たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

人工構造物

2017-11-30 10:03:12 | 剣山・イスラエル

<剣神社 つるぎじんじゃ>

 

剣山登山の玄関口にあたる剣神社は、

山頂一帯に点在する複数の神社の里宮であり、

神社の脇からは山頂へと続く登山道が伸びています。

里宮とはいえ、すでに1400m地点ですから、

神社近くの駐車場まで車を利用することで、

比較的楽に山頂との往復ができるのでしょう。

快晴の登山日和であるこの日も、

団塊の世代と思われるグループが、

次々に山の中へと吸い込まれて行きました。

 

ちなみにこちらの神社の御神体として、

3つの岩石の破片が収められているそうです。

「聖なる鏡石」として伝えられるこの石は、

剣山の謎の解明に一生をかけた、高根正教氏

という人物らにより発掘されたものなのだとか。

昭和の初期、山頂一帯を発掘した高根氏らの一行は、

地下100mを超えるある地点にたどり着いたとき、

明らかに人工構造物と思われる 古い遺跡を見つけたと聞きます。

【参考サイト】

ミステリースポット剣山


剣神社

2017-11-29 09:55:29 | 剣山・イスラエル

<剣神社 つるぎじんじゃ>

 

まるで時間限定の絵画を観ているかのような

四国山地の神々しい景色を目に焼き付けた後、

最初の参拝地である剣神社へと向かいました。

見ノ越の商店の中心地あたりから

小高い丘の上へと伸びる参道を見上げると、

思わず怯んでしまうほどの長い石段が続いています。

 

このときはまだ気づいていませんでしたが、

剣山周辺に点在する神社のほとんどは、

「高地のさらに高所」に鎮座し、

社殿の屋根さえ隠れて見えないほど、

異常な角度・異常な距離の石段を要していました。

 

昨日の朝、東京を出発してからおよそ24時間、

「いきなり修行か…」と心の中でぼやきつつ、

寝不足のだらけた身体を引きずるようにして、

ゼイゼイと息を切らせながら参道を登り切った先に、

お目当ての神社がついに姿を現したのです。


コリトリ

2017-11-28 09:07:44 | 剣山・イスラエル

<見ノ越峠>

 

見ノ越から木屋平に向け10kmほど下った先に、

「コリトリ」という不思議な地名の場所があります。

調べたところによりますと、その近辺には、

小さな公衆トイレしかないにも関わらず、

剣山へと向かう道中の至る所に、

「コリトリ ●●m」と記された道路標識が、

500m間隔という非常に短いインターバルで、

設置されているのだとか。

 

全国的にも珍しいこの光景は、

酷道・標識マニアのみならず、

スピリチュアル好きの人たちの間でも、

「なぜこれほど入念に…?」と、

密かに話題になっていると聞きます。

ちなみに、コリトリは「垢離取」と書き、

行場に入る前に垢を落とす水場を意味するそうです。

 

その昔、剣山信仰の中心地として栄えたコリトリは、

昭和時代の土砂災害により集落が消滅したものの、

現在も剣山へ続く古い登山道が残っているとのこと。

さらに、コリトリという言葉はヘブライ語であり、

かの古代イスラエルから渡来した十支族の人々も、

このコリトリを通るルートを選択し、

剣山へと入ったという話を耳にしました。


ユダヤの秘宝

2017-11-27 10:05:22 | 剣山・イスラエル

<見ノ越峠>

 

食堂や土産物店などが立ち並ぶ、

見ノ越の中心部から道を逸れ、

木屋平方面を望む峠にたたずんでいる最中、

どういうわけか一台の車ともすれ違いませんでした。

私が登ってきた貞光一宇ルートからは、

ぼちぼちながらも登山客を載せた車が到着するのに、

峠を越えた穴吹木屋平ルートと呼ばれる山道は、

依然ひっそりとした雰囲気に包まれています。

 

最近まで、災害により通行止めになっていたため、

道の開通が周知されていないのかもしれませんが、

最も歴史があるとされる穴吹木屋平ルートより、

貞光一宇ルートのほうに観光客が集まるのは、

何か別の理由があるのでしょうか…。

一説によりますと、剣山のある場所には、

ユダヤの秘宝(失われたアーク)が

埋められているという話があるのです。


死国の暗喩

2017-11-26 10:01:48 | 剣山・イスラエル

<見ノ越峠>

 

昨日の夕方、四国の地に到着してから、

半日程度しか経っていないにも関わらず、

「これぞ」というお目当ての光景が、

すでに視界いっぱいに広がっていました。

恐らく山頂のあたりまで登れば、

さらなる絶景が待っているのでしょうが、

「もうここで十分」という思いが、

どこからか湧きあがってきます。

 

その日、剣山の上で浴びた朝日は、

これまで体感した太陽の光と比べると、

心なしか特殊な性質を帯びていました。

先ほど通った剣山の真下のトンネルも、

どことなく生と死の疑似再生を示す、

蘇りの産道のようにも感じられます。

四国という名称というのは、

やはり 「死国」の暗喩なのでしょうか……。


幻想的な姿

2017-11-25 10:01:12 | 剣山・イスラエル

<見ノ越峠>

 

