たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

心の岩戸開き

2016-04-30 11:21:21 | 歴史・神話・旅・風景

<天岩戸神社 あまのいわとじんじゃ>

 

古事記や日本書紀の中に、

「岩戸隠れ」の話が出てきます。

「岩戸隠れ」というのは、

「天照太御神がスサノオの狼藉に腹を立て、

天岩戸に隠れて世の中が闇になった」

という物語なのですが、一説によりますとこれは、

「日食を暗示した話」だともいわれております(諸説あり)。

 

物語の中では、太陽の神である天照太御神が姿を隠したことで、

地上は闇に覆われ様々な災いが発生しました。

現実的に考えても、太陽活動に変化が起これば、

電気系統の故障や通信設備の不具合に留まらず、

農作物などへの被害も避けられません。

 

その後、岩戸の前に集まった神々が知恵を出し合い、

天照太御神を外の世界へと引き出すことに成功したように、

様々な災いを起こさないためには、

日本に住む人間の「知恵」が必要です。

日本の明るい未来への再生に向け、

ひとりひとりの「心の岩戸開き」を進めたいものですね。


言霊を磨く

2016-04-29 10:29:46 | 神道・祖霊崇拝・祭り

<橿原神宮前駅 かしはらじんぐうまええき>

 

人間がなぜ、「言葉」というツールを与えられているのかというと、

それはこの世の問題を解決するために、必要不可欠な手段だからです。

記紀の天岩戸の件でも、天照大御神を引き出す際に、

まず天児屋命(アメノコヤネ)という神様が祝詞(つまり言葉)を唱えました。

 

日本語は世界でも類を見ない、「すばらしい祝詞(言葉)」で、

日本語を母国語とする日本人にとっては、

何気ない単語の発声ひとつひとつが「言霊」の役割を果たしています。

この世での「生きにくさ」を感じているなら、

まずは言葉の種類を増やし、言霊を磨く努力をしてみてはいかがでしょう。


重要な儀式

2016-04-28 10:12:53 | 神道・祖霊崇拝・祭り

<住吉大社 すみよしたいしゃ>

 

神道のご神事の後に、参加者全員でお神酒と神饌をいただく、

「直会(なおらい)」という儀式があります。

本来は私たちの日々の食事も、

神様から与えられた食物を丁寧に調理し(ご神事)、

神様に感謝しながらいただく(直会)という重要な儀式です。

 

私自身、食事という行為の神聖さに気づいてからは、

できるだけ「楽しい話題」「きれいな言葉」を意識しながら、

命をいただくようにしております。

感謝の思いで取り込まれた「命」は、

私たちの体の中に心地よく浸透し、

健康や寿命を維持する効果があるのですね。

 

神様が目の前にいるつもりで、

毎回心をこめて食事をすることにより、

各々の運気は大きく底上げされるのでしょう。


神仏を癒す

2016-04-27 10:10:23 | 自然災害・参拝マナー

<瀧原宮 たきはらのみや>

 

龍の形をした日本列島を眺めていますと、

「この島国は生き物だ」という感覚がわいてまいります。

大きな自然災害が起きるごとに、国土の生命力は削られ、

日本全体の運気が下がるのは事実。

日本で発生した災害は、被災した地域のみならず、

日本全土に向けた警告でもあるのですね。

 

ここ数年、登山や、神社参拝、仏像巡りなどを

趣味とする人たちが増えています。

ただ、その動機をたずねてみると、

「自然や聖地や神仏からご利益を得たい」

という気持ちが大半です。

今は私たちのほうが、「自然を癒す、神仏を癒す」

という気持ちを持つ必要があるのでしょう。


循環力の強化

2016-04-26 11:07:17 | 自然災害・参拝マナー

<倭姫宮 やまとひめのみや>

 

