たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

文様のメッセージ

2019-10-11 09:44:45 | 縄文への旅

<是川縄文館>

 

土偶の代名詞「遮光器土偶」を

誕生させたことで知られる「亀ヶ岡文化」は、

個性的な作品を数多く産み出した

縄文晩期を代表する文化です。

先日ご紹介した、八戸市の是川縄文館には、

この「亀ヶ岡式」と称されるモダンで洗練された

デザインの造形物たちが大量に所蔵されており、

縄文時代に興味を持つ人はもちろん、

物見遊山で訪れた観光客の目も

たっぷりと楽しませてくれます。

 

火焔型土器を要する信州地方の

ダイナミックな様式美と比べると、

青森周辺で出土した遺物は

緻密でクールな印象を伴う作品が強く、

しゃこちゃんを始めとする「遮光器土偶」など、

彼ら(彼女ら)のボディーに彫り込まれた

繊細で優美な文様からは、東北縄文人たちの

堅実かつ実直な仕事ぶりが見て取れるでしょう。

 

そんな完成度の高い亀ヶ岡式の文様ですが、

実はそれらの描き方には一定の法則性があり、

様々なモチーフを組み合わせることで、

人々が「意思の伝達をしていた」

と思われる節があるのだとか……。

つまり、縄文人たちは土偶あるいは土器を、

「コミュニケーションの手段」として

用いていた可能性が高いのですね。