<つがる市・木造駅>
実は、ひとつの文化財が国宝と認められるまでには、
いくつかのクリアしなければならない
厳しい条件があるそうです。
現在、「国宝」に認定されている
6つの縄文造形物たちも、「制作年代」や
「出土状況」もしくは「作品の完成度」など
様々な基準を満たした上で、
ごく近年にようやく国宝となった作品ばかりでして、
その陰には「縄文を国宝に!」との熱い思いを抱いた
関係者たちの涙ぐましい尽力があったと聞きます。
一方、青森県つがる市出土の遮光器土偶に関しては、
残念ながら発掘時の詳細が不明なだけでなく、
「片足が欠けている」という決定的な欠落があり、
未だに国宝としては認定されていないのだとか……。
何でも、この遮光器土偶が発見された
「亀ヶ岡石器時代遺跡」は、
古くからその存在が知られていたがゆえに、
多くの出土物が世界中に散逸してしまい、
遮光器土偶を取り巻く背景がうやむやに
なったことが主な原因だといわれています。
つまり、この日本一有名な遮光器土偶は、
他の土偶たち以上に出生不明の
「謎多き土偶」だったわけですね。