伊勢の遷宮が、今なお継続されているおかげで、

日本の国土は新陳代謝を繰り返し、

私たち国民も「心身の若さと成熟した知恵」を授かっています。

不要になった廃材は最後まできっちりと使いきり、

元の大地に戻すという「循環の型」が、

豊かな国を維持する原動力となっているのですね。

 

地域の氏神の「循環力」が弱い地域は、

必然的にトラブルに見舞われやすくなります。

伊勢神宮などの大きな神社と同様に、

地方の小さな氏神も、土地の人の手で守り、

こまめに参拝をしなければ、神様の息吹は復活しません。

様々な災害への懸念が高まるこの時期こそ、

住む土地(氏神)への感謝が大切なのでしょう。


循環の思想

2016-04-25 11:03:18 | 自然災害・参拝マナー

<磯神社 いそじんじゃ>

 

以前、様々な分野の著名人が、

神社について討論する番組を観ました。

その中で印象的だったのは、

「日本人は大きな循環を直感的に理解できる民族だ」という内容です。

携わる分野は違えども、日々の仕事や生活を通して見えてくるのは、

日本の風土の豊かさであり、日本人という民族の特殊性なのだとか。

特に際立っているのが、伊勢の遷宮に代表される

「循環の思想」なのだと言います。

 

国の人口が増えるほど、必然的に一人あたりの国土は狭まり、

大地の恩恵はやせ細ります。

近年の森林伐採や乱開発の影響で疲弊した国土を補うのは、

やはり「循環の思想」しかありません。

大地を削って生活させていただいた分の恩恵に対し、

ひとりひとりの日本人が「国土にお返しする気持ち」を持つことでしか、

今後の大災害を防ぐ手立てはないのでしょう。


唯一無二の祭祀者

2016-04-24 11:00:16 | 皇室・海人族・ユダヤ

<大神神社 おおみわじんじゃ>

 

「四方拝(しほうはい)」と呼ばれる祭祀の中で、

天皇陛下は「さまざまな国難は、わが身を通過しますように」

という内容の呪文を唱えられます。

古代より、天変地異を鎮める唯一無二の祭祀者であり、

その身を賭して国と国民を守ってきたのは、

他の誰でもない天皇という存在です。

そして今自然からの警告を、

一番強く感じているのも天皇陛下なのでしょう。

 

私たちが国土を汚すほど、天皇陛下の身に負担がかかり、

私たちが日本への愛着を失くすほど、天皇陛下の祈りを妨げます。

私たちはそろそろ、日本という特殊な国についてしっかりと学び、

日本人(日本国土に住む人)にできない役割を、

認識する必要があるのかもしれません。

 

【四方拝とは】

元旦の早朝に天皇がその年の属星、

天と地、四方の神々、天皇陵を拝み、

年の災いを祓い豊作を願う儀式。

天皇以外の代行は許されない、

数ある宮中祭祀の中でも最も重要なご神事。


海の神社

2016-04-23 10:32:32 | 西日本の神社

<青島神社 あおしまじんじゃ>

 

宮崎市の南に位置する青島という小さな島に、

青島神社という神社があります。

ご祭神は彦火火出見命(ひこほほでみのみこと)と、

その妃神である豊玉姫命(とよたまひめのみこと)、

そして塩筒大神(しおづつのおおかみ)という、

いずれも山幸海幸神話に登場する神様で、

この島は江戸時代まで一般人が立ち入ることが許されない霊域でした。

 

日本の海際に点在する神社というのは、

「海の災害」から国土を守るために、

日々神事を執り行わなければいけない大切な場所です。

これから懸念される南海トラフ大地震や、

未だ継続中の東北から千葉沖の地震等を防ぐためにも、

山の神と同様、全国の海の神社の役目が大きくなっているのでしょう。


見えない道

2016-04-22 10:55:55 | 歴史・神話・旅・風景

<紀の川 きのかわ>

 

