の中で、

「ドッペルゲンガー(分身)」

という現象についてお話しましたが、

実は縄文時代の土偶にも、

この「ドッペルゲンガー」につながる

厳しいルールが存在したと、

個人的には睨んでおります。

 

秀でた美的センスと超絶技巧を

合わせ持つ縄文時代の人々が、

あえて写実的な形象を避け、

土偶の顔をデフォルメしたのは、

人間を「生き写し」にすることで、

モデルとなった人物の魂が吸い取られて

しまうのではないかと恐れたのでしょう。

 

つまり、縄文人が人間以外の生体を模写したのも、

そして顔や身体の精密表現を避けたのも、

根底には「人型を造ってはいけない」という

暗黙の了解が存在していたような気がするのです。

 

そう考えると、縄文草創期~前期にかけて

制作された顔なし土偶が、

非常に理にかなったものであったと同時に、

中期以降に登場する土偶たちに関しても、

綿密な計算の元にギリギリの線を狙って、

造形を施されていたことがわかります。

 

恐らく、私たちがイメージする以上に、

「人型」には大きな呪術効果があり、

縄文人たちはその影響力を知っていたからこそ、

一貫して「人であって人ではない存在」の姿を、

土偶に反映し続けたのかもしれません。