たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

祈りのしぐさ

2019-10-06 09:01:13 | 縄文への旅

<是川縄文館>

 

昨日、「手の動きは意思を放つ」

といった話をしましたが、是川縄文館の目玉である、

国宝・合掌土偶の作者が最も強調したかったのも、

恐らく「手を合わせる」という

しぐさだったのではないかと感じます。

 

例えば、神社仏閣で神聖な「何か」と対面するとき、

あるいは大事な場面で心の底から

「何か」を祈るとき……など、

私たちは無意識のうちに両手の平を合わせ、

気持ちをその一点に集中させようとするものです。

 

実際に手と手を合わせた瞬間、

「磁気」のようなエネルギーが発生するとも聞きますし、

静謐な空気を感じたり、心から祈りを捧げたりする際、

私たちは「人間の本能として」

自然と手を合わせてしまうのでしょう。

 

ちなみにこの合掌土偶は、

お腹の中央に描かれた正中線や、

足の間に描かれた女性器の刻みなどから、

「出産の様子を表したのではないか」

という説が囁かれております。

 

ただし、実物と対面したときの印象としては、

「人間の祈り」を総合的に表現したと考えたほうが、

作者の意図に近いのではないかという印象を受けました。