先日の熊本地震は、中央構造線上で発生した

初めての大地震だという話を聞きました。

現在、中央構造線上では、小さな地震が多発しており、

徳島、和歌山、奈良など、九州からはある程度離れた場所でも、

「飛び石」を踏むように地面が揺れているのだとか。

先日記事にした和歌山市付近も、

実は中央構造線の真上にあたる場所で、

紀の川などはまさにこの大断層に沿って流れている川です。

 

中央構造線という「見えない道」を想像するとき、

その経路は神武東征の経路と重なる部分を感じます。

神武天皇が九州から奈良へと向かう途中で、

国津神の聖地を次々に統治していったように、

九州から始まった断層の動きも、

瀬戸内海を経て紀伊半島へと進んでいるのでしょう。

神武天皇の国造りにより残された太古の因縁が、

全国各地で起動し始めているのかもしれません。


「気」の正体

2016-04-21 13:53:20 | 神社について

<鹿島神宮 かしまじんぐう>

 

関東~九州地方の広いエリアにかけて、

中央構造線という大断層が横切っており、

鹿島神宮、諏訪湖、豊川稲荷、伊勢神宮、

高野山、幣立神宮、阿蘇山等々、

多くの聖地がこの中央構造線上に集中しています。

パワースポットというのはつまり、「断層の割れ目」から

大地のエネルギーが噴き出している場所でして、

古代の人はこういった力の強弱を無意識に感じながら、

神様を祀る祭祀場を選定していったのでしょう。

 

古い神社の地下には、特殊な地盤が広がっていることが多く、

この地盤(磐・岩)の発する磁気が、いわゆる「気」と呼ばれるものです。

参拝者がパワースポットに手をかざし、「気を感じる」などと言うのは、

岩盤の割れ目から噴出した地磁気に触れているからなのですね。

石には「貯める性質」があるといわれていますが、

神社で人間が発する気持ちは、そのまま岩盤に閉じ込められます。

私たちが神社で思う内容とは、

想像以上に自然の動きを左右するのかもしれません。


噴火の予兆

2016-04-20 13:37:51 | 自然災害・参拝マナー

<腰越海岸 こしごえかいがん>

 

先日大地震が発生した、

阿蘇をはじめとする九州中部~南部は、

いうなれば日本列島の「噴火の予兆」が現れるエリアです。

日本最大級の断層である中央構造線や、

一昨年噴火した御嶽山とも絡む、

火山噴火の起点とも位置づけられる場所で、

この地域の火山活動は、

富士山を要するフォッサマグナの大火山帯とも連動します。

 

火山噴火の被害は、地震や津波以上の広範囲に渡り、

近辺地域や人体への影響はもちろん、

ライフライン・物流・経済活動に至るまで、

現代人が当たり前に受けている恩恵のすべてが、

長期間にわたって断ち切られる非常に厄介な災害です。

ただ、火山大国である日本に住む限り、

どこにいてもその被害を避けることはできません。

 

古代の人たちは、自然の怒りを何よりも恐れ、

どんなときも神事(かみごと)を怠りませんでした。

今の日本人は「神様の上で暮らしている」という事実を、

あまりにも軽視しすぎているのだと思います。

「神道」という信仰、そして「神社」という場所が、

日常生活に溶け込んでいる意味を、

私たちはもう一度考えなければいけないのでしょう。


阿蘇山

2016-04-19 14:11:41 | 西日本の神社

<阿蘇山 あそさん>

 

数年前、阿蘇山の周りを車で一周したことがあります。

もともと阿蘇山に立ち寄る予定はなかったのですが、

都合で大分~熊本~宮崎を何度も往復することになり、

連日阿蘇山周辺を行ったり来たりしながら、

最終的に山頂の火口まで登りました。

阿蘇山の火口では、ガスの濃度が高まると、

すぐさま退避命令が出され、

火口付近から離れなければなりません。

その際感じた、強烈な息苦しさは、

今でも「火山の脅威」として記憶に染みついています。

 

