<青柏祭資料>
能登という魅力的な土地に関しては、
まだまだ書きたいことはたくさんあるのですが、
いかんせん今回は、訪れた神社の数が
限られていることから、
続きの内容はまた別の機会に譲ることとして、
最後に「生け贄」という習俗ついて
簡単に触れておきたいと思います。
能登の祭りや伝統と接する中で印象に残ったのは、
古代の能登人が「生け贄」という価値観に対し、
「どう対峙すればよいか」と
常に考えあぐねていた痕跡でした。
それは、子供や娘を「害獣」から守る
という現実的な問題だけでなく、
厄災避けのために「生け贄」を用いることへの
抵抗感とも言い換えられるわけで、古代のある時期、
大陸よりもたらされた「生き物の犠牲を伴う魔術」を、
自らが生き残るために取り入れるのか、
それともあくまでも古来のやり方を死守するのか、
長きに渡る人々の試行錯誤の結果が、
様々なバリエーションの「能登の祭り」
を生み出したとも想像できます。
古代日本を俯瞰する中で、
「生け贄」という習俗は避けて通れない重要テーマです。
かなり生々しい問題であるがゆえに、
歴史および縄文を語る人の多くが、
あえて「見なかったこと」にしがちですが、
これからの日本のあり方を考える上でも、
タブーにしたまま放置することは難しいと思われます。
というわけで、このあたりでまた「出雲」に舞い戻り、
これらのテーマなどを絡めつつ、
さらなる空想話を進めて行くことにしましょう。
【参考書籍】
出雲の神々に出会う旅 川島芙美子
古代史謎解き紀行Ⅱ~神々の故郷出雲編 関裕二
葬られた王朝 梅原猛
古代の鉄と神々 真弓常忠
民俗・地名そして日本 谷川健一
【参考サイト】
ダイドードリンコ 日本の祭り
日立金属(株)
神奈備
紙老虎の歴史漫歩
民族学伝承ひろいあげ辞典
kokoro's 神社空間