剣山の登山口・見ノ越に着いた私は、

当初の目的地である剣神社に背を向け、

車一台がやっと通れるほどの狭いトンネルを、

木屋平方面に向かって歩き始めました。

「10月の早朝の山」という状況を踏まえ、

念のため防寒着を用意してきたのですが、

今日一日、季節外れの暑さが予想されるそうで、

山の上はとても快適な気温に保たれています。

 

目指す出口の向こう側の景色は、

強烈な日差しが視野全体を覆い、

ハレーションのような白飛び状態です。

涼やかな風が吹き込むトンネルの隅を、

車の往来を気にしながら足を進めて行くと、

短い隧道を抜けた先にあらわれたのは、

いくつもの山々が屏風のように連なる

四国山地の幻想的な姿でした。


見ノ越隧道

2017-11-24 09:56:04 | 剣山・イスラエル

<見ノ越隧道>

 

見ノ越隧道と呼ばれるそのトンネルは、

木屋平方面から剣山へと登るルートの

最後に待ち構える峠越えスポットです。

一説によりますと、剣山に向かう道のりの中でも、

「最も歴史がある」と言われる穴吹木屋平ルートは、

私が登ってきた貞光一宇ルート以上に、

曲がりくねった道幅の狭い箇所が多く、

条件次第では2倍近くの時間がかかるのだとか。

 

ここ数年の間、台風による山腹崩壊により、

道路自体が通行止めになっていたと聞きますが、

木屋平から続く剣山への道中の景色は、

主要3ルートの中でも随一だそうです。

剣神社に向けて歩き出した私が、

吸い寄せられるようにして導びかれたのは、

木屋平方面へと続く見ノ越隧道の向こう側、

まるでのぞき穴のようにぽっかりと

くり抜かれたトンネルの方角でした。


不思議な引力

2017-11-23 09:54:03 | 剣山・イスラエル

<剣山・見ノ越>

 

剣山への登山口・見ノ越の駐車場に車を停め、

いよいよとばかりに剣山の懐へと降り立つと、

高所ならではの繊細な空気の粒子が、

一瞬にして体内を満たして行きました。

早朝の神社参拝は何度も経験していますが、

これほど標高の高い(1400m)場所で、

日の出の太陽に立ち会うのは初めてです。

 

駐車場をグルっと見渡せば、

すでに何台かの車が到着しており、

登山客が早々と山登りの準備をしています。

開店の準備に追われる食堂や土産物屋を横目に、

剣神社を参拝すべく歩き出そうとしたそのとき、

神社とは逆の方向から、身体全体を強く

引っ張られるような力を感じたのでした。


朝日の出迎え

2017-11-22 09:49:59 | 剣山・イスラエル

 

<剣山・見ノ越>

 

うねうねと蛇行する細い山道を抜け、

ようやく峠の終点へとたどり着いたとき、

突如として強い光に視野を奪われ、

目の前の景色が白一色に染まりました。

咄嗟に踏み込んでいたアクセルを緩め、

手の平で光を遮りながら瞼を開いてみると、

そこはすでに近隣の山の頂を望むような高所です。

山肌を覆う樹木は、赤や黄色に色づき始め、

ひと足早く紅葉シーズンの到来を告げています。

 

まだ、平野部の日の出には時間がありますが、

すでに山の上には朝日が降り注いでいるのでしょう。

前方に見える不自然に切り開かれたスペースが、

神社やリフト乗り場のある場所かもしれません。

リフトを登った先にある山頂の一帯には、

興味深いスポットが点在していると聞きます。

ただし、今回は剣山山頂への登山はせず、

登山口にある剣神社への参拝のみです。

登山の時間が取れなかったのはもちろん、

極力「山」に入るのは避けているからでした。


早朝の剣山

2017-11-21 09:22:44 | 剣山・イスラエル

<つるぎ町・一宇>

 

まだ、辺りが暗闇に包まれる秋の早朝、

見知らぬ土地の見知らぬ山中へと車を進めた私は、

今自分がどの場所にいるのかすらわからないまま、

急こう配の上り坂をひたすら走り続けました。

事前に想像していたよりも標高の高い場所にまで、

人家のある集落が存在していたため、

それほど孤立感は覚えなかったものの、

張りつめていた緊張の糸が解けてきたのは、

暗い木々の間を走り抜ける時間が長くなり、

いよいよ本格的な山道へと差し掛かったころです。

 

空を見上げると、山と山の間が次第に白み始め、

景色の輪郭がはっきりと浮かび上がってきました。

いつの間にか、かなりの位置まで登っていたのでしょう。

家々が並んでいた側は切り立った崖へと変貌し、

反対の斜面からは勢いよく滝が流れ落ちています。

確実に剣山の頂に近づいていると認識した私は、

明け行く剣山の風景を写真に収めるために、

車のドアを開け、ほのかに夜の残気が漂う

早朝の森へと足を踏み出しました。


生活道路

2017-11-20 09:13:27 | 歴史・神話・旅・風景

<つるぎ町・一宇>

 