実は阿蘇山という山は、富士山を凌ぐ力を秘めた場所で、

富士山のパワーを1とすると、阿蘇山はその数百倍だとか。

過去には、噴火に伴う火砕流の発生により、

九州から山口県にかけてのエリアが、

ほとんど壊滅した事例もあるそうです。

古来より続く山への信仰、そして神を祀る神社の存在は、

こうした災害を起こさないための布石でして、

決して人間が我欲を願う場所ではありません。

阿蘇神社の縛りが外れた今、

私たちはこれまで以上に、

自然への畏怖を忘れてはいけないのでしょう。


四つの祓い

2016-04-18 15:13:15 | 西日本の神社

<阿蘇神社 あそじんじゃ>

 

阿蘇山の「アソ」という単語は、

アイヌ語で火山を意味する言葉といわれ、

浅間山の「アサ」と同じ語源を持つそうです。

富士山の近くには、多くの「浅間」神社があり、

また伊勢市内にも「朝熊(あさま)山」という

伊勢神宮とも縁の深い場所があります。

熊本の「クマ」は「神」を示す言葉ですから、

これらの意味を重ね合わせると、

まさに「火山の神様がいる場所」が、

熊本県の阿蘇だといえるのですね。

 

火山の神様を祀る阿蘇神社が崩壊したのは、

私たちが想像する以上に深刻な状況です。

昨日は朝から強風が吹き荒れ、

全国的に「風の祓い」が起きましたが、

今回クマのアソの地で発生した「地の祓い」が、

「火の祓い」へとつながる可能性もあり、

また、これから雨の季節が近づくにつれ、

例年以上の「水の祓い」も起こるでしょう。

 

現代人や現実主義者たちが、

どんな屁理屈を言おうとも、

自然や地域の神社を守ることが、

私たちの守護につながります。

地震の連鎖と全国の火山の神を鎮めるためにも、

日本人ひとりひとりの自然への敬意が必要です。


自然の意思

2016-04-17 15:11:36 | 西日本の神社

<阿蘇神社 あそじんじゃ>

 

数年前、阿蘇神社を訪れた際に感じたのは、

境内を取り巻く圧倒的な「大きさ」でした。

重厚な造りの楼門や太い注連縄、

絶え間なく吹き出る手水舎の水など、

境内には気の勢いがみなぎっており、

旅の間に何度も訪れた覚えがあります。

とにかくすべてが骨太の力を感じさせる、

一の宮らしい雰囲気の神社であったがゆえに、

今回の被害にはたいへん衝撃を受けました。

 

ちなみに、阿蘇神社に祀られているのは、

阿蘇大神と呼ばれる阿蘇山の神様で、

古くから阿蘇地方の大自然を支配する

「山の神」「火の神」をお祀りした場所です。

少々オカルト的な見方をするなら、今回の地震により、

阿蘇山を鎮めるための結界が崩れたともいえるわけで、

今後は火山噴火への警戒は避けられないでしょう。

 

東日本大震災が発生してからこの5年間、

日本人の姿を見続けてきた結果、

神々はひとつの結論を出したのだと思います。

これからは誰の目にもはっきりとわかるように、

自然の意思があらわれるのかもしれません。


神様の答え

2016-04-16 20:40:40 | 西日本の神社

<阿蘇神社 あそじんじゃ>

 

昨日の夜中に発生したM7.3の大地震により、

阿蘇神社の楼門や拝殿が倒壊したそうです。

 

阿蘇神社といえば、肥後国の一の宮として、

全国的にも知られる大きな神社ですが、

今朝のニュース映像を見たときは、

あの威風堂々とした佇まいの社殿群が、

これほどまでに激しく崩壊するものなのかと、

自分自身の目を疑いました。

 

ただ、きっとこれが今の人間に対する、

「神様の答え」なのかもしれません。

阿蘇神社という、全国でも指折りの

古い歴史を持つ神社が倒壊した意味を、

自然への畏怖とともに考えてみるつもりです。