<天橋立 あまのはしだて>
豊鍬入姫命は、最初の巡幸地である
籠神社での慰霊の旅を終えたあと、
すぐには次の目的地に向かわず、
一度大和の国へと戻られました。
もしかすると、豊受大御神のご分霊を、
なるべく早く皇居の近くに、
お連れする必要があったからなのでしょう。
豊鍬入姫命から倭姫命へと引き継がれた
「草薙神剣(豊受大御神)」の御魂は、
巡幸の旅に最後に伊勢の地へ導かれ、
のちに雄略天皇の計らいにより、
正式に外宮に鎮座することになりました。
ある説によりますと、籠神社の一帯は、
古代文明の中心地でもあったそうです。
豊受大御神が、丹後の国から
伊勢の国へとお移りになられた今、
籠神社という国津神と海人族の聖域は、
古代の事実を封印したまま、
次の文明の始まりを、
静かに見守っているのかもしれません。