剣山へと続く山道に突入してからしばらくは、

集落の間を縫うようにして走る二車線道路です。

時折、急激に道幅が狭まる箇所が出現するものの、

さほど運転しにくいと感じる状況ではありません。

しかし、まだ夜も明け切らない時間だというのに、

ときには建物の間から、ときには崖の向こうから、

猛スピードで山を下ってくる車のヘッドライトが、

突如として視界を遮るように目の前を照らします。

 

当たり前のことではありますが、

普段私たちが利用する観光ルートというのは、

そのほとんどが土地の方々の生活道路であり、

安易な気持ちで立ち入ると、付近の住民に

迷惑をかける結果にもなりかねません。

「観光地」と名のつく場所のすべてが、

物見遊山の観光客のために、何から何まで

お膳立てしてくれるわけではないのですね。

 

今回、剣山周辺を巡る最中も、 地元の軽トラ、

他県ナンバーの高級車、 大型工事車両、

外国人観光客のレンタカー等々、

様々な車種、様々な立場の人々が運転する車と

すれ違いながら予定をこなしたのですが、

ある程度の事前調査をしていなければ、

車の運転にエネルギーを取られて、

ストレスばかりがたまる道中になったでしょう。


印象の差

2017-11-19 09:08:24 | 剣山・イスラエル

<つるぎ町・一宇>

 

剣山を訪れるにあたり、一番頭を悩ませたのが、

「どこをどう通って山頂付近へと向かうか」という、

剣山およびそれに付随する神社へのナビ設定でした。

多くの人が利用する主要の3つのルート以外にも、

東西南北様々な方面から剣山への道が伸びており、

「酷道」や「山道」を苦にしない人であれば、

どの道を通っても山頂近くへとたどり着けます。

 

私自身が今回、まず最初に選択したのは、

メインルートのひとつである438号線を通り、

剣神社のある見ノ越という登山口に向かう手段です。

その後、他の山道を行きつ戻りつしながら、

結果的に山の周囲をグルグルと

周回することになったのですが、

その道中「どの道を通るか」で、

剣山に対する印象にも、

微妙な差が見て取れることに気づきました。


人工の山

2017-11-18 10:01:08 | 剣山・イスラエル

<つるぎ町・一宇>

 

徳島県内の高速道路の整備が遅れたのは、

「剣山の秘密を守るためだった」 という話が、

都市伝説好きの人々の間で、

まことしやかに流れております。

それが嘘か本当かはともかくとして、

実際に剣山周辺を訪れて感じたのは、

多くの人の手が入った痕跡であり、

あまりにも複雑化しすぎて、

真意がわからなくなってしまった

多種多様な伝承の数々でした。

 

ちなみに、地元では「人工山」とも噂される

剣山の山頂一帯は、不自然に切り開かれており、

人為的に開発されたと思われる節があるそうです。

また山の周囲にも、他のエリアとは比べ物に

ならないくらい大規模な高地性集落が存在し、

訪れた人々の目にちょっとした違和感を与えます。

あえてこの場所を選んだ古代の人々は、

私たちの知らない何か特別な理由を

胸の内に抱えていたのでしょうか……。


四国八十八ヶ所

2017-11-17 09:55:34 | 剣山・イスラエル

<美馬市・寺町地区>

 

四国といえば、四国八十八ヶ所巡りが有名ですが、

実は徳島県内に点在する霊場を回る道中、

剣山の姿を拝むことはほぼできないのだそうです。

鳴門市近郊にある第一番札所からしばらくは、

剣山を目的地とするかのように、ひたすら

西に向かって道が続いているにも関わらず、

山頂を目にできるのはほんの一時。

ふもとに広がるお膝元の町々からも、

その雄姿を望める箇所は限られていました。

 

一説によりますと、八十八か所の生みの親である

弘法大師・空海が霊場を選定する際、

わざと剣山を避けるような場所を選び、

「剣山を守るための結界を張った」のだとか。

剣山に隠されている「あるモノ」を

人の目に触れないよう封印するため、

あえて剣山が見えないようなルートを

定めたという話もささやかれております。


徳島の道路事情

2017-11-16 09:49:12 | 剣山・イスラエル

<美馬郡・つるぎ町>

 

通称、貞光一宇ルートと呼ばれる438号線は、

他に比べると比較的道幅が広い箇所が多く、

また最短距離で剣山へと到着できるため、

観光客や登山客の多くが利用する

「剣山の顔」的な観光道路です。

がしかし、あくまでもその評価は、

近隣の山岳道路と比べてのものであり、

お世辞にも「整備されている」とは

言いにくいのが実際のところでした。

 

実は徳島県という土地は、日本国内において

最後まで高速道路を持たなかった都道府県で、

近年の徳島道の開通により、

ようやく47都道府県すべてに

高速道路が完備されたのだとか。

地元の理解を得られなかったなど、

いろいろな事情はあったのでしょうが、

その理由のひとつに「剣山」の存在が

深く関わっていたという話を、

風の噂で耳にしたことがあります。